UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)特使として国際的な人道支援活動を始めてから、今年で20年目になるアンジェリーナ・ジョリー。SNSをやらないセレブとしても知られていた彼女が、アフガニスタンに住む少女や難民たちの“声”になるために、インスタグラムのアカウントを開設した。
元夫のブラッド・ピットや、サンドラ・ブロック、エマ・ストーンらと同じく、TwitterやFacebookなどのSNSを何もやらないセレブとして有名だったアンジェリーナ。過去に受けたBBCラジオ4の番組インタビューで、「私も子どもたちもSNSはしない。『したい』とも言われたことがない」と明かし、フェイク情報に敏感な子どもたちのために避けているのだと説明していた。
そんなアンジェリーナは8月20日、アフガニスタンの10代少女から寄せられた手紙と、女性写真家のリンジー・ビリングが撮影したアフガンの女性たちの写真を、インスタグラムに初めて投稿。
少女の手紙は、「タリバンが来る前は学校に行き、仕事もしていた。でも今は、彼らが怖くて外に出られない。私たち(女性は)自由を奪われてしまった」「『タリバンは変わった』『前とは違う』という人もいるが、そうは思わない」と、たどたどしい英語で切実に訴えるもので、アンジェリーナは「今、アフガニスタンの人々は、ソーシャルメディアを利用したり、自由に自己表現する能力を失っている。だから私が、基本的人権のために戦う世界中の人々のストーリーと声を届けるため、インスタグラムにやってきたのです」とアカウント開設の経緯をキャプション内で説明した。
続けて、アンジェリーナは2001年9月11日の米同時多発テロ事件が起きる2週間前にアフガニスタンの国境におり、タリバンから逃れて難民になったアフガンの人々と面会したこと、アフガニスタンが20年前に逆戻りしてしまったことを嘆き、「多くの時間とお金を費やし、多くの血を流し、多くの命が犠牲となった結果がこれだなんて。理解するのが不可能なほどの失敗だ」と、米政府を痛烈に批判。難民がどれだけひどい扱いを受け、つらい思いをしていくのかなどをつづり、人道支援を訴えた。
タリバンがアフガニスタンの首都・カブールを占領してからわずか5日後に、「居ても立ってもいられない」と言わんばかりにインスタグラムを開設したアンジェリーナの動きは、ネット上でたちまち話題に。
プロフィール画像は白黒の顔写真、自己紹介文は「母、映画製作者、UNHCR特使」、フォローしているのはNAACP(全米黒人地位向上協会)と国境なき医師団、そしてUNHCRの3つだけというのも、ネット上では「高い意識を持つアンジェリーナらしい」「シンプルでいい」と大好評だ。
わずか3時間でフォロワー数が100万人超えし、19年にジェニファー・アニストンがインスタグラムアカウントを開設した際に話題になった「5時間16分で100万フォロワーを獲得した」記録を大幅に更新。8月23日現在、フォロワー数は750万を超えている。
そんなアンジェリーナだが、レオナルド・ディカプリオのように人道支援のためのアカウントとして利用し、プライベートな情報は一切発信せずに更新されるものとみられている。2つ目の投稿も、写真やグラフ、イラストを使って難民についてわかりやすく説明し、理解と支援を呼びかけるものだった。
しかし、一部のファンは、「誕生日などの記念日には、子どもたちへのメッセージを掲載するのではないか?」「少しはプライベートな一面を見せてほしい」と期待を寄せているよう。今後の投稿も注目を集めそうだ。