山崎賢人が主演を務める映画『夏への扉 キミのいる未来へ』(6月25日公開)が、苦戦を強いられている。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当初の予定よりも4カ月延期しての公開となったが、「満を持して上映開始したものの、世間からの注目度は低い」(芸能ライター)ようだ。
「この映画の原作は、アメリカのSF作家であるロバート・A・ハインライン氏の代表作『夏への扉』(ハヤカワ文庫SF)。1995年の東京でロボット開発に従事していた科学者・高倉宗一郎(山崎)は、亡き父の親友で偉大な科学者・松下和人(眞島秀和)の遺志を継いで研究に没頭しながらも、松下の娘・璃子(清原果耶)や愛猫・ピート(パスタ/ベーコン)と穏やかな日常を送っていた。しかし、信頼していた共同経営者と婚約者・白石鈴(夏菜)に裏切られ、人体を冷凍保存する装置に入れられてしまう。そして、2025年に目を覚ました宗一郎は、失ったものや変えられた運命を取り戻すために復讐を決意する――というストーリです」(同)
山崎といえば、14年に公開された『L・DK』や16年公開の『四月は君の嘘』といった恋愛映画から、17年公開の『斉木楠雄のΨ難』のようなコメディ映画、歴史アクション劇『キングダム』(19年公開)など、漫画やアニメの実写化作品で多数主演を経験している。
「『夏への扉』は、そんな山崎が主人公を演じるほか、ヒロイン役の清原も、現在放送中のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』で主演を務める注目の若手女優。さらに、主題歌『サプライズ』は、昨年公開の大ヒットアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で主題歌『炎』を歌い、『第62回日本レコード大賞』を受賞したLiSAが歌唱するなど、話題性は抜群のはずですが……」(同)
しかし、公開初週の映画動員ランキング(6月26日~27日集計、興行通信社調べ)では、公開2週目の『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』が1位、公開4週目の『るろうに剣心 最終章 The Beginning』が2位、公開3週目の『キャラクター』が3位という成績を収めたほか、4位は公開16週目の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』だったが、『夏への扉』はトップ10入りを逃した。
「翌週、7月3日~4日集計の同ランキングでも、『夏への扉』はランキング圏外から脱せず。実際に鑑賞したというネットユーザーからは、『小説に忠実で面白かった』『原作改変要素も、うまいこと驚きにつながっていて、原作ファンも満足だと思う!』『山崎&清原の演技力の高さと顔の造形美が良い意味でSF感を薄め、青春映画として成立させていた』などと好意的な声も上がっています。しかし、“名作SF小説の実写化”とあって、情報解禁時に原作ファンから反発の声が噴出していたため、集客につながらなかったのかもしれません。また、山崎は実写化作品で主演を務める頻度が高く、『また山崎賢人か』『もう飽きた』という意見も見られることからわかるように、『“ゴリ押し”されてるイメージ』がすっかり定着してしまっているようです」(同)
下馬評を覆すのは難しかったようだが、3週目以降での挽回はあるだろうか。