• Wed. Dec 7th, 2022

長澤まさみ『エルピス』はテレビ業界のリアル? 実際の関係者の目にはどう映ったのか

 10月24日からスタートした新ドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』(フジテレビ系)が好評だ。第1話放送後、ネット上では「初回すごく良かった!」「エンディングまで完璧」「次回も楽しみ」など高評価の意見が多数寄せられている。

 同作の主演を務めるのは長澤まさみ。恋愛スキャンダルで落ちぶれた「大洋テレビ」の女性アナウンサー・浅川恵那(長澤)が、新米ディレクター岸本拓朗(眞栄田郷敦)とともに、連続殺人事件の冤罪疑惑を追っていく作品だ。

「この2人に絡んでくるのが、かつて恵那との路上キス騒動を起こし、彼女が転落するキッカケをつくってしまった元カレで同局のエース報道記者・斎藤正一(鈴木亮平)。恵那と正一の関係にも注目です」(芸能ライター)
 
 『エルピス』は社会派ドラマであるものの、“テレビ業界モノ”という側面もあり、業界人の目にはどう映ったのかも気になるところ。実際にテレビ業界で働く関係者によると、リアルな描写もあれば、現実では有り得ない部分もあったという。

※本記事は第1話のネタバレを含みます。

 かつては局のエースアナウンサーだった恵那だが、現在は深夜の情報バラエティ『フライデーボンボン』内のコーナーMCを担当。そのチーフプロデューサーである村井喬一(岡部たかし)は、世間がイメージする典型的な「ザ・テレビ業界人」としてわかりやすく描かれている。

「村井は体調が悪いと訴える恵那に『なんだよ、更年期か?』と言い放ったり、番組に出演するグラビアアイドルやタレントの卵と思われる女子の集団『ボンボンガールズ』と頻繁に飲み会を開いています。また、飲み会を中座する恵那に『そうやってスネてても、ババアに未来はないよ。イジけたババアほど嫌われるものないよ』と暴言を吐くことも。しかし、内部事情がわかりにくい制作会社ならいざ知らず、舞台となるテレビ局は一応、キー局でしょう。こんな男がいたらハラスメント認定で一発アウト。当然、深夜番組も外されます。そもそも現在、番組で飲み会をすることは、もはやなくなりました」(業界関係者)
 
 また、「ボンボンガール」に番組関係者が手を出すのは御法度だが、番組ディレクターの拓朗がそのうちの1人を口説いていたことが発覚する。

「番組のアシスタント女性とディレクターが深い仲になることは珍しくありません。ただそれは、いわゆる枕営業と言われるものではなく、真剣交際が前提です」(業界関係者)

 そんな拓朗と恵那は、村井に冤罪事件についての特集を放送させてくれと願い出るも、村井からあっさり突っぱねられた上、こう口撃される。

「お前な、闇、闇言ってっけど、じゃあ闇ってなんなの? その奥になにがいんの? 言えるか? 言えねぇだろうがよ! 闇にあるもんってのはな、それ相応の理由があってそこにあんだよ。お前らごときがオモチャみてぇな正義感で手出していいようなことじゃねぇんだよ。冤罪を暴くってことは国家権力を敵に回すってこと。わかる?」

 だがこの後、恵那は「わかりません」「わかりたくありません」と歯向かい、国家権力に立ち向かう覚悟を示す。スキャンダル後、色のない生活を過ごしてきた恵那の心に火がともっていく過程を、長澤がうまく演じていた。

「実は自分も、以前、冤罪事件を取り上げるスペシャル番組をやりたくて、過去の冤罪を検証する企画書を出したことがありました。ただ、出した相手が報道ではなくバラエティ班の人間だったので、『難しい』と言われてそれっきりです。実際、そうした重厚なテーマを放送できる枠が限られていることもあり、タイムリーな冤罪事件が起きない限り、そうした特集・特番は見られないと思われます。なにより村井の『お前らごときが――』という台詞は胸にグサッときましたね。恵那と拓朗にはぜひ、真実にたどり着いてほしいです」(同)

 初回の世帯平均視聴率は8.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と1桁台にとどまったが、本当に面白い作品であれば2話以降、着実に数字は伸びてくるだろう。今後に期待したい。