ジャニーズタレントらしからぬ、奇抜なファッションやヘアスタイルで知られるKinKi Kids・堂本剛。これまで、ラジオ番組では「アシンメトリーの髪形っていうのは、本当に僕が特許持ってるようなもんなんですけどね」と誇らしげに語ることもあったが、このヘアスタイルが生まれた背景には、精神的な問題も関係していたようだ。
剛といえば、今から15年ほど前、左右の長さが異なる“アシンメトリーヘア”に変え、のちに流行を作った人物。昨年のラジオ番組『KinKi Kids どんなもんヤ!』(文化放送、2020年6月15日放送)では、新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間中にセルフカットをしたと明かし、「アシンメトリーが生まれたきっかけも、自分で髪の毛を切ったことによって生まれましたからね」「こんな髪形してる人、いいひんしと思って」と回想。なお、当時はこうしたヘアスタイルの人が周りにいなかったため、「なぜ対称じゃないんだ?」と言われるなど、好奇の目で見られていたそう。
また、今年2月22日放送の同ラジオでも、自身の髪形やファッションに関して、「よく『ジャニーズっぽくない』って言われるけど、それで言うと、今のみんながジャニーズっぽくないで、っていう」「時代って勝手やなって思う」と吐露。かつての自分は“異端児”として扱われていたが、今の後輩は「髪の毛バンバン染めてるし、(自由に)服着てるけど……」「今の子はいいよな。大して怒られへんもんな、絶対」とも口にしていた。
一方、6月26日放送のラジオ『堂本剛 とFashion & Music Book』(bayfm)では、アシメヘアの裏事情を告白。04年に発売されたソロアルバム『[si:]』を最近よく聞いているというリスナーからのお便りを受け、制作当時を回顧した剛は、
「今では『アシンメトリー』って言葉ができていて、左右非対称の髪形、髪の毛の長さの髪形をすることっていうのは、普通になってますけれどもね。一番最初に僕がやった時に、まず髪の毛を切りに行くのがめんどくさかった。で、人とのコミュニケーションをとるのが難しくなってしまった。パニック症(パニック障害)とかもあったんかな。髪切りに行くっていうのがちょっともうしんどすぎて、無理だった。いろいろなことを考えてたら、左右非対称に髪がなったんですよね」
と明かしたのだ。彼は過去にも、多忙を極めていた10代の頃から過呼吸に苦しんだことを打ち明けていたが、アシメヘアにしたのも、パニック障害の症状がきっかけだったと明かしたのだ。
さらに剛は、アシメヘアにしたことでファッション系の仕事に携わる知り合いから「めっちゃかっこいいやん」と褒められたそう。しかし一方で、「いわゆる右と左ちゃんと整ってたい、一緒にしたいみたいな感覚で物事を考えて生きている人たちからすると、『アンバランスやん』みたいな。『どうした? 大丈夫か?』ってなりましたけど。みんなが真似したら、アシンメトリーっていう言葉ができて。普通になるんですよね」と、不満もポロリ。
当時は洋服もメンズとレディース両方を着ていたというが、「レディースを着てると『どうしたん?』みたいな雰囲気とか、やっぱなってましたもんね」とのこと。しかし、時代が変わったことで、「今は『どうしたん?』なんて言われないですよ。レディース着てても、男の人が」と話していた。
自身のスタイルに悩んでいた時期は、「ホントいろいろなこと考えてた」とした上で、「だからバランスを逆に崩してた部分もあるのかもしれないし。だからアシンメトリーができたのかもしれない。まぁ、良くも悪くもなのかもしれませんけれどもね」と、まとめたのだった。
ヘアスタイルやファッションなど、アイドルとして数歩先を進み、時代を作ってきた剛。今後も周囲の声に流されず、自身の感覚を大切にしていってほしいものだ。