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ダベイビー、同性愛者やHIV感染者への“差別発言”で大炎上! 音楽フェスへの出演キャンセル相次ぐ中、マイリー・サイラスから“救いの手”

ByAdmin

8月 6, 2021 #海外

 今年のグラミー賞にもノミネートされた実力派ラッパー、ダベイビー(29)が、HIV感染者やエイズ患者、同性愛者への差別的暴言を吐く動画がネット上に拡散され、一般の人はもちろん、多くのセレブからも非難されるなど社会問題となりつつある。 

 事の発端は、世界最大のヒップホップ・フェスティバルとも呼ばれる『Rolling Loud Miami 2021』でのライブMCだった。7月25日にパフォーマンスをしたダベイビーは、MCで「今日、HIVやエイズ、ほかに2~3週間で死んじまうような性感染症にかからずにここに来た奴は、携帯のライトをつけろ」「野郎ども、おまえらが駐車場でちんこをしゃぶってるような奴じゃねぇなら、携帯のライトをつけるんだ」と呼びかけたのだ。

 実はこのフェスの少し前から、ダベイビーは、女性ラッパー、ミーガン・ジー・スタリオンを銃撃したものの無実を主張しているラッパーのトリー・レーンズとコラボしたことで物議を醸していた。ダベイビーはメーガンと2度コラボしたのに、トリーと共演するのは彼女への裏切りだとの批判が上がったのだ。

 さらには『Rolling Loud』で、メーガンがパフォーマンスした直後にトリーをステージに上げ、コラボ曲を披露したため、メーガンファンの怒りが爆発。このような経緯も、差別暴言がネット上に一気に広まった要因のひとつだった。

 そもそもの発言内容からLGBTQ+コミュニティからもバッシングされるようになったダベイビーは、フェス翌日、インスタグラムのストーリー(24時間限定公開)に、「全員が携帯のライトをつけた。ゲイかストレートかにかかわらず。なぜか知りたいか? オレのゲイのファンは、エイズなんかにかかってねぇんだよ」「オレのゲイのファンは自分の身を守ってんだ。どエロいゲイ・ニガーじゃねぇんだよ。わかるか? ストリートに転がってるジャンキーじゃねぇんだ」という釈明文を投稿。

 自分のゲイのファンは意識が高いんだと言わんばかりな主張だが、「HIV感染者やエイズ患者=コンドームをつけずにヤリまくっているゲイだと言うのか!」「HIVはゲイだけがかかる病気だと思っているのか!」「ひどい偏見。母子感染、血液感染もあるというのに」「影響力があるのに、誤った知識を広めている」と火に油を注ぐことに。

 世界的人気を誇るリアリティ番組『クィア・アイ 外見も内面もステキに改造』のレギュラー出演者でHIV陽性者だとカミングアウトしているジョナサン・ヴァン・ネスは、この釈明を「明らかにホモフォビック(同性愛嫌悪者)だ」と批判し、ネット上でも賛同を集めた。ホモフォビックだから「駐車場でちんこをしゃぶってるような奴」という言葉が口から出たという意見に対して、ダベイビーは、インスタのストーリーで、「いやいや、オレのゲイのファンは品がいいから。そんなことはしないって。オレのゲイのファンは5ツ星ホテルの部屋に泊まってちんこをしゃぶるんだよ」と再び釈明。

 ホモフォビックではないと主張し、「おまえら、みんな正気じゃねぇよ。ネガティブな注目とエネルギーばっかり集めやがって」「今回の話は、ライブの観客とオレとの間でのやりとり。その場にいなかった、前後のやりとりを何も知らない奴らには関係ねぇ」と不満を述べたことで、“反省の色なし”とLGBTQ+コミュニティはますます激怒した。

 問題発言から3日後の28日、ダベイビーとコラボしているメンズファッションブランドの「boohooMAN」が、「我々はLGBTQ+コミュニティを支援するブランド」とし、ダベイビーとは二度と仕事をしないという声明を発表。8月1日にはシカゴで開催されるロック・フェス『Lollapalooza』が、「このフェスは多様性、包括性、尊敬、愛に基づいている」として、ダベイビーの出演を取り消すと発表。『Governors Ball Music Festival』『Day N Vegas』などの音楽フェスも次々とダベイビーの出演をキャンセルすると発表した。

 7月29日に発表されたイギリスの人気フェス『Parklife Music Festival』(9月開催)への出演取り消しについて、ダベイビー側は「コロナの影響を受けて」と説明。しかし、主催者側は同14日までダベイビーがパフォーマンスすることを大々的に宣伝していたため、出演取り消しは問題発言が原因と推測されている。

 セレブたちの発言も、ダベイビーへのキャンセル運動を後押しする形となった。ダベイビーとのコラボ経験がある女性歌手デュア・リパは、「一緒に仕事をした人間として、受け入れるわけにはいかない」と批判。俳優デミ・ロヴァートも「異性愛者の子たちにが正しい知識を持てるよう、LGBTQ+について学校で教えるべき」との持論を展開した。

 仕事のキャンセルが続き、エルトン・ジョンやマドンナら大御所歌手から強く批判され、やっと事の大きさを理解したダベイビーは、8月2日、インスタに謝罪文を投稿。「LGBTQ+コミュニティに対して、謝罪したい」「HIV/エイズに関する誤ったコメントをしたことについて反省している」とつづったが、彼のキャリアはもう終わりだと冷ややかに報じるメディアも複数存在する。

 そんなダベイビーに救いの手を差し伸べたのが、歌手のマイリー・サイラスだ。長年、貧困層やLGBTQ+の支援活動をし、パンセクシュアルだとカミングアウトしているマイリーは4日、インスタに、「LGBTQ+コミュニティの誇り高き忠実なメンバーの一員として、私は人生の多くを愛や受容、開かれたマインドを応援することに費やしてきました」と前置きした上で、「インターネットは憎悪と怒りが燃料となる場所。そしてキャンセルカルチャーの中核となってしまう……。でも私は信じている。(インターネットは)学びや会話、コミュニケーションとコネクション(結合)の場所になりえるのだと」と訴えた。

 そして、「(ヘイトや怒りを感じる人に対して)“許し”や“同情”の気持ちを見出したり、自分の考えや気持ちを変える時間を作るより、その人をキャンセルするほうがずっと簡単」「私たちが進歩を望み続ければ、これ以上の分断はなくなるはず! 知識は力! 私自身もまだまだたくさん学ばなければいけないし!」と、誤った考えを持つ人間をキャンセルして社会的ダメージを与えるより、正しいことを教えてあげよう、みんなで学んでいこうと呼びかけた 。

 ディズニー・チャンネルのアイドルを卒業後、自分らしくありたいとイメチェンしたマイリーは、「アバズレ」「お手本にしている少女たちに悪影響を与える 」と過去に何度もバッシングを受けた。バッシングされるつらさ、無神経な発言で人を傷つけてしまうことの恐ろしさを知っているマイリーだからこそ、キャンセルではなく学ぶチャンスを与えてほしいと願うのだろう。

 果たして、差別的暴言をめぐる、ダベイビーの謝罪は認められるのか? キャンセル運動は収まるのか? 今後の展開を見守っていきたい。

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