――日本各地のご当地で愛され続ける、家庭料理の味。北海道から沖縄までそれぞれの地域でロングセラーを誇るローカルな商品を、調味料ソムリエ/野菜ソムリエ・MICHIKOさんが紹介していきます。
京都の味:七味屋本舗「七味唐がらし」
今回は、日本三大七味のひとつ、京都・七味屋本舗の七味唐がらしです。江戸の寛永年間から360年余り、清水寺の参道の一角にお店はあり、清水参りの方々にお出ししていた、白湯に唐辛子の粉を振りかけた「からし湯」が評判となり、いつしか七味唐がらしを商うようになったとか。現在では、寒い冬には温かいだし汁に、夏は冷やしだし汁に七味唐がらしを振りかけています。
漢方薬にも配合されている7種類の薬味(唐辛子・山椒・麻の実・白胡麻・黒胡麻・青のり・青紫蘇)をブレンドしてすり潰し、色合いは茶系を中心に風味と香りを大切に作られています。江戸から京都に向かうに従い、辛みよりも香りを重視したブレンドになっています。
特に関東では唐辛子の辛味が主ですが、関西は山椒の量が多く香りを大事にしています。京都と言えば、にしんそばや透明感のあるだしつゆのうどん、素材の持ち味や色合いを生かした料理にサッとひと振りするだけで、さわやかな風味と料理の味をおいしく引き立ててくれます。
▼日本三大七味:やげん堀七味唐辛子の特徴▼
フライドポテトやポテトチップスに振りかけるのがおすすめ!
京都七味本舗の七味唐がらしは、辛みよりもさわやかな香りとまろやかな味わいが楽しめます。和食はもちろん、納豆や冷奴、そうめん、冷やし中華、冷しゃぶ等に、洋食にもよく合います。おすすめは、フライドポテトにシーズニングのように振りかけたり、ポテトチップスにも使ってみてください。香りがよくて、止まらないおいしさに!
夏でも冷房等で体も冷え気味、そんな時はお店一押しの「おばんざいのもと」にお湯を加えて七味唐がらしをひと振りすれば、京だしの「からし湯」が手軽に出来上がりますよ。ホッとするおいしさです。
開封後は香りを逃さないためにも冷蔵庫で保存し、できるだけ早く賞味しましょう。これ1袋あれば、あなたも料理上手に♪
【七味屋本舗 七味唐がらし】アレンジレシピ:桃とじゃこのピリ辛冷製パスタ
桃の甘みの中に、ピリッと辛さと旨みがあふれる味わい♪
【材 料】(2人分)
桃 1個、ちりめんじゃこ 大さじ2、大葉 3枚、カッペリーニ 120g
(A)七味唐がらし 小さじ1/2、おろしニンニク・レモン汁 各小さじ1、塩 小さじ1/4、オリーブ油 大さじ1、
【作り方】
1)カッペリーニは塩(分量外)を加えた湯で袋の表示時間通りに茹でて、冷水にとり、水気を切る。
2)桃は皮をむき、1cm角程度に切り、大葉は千切りにする。
3)ボウルに、1)と2)とちりめんじゃこ、(A)を加えて全体を混ぜ合わせ、器に盛る。
*桃をトマトに、パスタをそうめんに、変えてもおいしい。
【材 料】
ズッキーニ(緑・黄) 各4cm、切干大根 10g、
(A)七味唐がらし・おろしニンニク・ごま油 各小さじ1/2、塩 小さじ1/4
ボウルに、千切りにしたズッキーニと切干大根(乾燥のまま)、(A)を入れて、よく混ぜ合わせ、そのまま10分ほどおく。