8月17日に吉本興業公式YouTubeチャンネルとABEMAで配信された『アメトーーク 特別編 雨上がり決死隊解散報告会』。その名の通り、雨上がり決死隊の蛍原徹と宮迫博之がコンビの解散を報告する内容だったが、「放送内で際立ったのは、東野幸治のMCスキルの高さと、根っからの芸人愛、そして“白い悪魔”の呼び名を証明するようなドライな性格だった」と称賛するのは、某放送作家。
多くの媒体で報じられている通り、雨上がり決死隊の冠番組『アメトーーク!』(テレビ朝日系)は、コンビ解散後も蛍原が主体となり継続。正式番組名は『雨上がり決死隊のトーク番組 アメトーーク!』だが、同日をもって『アメトーーク!』になった。
こうした今後についての報告が行われる中、東野は蛍原への気遣いとともに、解散のきっかけを作った宮迫にも声をかけた。例えば、「宮迫がまた(『アメトーーク!』に)ゲストとして、ということみたいな、例えば“浮気大好き芸人”とかさ」と話しかけるシーンだ。
これにケンドーコバヤシも乗っかって、「“人見知り言うといて、オンナ口説ける芸人”」と言うと、東野も「お酒飲んだら、ドラマ一行のセリフから主役まで駆け上がった話……」と重ねて、笑いを起こしていた。
さらに宮迫が、テレビというメディアに出づらい現状を訴えつつも、「僕は諦めてません」「ひな壇の端から始める」と意欲を見せると、東野も、そうであってほしいという口調で、「テレビにも出るし、YouTubeもやっていくし、ほかのこともやっていく」と、宮迫の今後に期待を寄せる。
この後、蛍原が、闇営業騒動後のコンビ活動について、宮迫の謹慎期間を経て、世の中の反応を見ながら復帰していこうと思っていたが、宮迫がYouTubeをやり始めたと説明。
「これに対して東野は、謹慎期間がいつまでかもわからないとした上で、『年齢的なこととか、キャリアのこと考えると、やっぱり性格もあるし、やっぱり、じっとできひん。バリバリ、バリバリ働きたい、動きたいというタイプやから、その人に勝手な言い分かわからんけど、家でずっと謹慎というのは、なかなか酷なんかなと』と、宮迫を思いやる場面もありました」(芸能ライター)
この後も、東野は、なにかと重苦しい雰囲気になりそうな中、ほかの芸人に話を振ることでトークを展開させていった。そして「つらい決断ですけど、2人にとっては未来に向かってまた歩んでいくスタートの日になるのかな? なってほしいなとは(思う)、前向きに」とポジティブに締めくくった。
「終始、しんみりしたムードにならないよう、トークを回していた東野でしたが、その根底にある“芸人愛”が感じられたのは、放送終わり間際。雨上がりと大阪時代から苦楽を共にしたFUJIWARA・藤本敏史が『解散までしないといけないことなのか』『宮迫さんが悪い』と大号泣すると、東野は『オレ、ケツ仕事があるねん』と一言。すでに次のスケジュールがあると告げて笑わせたんです。暗い雰囲気で雨上がりの2人を送り出したくないと、あえてドライな言葉で笑いをとったのでしょう」(前出・放送作家)
会見を見たという、別のテレビ関係者はこう語る。
「宮迫を一方的に悪者にして伝える媒体が多いですが、解散に際してまで彼を追い立て責め立てるのは気の毒でした。この1年半、『毎日泣いていた』という蛍原のメンタルヘルスに寄り添うことなく、彼一人に重圧をかけてしまっていた吉本興業も責められるべき、同罪だと思いますよ。その点、卒業会見は笑って終えられる内容でよかったのでは。これが記者やリポーター立ち合いのもとであれば、さまざまな言葉を浴びせられてハチの巣状態にされるのは火を見るよりも明らかでしたから」(テレビ関係者)
ちなみに、吉本興業のYouTubeチャンネルの普段の再生回数は2,000~3,000回が関の山だが、この会見の模様は600万回。皮肉にもいかにこのコンビが稼げるかを証明した形となった。吉本は惜しい人材を失ったものである。
(後藤壮亮)