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偏差値37の娘がカンニング行為! 受験目前、母親に追い詰められた子どもの「意思」『二月の勝者』第9話

 中学受験をリアルに描く連続ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系、土曜午後10時~)。舞台は、スーパー塾講師・黒木蔵人(柳楽優弥)が校長を務める中堅中学受験塾「桜花ゼミナール吉祥寺校」。

 12月4日放送の第8話では、成績トップの島津順(羽山仁成)と母親が、教育虐待やモラハラを繰り返す父親と完全別居。順は経済的事情から受験を断念しようとするが、黒木から奨学金制度の話を聞き、改めてチャレンジを決意した。

あらすじ

 12月11月放送の第9話では、受験まで残り3カ月となった生徒たちの志望校決定の模様が描かれた。

 たとえば、第5話でクローズアップされた上杉海斗(伊藤駿太)は、御三家で難関校の「開成」を受験したいと母に直訴。海斗には、大手名門塾「ルトワック」の最上位クラスにいる双子の弟・陸斗(同・一人二役)がいる。

 海斗の母は、「最上位校目指すっていうのは勉強に向いている子がすることよ。海斗は運動神経がいいんだからスポーツが向いていると思うの。人にはね、向き不向きっていうのがあるの。お母さん、向いていないことで苦労させたくないの。わかるでしょ?」と、やんわり息子を諭した。

 そんな母に、海斗は「決めつけてほしくない」と訴える。

「どうしてママはいつもそうやって、僕たちの向いてるとか向いていないとかを決めつけるの?」

「いつになったら自分でやりたいことを自分で決められるの?

「僕はただ、最初からできないって決めつけてほしくなかっただけなんだ」

 そもそも「向き・不向き」というのは、割とデリケートな話題だ。子どもにしてみれば、よりにもよって自分の「やりたいこと」を、「あなたには向いていない」と言われるなど、意欲を削がれるどころか、自分を否定されたも同然の事態だろう。

 一方で、親が我が子の「幸せ」を思い、苦労するところを見たくないと願った結果、「向き・不向き」をあれこれ思案することも、ときに無神経な言動をしてしまうことも、ままあることだと思う。そして、親の判断と子どもの希望は必ずしも一致しない。幸い、海斗は自分の気持ちをしっかり言葉にして母に伝えることができ、母も海斗の開成受験を認めた。

偏差値37の成績に見合わない志望校

 一方で、志望校選定の時期が来てもなお、子どもに向き合えない親もいる。成績下位のRクラスに在籍する偏差値37の今川理衣沙(渡邉心結)は、母が熱望する「吉祥寺女子」をはじめ、志望校は本人の成績に見合わない学校ばかり。

 知名度重視の理衣沙の母は、Rクラス担任の佐倉麻衣(井上真央)が安全校の併願を勧めても、理衣沙が「吉祥寺女子」の過去問で合格者平均点を出したと言い、聞く耳を持たない。が、答案を見る限りカンニングは明らかだった。

 黒木は、理衣沙が書店で過去問を立ち読みし、答えを丸暗記したのだろうと推測。そして佐倉に、「いかに保護者にこの不正を知らせず、怒らせず、そして受験生本人を受験に向き合わせることができるか」という難問の解決を指示する。

 もちろん不正はよくないし、本人のためにもならないが、それくらいに理衣沙は追い詰められている。自信を失くしている子には成功体験が特効薬だと考えた佐倉は、理衣沙の実力に合った学校の過去問を探して理衣沙に渡す。

 自力で問題を解き、合格ラインを超えたことを知ると涙ぐんでいた理衣沙は、母主導の志望校とは別に、自分にとっての第1志望校である併願校を決め、表情も晴れやかになった。

合格のために「まず必要なもの」は、「本人の意思」

 第1話で、合格のために「最も必要なもの」は「父親の経済力と母親の狂気」と断言していた黒木。今回の第9話では、理衣沙に自信を取り戻させた佐倉へ「あなたの今回のやり方は間違っていなかったんでしょうね」と認め、合格のために「まず必要なもの」は、「本人の意思」だと語った。

 大手名門塾「ルトワック」にいた頃の黒木は、「優秀な生徒たちを一つでも偏差値の高い学校に送り込むこと」が「子どもたちの幸せ」であり、自分の使命だと思っていたが、「合格後」の子どもの人生までは想像していなかった。

 ある卒業生は、無理をして難関中学に合格した後、授業についていけず不登校となり、家庭も崩壊したという。そのことに自責の念を持つ黒木は、桜花では、生徒たちの「意思」を大切にしているように見える。

 12月18日には、いよいよ最終回が放送される。果たして桜花の生徒たちは「二月の勝者」となれるのか。