「梅雨に入ってから、めまいが頻繁に起こる」「雨の日は立ちくらみがして、仕事中なのに立っていられないことも……」こんな悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
カラッと晴れた日よりも、雨の日に不調を感じる方は多く、近年は「気象病」としても注目されています。気象病の中でも、雨の日が続く梅雨の時期になると「めまい」を感じる人が増加中。ただでさえうっとうしい梅雨の時期に起こるめまいは、どう対処していけばいいのでしょうか?
そこで今回は、医師の木村眞樹子先生に、梅雨時期のめまいの原因と改善方法について教えてもらいました。
1.勤務中にめまいが……同僚や後輩の前で怒られ“公開処刑”!
今回ご紹介するのは、梅雨時期のめまいで悩んでいる博子さん(仮名)36歳のエピソードです。
梅雨に入ってからというもの、ぼーっとすることが多くなってきたという博子さん。もともと、朝は目覚めがスッキリしているほうで、“朝活”にハマった時期もあったほどだったそう。しかし、「30代に入ってからは、頭がぼんやりしてキビキビ動けなくなったんです。特に雨の日は体の重さを感じて、めまいがすることが増えました」とのこと。
ある日の勤務中、パソコンで書類作成の作業をしていたら、ぐるぐると回るようなめまいが……。その場で動けなくなってしまい、固まっていたところ、後輩から「博子さん、いつもキビキビ働けって言うくせに、どうしたんですかぁ? パフォーマンス下がってますよ」と、嫌味なひと言をぶつけられたそう。
「言い返そうにも、まったくその通りで何も言えず、悔しい思いを飲み込みました。『めまいさえ起こらなかったら、バリバリ仕事をして後輩にもキッチリ指導できるのに!』と思っても、体が言うことを聞かなかったのです」
そのうえ、同じ日にケアレスミスを連発してしまい、同僚や後輩がいる前で「何やってんだ! 新人でもないのに、金額が全然合っていないじゃないか! 最初からやり直せ!」と、上司に怒られる“公開処刑”を受けた博子さん。情けないやら、腹が立つやらで、その後、トイレでこっそり泣いてしまったそうです。
「晴れている日は大丈夫なのに、雨の日は体のだるさとめまいを感じることが多い。でも、『これくらいで病院に行くのは大げさかな?』という気持ちもありますし、病院は時間もかかるから、できれば行きたくないと思ってしまいます。ただ、このスッキリしない体調をなんとかしたいんです。何かいい方法はないでしょうか?」
博子さんのように、梅雨の時期に起こるめまいで悩んでいる人は少なくありません。ただでさえうっとうしい天気なのに、体の調子まで悪くなるのはつらいですよね。そこで今回は、梅雨の時期に起こるめまいと、その原因についてご紹介していきます。
梅雨の時期になると、博子さんのようにめまいが起こりやすくなる人も多いですが、この症状は「気象病」の可能性があります。気象病とは、天気や気候の変化によって起こる不調の総称。天気や気候の変化で自律神経が乱れ、体にさまざまな不調が起こると考えられています。
気象病の代表的な症状として、めまい、頭痛、吐き気、だるさなどがありますが、体質によって不調の度合いも違うため、周りの人には理解されにくいことも多いです。バリバリ仕事をしたい、頑張りたいと思っていても、梅雨の長雨による不調は自分でコントロールできないため、もどかしさを感じてしまいますよね。
3.めまいを改善するには漢方医学がおすすめ
博子さんは、梅雨時期になると起こるめまいの症状をどうにかできないものかと、インターネットで改善方法を調べていました。すると「めまいは漢方で改善できる」という記事を見つけ、「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」という漢方薬をインターネットで購入。注文した漢方薬を飲み続けているうちに、だんだんとめまいの回数が減ってきたそう。
また、博子さんはもともと体がむくみやすい体質だったのですが、苓桂朮甘湯を飲むことによって、だんだんとこの症状も改善されたとのこと。漢方医学では、体内にたまった余分な水分を排出することによって、梅雨時期に起きるめまいや立ちくらみを改善しますが、これがむくみ改善にもつながっているのです。
漢方薬を服用することによって、体質改善にも効果があったという、うれしいエピソードを教えていただきました。
3-1.漢方薬でめまいを改善できるの?
「職場でいきなりやってくるめまいに困っている……」「梅雨時期のめまい体質って治せないのかな?」
博子さんのように、梅雨時期のめまいで悩んでいる方には、漢方薬がおすすめ。自然由来の漢方薬は、気象病の症状であるめまいや立ちくらみの改善に期待できます。
漢方薬はめまいの症状を体の内側から改善する効果が認められているほか、自然の素材がやさしく作用するため、一般的に副作用が少ないといわれています。バランスの良い食事や、適度な運動を毎日続けるのは難しい……という場合も、漢方薬なら毎日飲むだけなので、無理せず続けられるはずです。
・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):体力が中等度以下で、めまいや立ちくらみがある方へ
尿の量を増やして、体内に滞った水分を排出します。
・五苓散(ごれいさん):のどが乾きやすく尿の量も少なく、めまいがある方へ
体の水分代謝を促し、余分な水分を排出します。
ただし漢方薬は、ご自分の体の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることも。でも、たくさんの漢方薬から、自分に合う漢方薬を見つけるのは大変ですよね。
そんなときは、「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。漢方に精通した薬剤師とAIが、あなたに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。
4.めまいを改善して、梅雨の時期を乗りきろう!
めまいや立ちくらみなど、天気や気候の変化によって起こる「気象病」の原因は、体の水分バランスが崩れることです。このバランスを調整する漢方薬を用いれば、不調の改善が期待できます。
「いつも起こるめまいだから……」と思わずに、専門家に相談しながら、漢方薬を取り入れてみてはいかがでしょうか? 博子さんのようにめまいを改善して、長く続く梅雨の時期をラクに乗りきっていきましょう。