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オリンピック開催中に発砲事件! 「山健組若頭銃撃」は大抗争への号砲の可能性も

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

オリンピック開催中の発砲に警察は大騒ぎ

 久々に「音」がしましたね。「音」とは銃声、つまり発砲事件のことです。

 8月5日朝、神戸市内の路上で神戸山口組の中核組織である五代目山健組の與(あたえ)則和若頭が銃撃されたのです。場所は若頭の自宅前でした。若頭が自宅を出ようとしたところ、バイクと軽自動車が近づいてきて発砲、すぐに走り去ったそうです。若頭は太ももに軽いけがをした程度でした。

 大事件とまではいいませんが、オリンピック開催中の発砲に警察は大騒ぎのようです。外国の方がたくさん見えているのに「街なかで発砲」ですからね。「ジャパンは危ない国です」と宣伝したようなものです。

 以前も書かせていただいていますが、これまではオリンピックなど大きなイベントが開催されている時は、ヤクザは抗争を控えていました。あの山一抗争でもユニバーシアード(1985年の夏季ユニバーシアード神戸大会、大学生の国際総合競技大会)の期間中は休戦しています。

 そもそも「休戦」の理由は、警備に当たる警察のメンツをつぶしたら面倒なことになるからというのが主な理由ですが、「カタギに迷惑をかけたくない」というのもあります。不良も普通にオリンピックとか大好きなんですよ。

 なので、報道も「この期間にまさかの発砲」的な書き方が多いですが、亡きオットの兄弟分は「『休戦』たって、何か約束でもあったのか? あったら報道されると思うよ」と冷静な分析。たしかに、これまでは山口組の休戦をめぐっては、事前に本部の「通達」が流出するなど、わかりやすかったですね。今回は、そうした通達もなかったようです。

 この事件については、いくつかの「謎」があります。

 まず、若頭の襲撃は2回目でした。2019年4月に六代目山口組の中核組織である弘道会系の組員に刺されて若頭は重傷を負っています。この時の実行犯と運転手役は出頭して殺人未遂などで起訴されており、今年の7月に懲役11年(実行犯)と懲役9年(運転手役)の一審判決を受けたばかりでした。ちなみに2人は控訴しています。

 なぜ若頭ばかり2度も狙われたのでしょうか? しかも、よりによってオリンピックの時期に? 

 また、銃撃してきたバイクのライダーは、炎天下になぜかダウンジャケット(しかも茶色)を着ていたそうです。目撃された市民の方の印象に残ったそうですが、そりゃ残りますよね。まったく意味がわかりません。そもそも暑いし、目撃者が覚えやすい服装はヒットマンとしては微妙すぎますし、これも謎です。

 そしてもうひとつ、最大の謎は、まだ実行犯がわからないことです。前回の若頭襲撃では、すぐに実行犯が出頭していますし、過去の事件でも六代目山口組側の実行犯はだいたい出頭しています。

 今回も六代目山口組関係者がすぐに出頭するとみられていましたが、この原稿を書いている8月12日現在、事件から1週間なのに実行犯はわかっていません。これは、とても珍しいことだと思います。

 仮に実行犯が弘道会の関係者だったとして、今回だけ、なぜ出頭しないのでしょう? そこで、出頭しないのは、「実行犯が六代目山口組関係者ではないから」だともいわれ始めています。

 では、六代目関係者でなければ、誰でしょうか?

五代目山健組は2つある

 ちょっとわかりにくいのですが、五代目山健組は昨年の7月に分裂していて、現在、「五代目山健組」は2つあります與若頭は残留したほうの山健組です。

 分裂に至るにはいろいろあったでしょうから、この流れでの銃撃も可能性としてはある、というわけです。謎は深まるばかりです。

 この事件が起こるまでは、「オリパラが終わったら、山口組再統一に向けて大きな動きがある」といわれていましたが、その前に起こってしまったことで、「オリパラを待たずに動きだすかも」という話もあります。

 山一抗争みたいな大抗争にはならないでしょうが(と思いたい)、何かあるのでしょうかね。ひとまず今回は死者や重傷者が出ていないので、よかったです。