「おいしいごはんが食べたい、でも自炊するのはめんどくさい!」そんなズボラ女子の救世主といえば、コンビニ・ファミレス・ファストフード! 毎日の食事をおいしく楽チンにするため、“お酒とおつまみ大好き”管理栄養士・川村郁子先生に、さまざまなテーマに合わせた「おすすめメニュー」を聞いちゃいます。
ズボラな人にピッタリ! 「冷凍弁当・ワンプレート」商品をチェック
「ごはんを作るのはめんどくさい。でも、買いに行くのもダルい……」こんな気分になった時のために、備えておくと便利なのが「冷凍食品」。最近では、宅配の冷凍弁当も話題ですが、スーパーでも同じようなお弁当や、ワンプレートタイプの冷凍食品が手軽に購入できるんです。
そこで今回は、人気の冷凍弁当・ワンプレートメニューを、管理栄養士の川村先生が解説。「よくばりプレート」シリーズが人気のニップン、プライベートブランドで冷凍ワンプレートを扱うスーパーのイオン(トップバリュ)、ライフ(スマイルライフ)の商品から、栄養バランスやカロリー、塩分などのポイントを踏まえた“おすすめメニュー”をピックアップしてもらいました。
――弁当・ワンプレートタイプの冷凍食品には、どんな特徴がありますか?
川村郁子先生(以下、川村) 比較的バランスの考えられたごはんを手軽に食べられる点が、一番わかりやすい特徴でしょう。献立を考える必要もなく、カロリーや塩分も計算してあるので、手作りの料理よりも、栄養バランスのコントロールがしやすいです。まさに、ズボラさんにはピッタリだといえます。
――それではさっそく、冷凍ワンプレートのおすすめ商品を教えてください。まずはニップンから。
「よくばり御膳 五目ご飯と鶏と野菜の黒酢あん」(オープン価格、以下同)
川村 鶏肉でタンパク質を補うことができる点と、五目御飯や野菜入りの黒酢あんから栄養を補えていいですね。カロリーは1食あたり437kcalと、1食分の目安となる500kcal以内に収まっていますし、カロリーを抑えつつ、栄養バランスのいい食事ができる、魅力的な1品だと思います。
「よくばり御膳 鶏めしとチキン南蛮」
川村 電子レンジで温めるだけで、気軽にチキン南蛮と鶏めしが食べられるという、鶏好きにはたまらない一品。カロリーはほかの商品より若干高く526kcal、食塩相当も多めの3.5gですが、タンパク質は1食分の目安となる20gほど摂れるので、総合的に見れば優秀。
「よくばり御膳 あさりご飯とさばの味噌煮」
川村 お魚料理は調理や洗い物に手間がかかるので、冷凍食品で手軽に食べられるのはうれしいですよね。日ごろから冷凍庫にストックしておいて、お肉料理が続いた時などに、こちらのメニューを選ぶのもいいでしょう。栄養素の面では、さばで不足しがちな必須脂肪酸を、あさりからは微量栄養素の亜鉛やクロムなどを補えます。カロリーは437kcalと、こちらも500kcal以内に収まっていますね。
――続いて、イオンのプライベートブランド、トップバリュのおすすめ商品を教えてください。
「ごはんセット 牛すき焼き風ともち麦ごはん」(321円、税込/以下同)
川村 牛肉のタンパク質、カボチャのβカロテン、もち麦ごはんからは食物繊維が摂れます。カロリーは364kcal、食塩相当量も1.4gと、どちらもかなり抑えられているのも注目ポイント。しかし、タンパク質も10.4gと少なめで、もう少し欲しいところです。卵や納豆、豆腐などを一緒に食べて、タンパク質をプラスするといいでしょう。
「ごはんセット さばの味噌煮と五穀ごはん」
川村 さばでタンパク質やビタミンB群、必須脂肪酸などが摂れます。レンコンやおからなど、食物繊維を多く含む食材が一緒に入っているのもうれしい。カロリーは452kcalと抑えられていますが、やはりタンパク質が11gと気持ち少なめです。
「ごはんセット チキン南蛮と高菜ごはん」
川村 チキン南蛮に高菜ごはんという、食べごたえのありそうな組み合わせ。鶏肉でタンパク質やビタミンB群が摂れ、高菜で食物繊維も補うこともできます。高菜はお漬物なので、塩分が高めになるかと思ったのですが、表示を見ると2.3gなので、気にするほどではないですね。タンパク質は19.2gで、ほかの商品より多い点もおすすめできます。
――最後に、ライフのプライベートブランド、スマイルライフのおすすめ商品を紹介してください。
「おろしハンバーグ&かやくごはん1人前」(354円、税込/以下同)
川村 和風のおろしハンバーグと、かやくごはんを一緒に楽しめるメニュー。量はもう少し欲しいところですが、付け合わせでニンジンや青菜などの緑黄色野菜が摂れるのは評価できます。カロリーも370kcalと、かなり控えめですね。
「さば味噌&五穀ごはん1人前」
川村 さばの味噌煮で必須脂肪酸やタンパク質、ビタミンB群、レンコンからは食物繊維やカリウムが摂れます。カロリー362kcal、塩分1gとどちらも控えめなので、おかずを1品プラスできるのもうれしい。その日の気分に合わせて、追加メニューを選ぶ楽しさも増えそうです。
「鶏肉と4種野菜の黒酢あん&押し麦入りごはん」
川村 鶏肉からタンパク質、押し麦ごはんで食物繊維が摂れます。ブロッコリーなど、緑黄色野菜が入っているのも高評価。なお、カロリーは317kcalなので、今回ピックアックした商品の中では最も低いですよ。
――今回紹介した9商品の中から、おすすめを一品決めるならどれですか?
川村 どれも「ごはん+副菜のおかず」という組み合わせなので、正直なところ、栄養面から大きな差はありません。特にいいと思ったのは、イオン(トップバリュ)の「ごはんセット さばの味噌煮と五穀ごはん」ですが、タンパク質が少ないのは惜しかったですね。そのほかのメニューも、カロリーが低くても塩分が多めだったりと、決め手に欠けてしまいました。とはいえ、今回見た商品はどれも栄養バランスを意識したメニューなので、まずは好きなものを選んでみてはいかがでしょうか。
私も在宅仕事中、料理を作る時間がないけれど、すぐに定食弁当が食べたいときなどに、このような冷凍のお弁当を活用します。ただ、冷凍だと生野菜が食べられないので、サラダを追加したり、別の食事で補ったりしてほしいです。それぞれのライフスタイルに合わせて、ぜひ活用してみてくださいね。
(文:佐藤真琴)
川村郁子(かわむら・いくこ)
管理栄養士。中村学園大学栄養科学部栄養科学科卒業。九州の病院栄養士経験を経て独立。レストランのヘルシーメニュー監修、栄養専門学校講師、企業・大学での食育講演を行いながら、「コンビニや外食との上手な付き合い方」「15分で作れるかんたん栄養めし」の提案をしている。
インスタグラム:@shokuikuko/WEBサイト:「酒好きの食育」