おかずクラブ・オカリナに、再び脚光が当たっているようだ。2009年に結成し、『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の「おもしろ荘」で注目を集めてから6年。吉住、ぼる塾、丸山礼、ヒコロヒーなど新世代の女芸人が台頭する中、今なぜオカリナなのだろうか?
「おかずクラブは、14年12月31日深夜にオンエアされた『ぐるナイ大晦日恒例!おもしろ荘 若手にチャンスと愛を…誰か売れて頂戴SP』(日本テレビ系)で優勝し、一躍その名を知らしめました。テレビ番組の出演数は、14年がわずか1本だったのに対し、15年は約150本に。『世界の果てまでイッテQ!』(同)にも不定期出演するようになりました。しかしここ最近は、徐々にテレビ出演も減少。地方局でレギュラー番組を抱えているものの、全国区では『イッテQ』以外で定期的に姿を見る機会はありません」(芸能ライター)
そんなおかずクラブのオカリナは、昨年のコロナ禍に食事動画を投稿して、にわかに注目を集めた。「ときどきオカリナ」と名づけられたYouTubeの個人チャンネルで、自分が作った料理を淡々と食べる自撮り動画をアップし始めたのだ。7月18日までに公開されている57本の動画のうち、食べていない動画は3本のみ。その3本はお気に入りのマンガを紹介するというもので、ほかはすべて食事だ。
「コロナ禍では、多くの芸人が食事をただ食べるだけの動画を公開。オカリナもその1人でしたが、まさかここまで食事動画にこだわって投稿を継続するとは、誰も予想できなかったのでは。人気芸人とは思えないほど、飾り気のない部屋着姿や親近感の湧く手料理がウケたのか、動画は軒並みヒット。そんな食べる姿が“画もち”する彼女に目を付けたのが『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)です」(放送作家)
3月5日の同番組で、かねてからクリームパン好きを自称していたマツコ・デラックスのために、有識者がクリームパンのおいしいパン屋50店舗を選出。それをオカリナが可能な限り店を回っては試食し、最強の7品を選ぶという企画が行われた。
企画に挑む前、オカリナは、マツコがこよなく愛するクリームパンについて、「13歳くらいで卒業するパン」と毒づいて笑いを取りながらも、実食すると抜群に的確な食リポを発揮。そして、スタジオで彼女が選出したクリームパンを食べたマツコは、そのおいしさに驚きつつ、オカリナの確かな舌に「味覚すげーな!」と驚き、有吉弘行も「オカリナ、やるね」と、絶大な信頼を寄せたのだ。
それ以来、『かりそめ』のグルメ企画に呼ばれるようになったオカリナ。5月14日の放送回では「メンマ」、6月25日には「ワンタン」と、クリームパンと同様にマツコ&有吉に食べてほしい食品を、店を回っては食リポしていた。
「オカリナの出色だと思われるポイントは、何者も忖度しない姿勢です。普通、食リポというとテンション高くトークを展開しがちですが、彼女の場合はあのキャラ通り、淡々とコメント。それがマツコと有吉、そして視聴者の信頼を集めるのです。味に対する真っすぐな評価はもちろん、その場に店主がいても、きちんと自分を曲げずに意見しています。『メンマ』の回では、あるラーメン店の店主自らが『また食べたくなるって、こういうメンマ』と推薦すると、オカリナはそれに対して『また食べたくなるかって言われたらあれですけど、いつだって寄り添ってくれる感じのメンマ』と自身の意見を述べたのです。この姿に有吉は『よく言えるな!』、マツコも『強いね! オカリナ』と驚いていました」(同)
ほかにも、別の店を訪れた際には、メンマがかなり柔らかい理由を聞き出し、あまり使われることのない高価な「乾燥メンマ」を使用していることを突き止めていた。
以前は、『かりそめ』のグルメ担当といえばアンジャッシュ・渡部建だったが、知っての通り、女性関係で無期限活動休止中。そこで、ここへ来て、オカリナが肉薄する働きを見せているのだ。
「とはいえ、さすがにグルメ王・渡部の知識には敵いませんし、マツコと有吉もオカリナのことをそこまで評価してはいないでしょうが、新戦力になっているのは間違いないでしょう。ただ、このオカリナのスタイルは他番組で通用するものではなく、有吉とマツコが見守るあの番組の中でこそ生きるキャラだとは思います」(業界関係者)
最近は『かりそめ』以外でも、単独での出演を増やし、さらには菜々緒とサントリーのノンアルコールビール「オールフリー」のCMにも出演しているオカリナ。こうなると気になるのは、相方・ゆいPだが、彼女は今、何をしているのだろうか?
(村上春虎)