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授乳中の嗜好品はなんでもすべてダメなの?

ByAdmin

Jul 19, 2021

■小児科医・森戸やすみ先生の子育てQ&A
Q.授乳中の嗜好品はなんでもすべてダメなの?
A.ケーキやお菓子は大丈夫、カフェインやアルコールは少量なら。でもタバコだけはダメです!

 授乳中は、ケーキやコーヒーなどの嗜好品を摂ってはいけないと言われがちです。でも、本当にそうなのでしょうか。ひとつずつ考えてみたいと思います。

<ケーキやお菓子>

 授乳中に生クリームのケーキなどの油脂分の多いものを食べると、母乳がどろどろする、詰まりやすくなるという説がまことしやかに流れているため、「食べてはいけない」と思っている人も多いかもしれません。

 でも、本当は乳腺炎の原因として明らかになっているのは、①授乳の間隔があく、②抱っこ紐や服などで圧迫される、③不適切な抱き方や吸着によって赤ちゃんがうまく吸えていないなどの理由で、母乳が乳房に溜まってしまうことです。食べ物が原因で母乳が詰まって乳腺炎になるということは、医学的に証明されていません。普通に食べても大丈夫です。

<コーヒーや紅茶>

 カフェインを含むコーヒーや紅茶、緑茶なども大量でなければ飲んで大丈夫です。赤ちゃんが母乳によってカフェインを大量にとると、興奮状態になったり、睡眠障害になったりすることがわかっていますが、アメリカ小児学会が1日2〜3杯までなら問題ないと言っています。特にハーブティーなどを飲まないといけないわけではありませんので、ノンカフェインのものと組み合わせて、好きなものを飲んでくださいね。

<アルコール>

 アルコールは分子量が小さいため母乳に出やすく、そして赤ちゃんはアルコールの代謝が遅いので、慢性的に飲酒をしながら授乳を行うと傾眠傾向、認知能力の低下、成長障害などが起こるリスクがあります。

 でも、授乳直後にアルコール1単位(日本酒なら1合、ワインなら200ml、ビールなら中瓶1本程度)以下をとった場合、個人差はありますが、次の授乳(3時間後)には、ほぼ代謝していると考えられます。ただし、水分を多めに摂ったり、搾乳して捨てたりしても、母乳中のアルコールは減らないのでご注意を。

 授乳生活は長く続くので、たまにはお酒を飲み、授乳を休むことがあってもいいかもしれませんね。

<タバコ>

 残念ながら、タバコだけはいつでもダメです。タバコに含まれるニコチンは、お母さんの血中濃度よりも母乳中のほうが1.5〜3倍も高くなることがわかっています。そのため、赤ちゃんは大量のニコチンを摂取してしまうことになります。そして周囲の人が喫煙していて、その副流煙を吸うと、たくさんの一酸化炭素、アレルゲンを吸入することになり、呼吸器疾患や突然死症候群(SIDS)のリスクも上がります。ですから、タバコだけはやめましょう。

<今回のポイント>
○   ケーキやお菓子は問題なし
○   コーヒーなどは1日2〜3杯まで
○   アルコールは1単位まで
○   タバコは絶対にやめよう

森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK ~いつものケアから不調のときの対処法まで』(内外出版社)
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