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「宮迫バッシング」の裏で、“なかったこと”のように扱われる吉本興業と反社会勢力の関係

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 ジャニーズ事務所の“母”“女帝”と言われ、SMAP独立騒動でもキーマンとして話題となったメリー喜多川氏が逝去した。ひとつの時代の終焉でもあり、今後、ジャニーズ事務所の変革も続くだろう。そしてメリー氏の逝去を伝える一部メディアが東山紀之を“ジャニーズ事務所の長男”と表現していた。メリーさんは草葉の陰できっと怒っているだろう。うちの長男はマッチよ! と。

第566回(8/19〜8/24発売号より)
1位「宮迫博之 地上波NGを決定的にした(秘)リスト」(「週刊女性」9月7日号)
2位「DaiGo 知人もあきれる“僕は特別”の盛り人生」(「週刊女性」9月7日号)
3位「小室佳代さん 労災トラブル&無断欠勤」(「女性自身」9月7日号)

 大きな話題となった宮迫博之と蛍原徹のお笑いコンビ「雨上がり決死隊」の解散。吉本興業の公式YouTubeチャンネルとABEMAで解散を報告する動画が配信され、各局ワイドショーもこの話題を大きく取り上げた。その舞台裏を「週刊女性」が報じている。

 『アメトーーク特別編』として配信された解散報告動画が、地上波で放送されなかったのには事情があった。それがスポンサーの意向だという。

 記事によると、宮迫は地上波で広告を出している大手企業から“NGタレント”扱いとなっている。それだけでなく広告代理店が一部ユーチューバーに配った資料にも“宮迫とのコラボ禁止”“言及も禁止”との注意書きまであったという。さらにスポンサー筋だけでなく、テレビ局上層部も“宮迫NG”を出しており、宮迫の地上波復帰が絶望的だと実感した蛍原が、「雨上がり」の解散を決意したという内容だ。

 反社会的グループの忘年会に出席し、ギャラをもらったという宮迫。コンプライアンス的にスポンサーやテレビ局の対応は妥当――いや、そんな。わけがない。そもそも2年前の闇営業問題発覚後、明らかになったのは、闇営業問題が宮迫など芸人だけの問題ではなく、テレビ局に絶大な影響を持つ巨大芸能事務所・吉本興業の体質、問題だった。

 そもそも宮迫や田村亮らが反社会的勢力の忘年会に参加したのも、吉本興業が会社として関与していたという背景があった。宮迫らは問題となった反社会勢力のフロント企業のパーティ参加を持ちかけられた際、「吉本のイベントのスポンサーだから大丈夫」と言われていたからだ。

 そして吉本側も、関係したイベントのスポンサーのひとつが特殊詐欺グループのフロント企業だったことを認めている。つまり吉本興業自体が、反社会勢力の絡む仕事を引き受けていた、関係があったということだ。

 闇問題に関し、宮迫や田村が会見を開いたことで、こうした吉本興業の問題がクローズアップされたが、しかしそれも一瞬のこと。一部の芸人による吉本批判もあったものの、その後の吉本興業の巻き返しもあり、メディアの論調は再び宮迫バッシングへと戻ってしまったのだ。

 そして今回の解散動画でも、再び宮迫バッシングが繰り広げられている。吉本興業の問題など、まるでなかったかのように。そして吉本興業の体質を暴き、吉本を去った宮迫を、マスコミや吉本芸人たちまでもがそろって批判する。地上波から干され、世間から大バッシングされた宮迫が、生活のためにYouTubeに活動の場を移したことすら、バッシングのネタにされていったのだ。

 そう考えると、もし宮迫が“NG扱い”されるなら、吉本興業も同様、いや影響力からしたらそれ以上の対応が必要だと思うが、実際はそうはなっていない。

 “弱いものいじめ”。今回の「雨上がり」解散は、この言葉しか思い当たらなかった。

 そんな“弱いものいじめ”がマスコミや社会に蔓延しているからなのか。社会に影響力を持つ著名人の差別発言が大きな問題となった。そう、メンタリストDaiGoの、「生活保護の人たちに食わせる金があったら、猫を救ってほしい」「ホームレスの命はどうでもいい」といった発言だ。

 この発言が大きな批判を浴びたが、もちろん当然だろう。彼らを「邪魔」「臭い」「いないほうがいいじゃん」などと、その存在自体を肯定し、抹殺さえ正当化する、その発想は恐怖でしかない。しかもDaiGoは以前からこうした差別的発言を行っており、これまで問題視せずに持ち上げ続けてきたテレビやマスコミも同罪とまでは言わないが、反省すべき点は多いだろう。

 もちろん今回の差別発言→大炎上で、マスコミも見事な手のひら返しでDaiGoを批判しているが、「週刊女性」もそのひとつ。経歴に関してもかなり盛っていること、大学時代は意識高い系を気取り、自己啓発本を読んでいて周囲から浮いていて、相手にされず、親しい友人もいなかった――などなど、まさにけちょんけちょん。とはいえ、今回の差別問題とは全然関係ないと思うけど。

 さらに「週女」ではDaiGoの出版界での評判の悪さを指摘する。DaiGoは数多くの自己啓発本を出版しているが、通常より高い印税を要求し、それを躊躇すると冷たくあしらわれるらしい。そして態度も上から目線。なのに、最近では売れ行きもいまひとつ。よって担当編集者は“腹立つわぁ”と愚痴っているという。DaiGoを利用してへつらっているに違いない、この編集者もかなり程度が低そうだが、DaiGoは「週女」の版元である主婦と生活社からも本を出していたのでは?

 調べたら、あった。2015年に刊行された「子育ては心理学でラクになる 1日3分!子どものやる気・将来育成術」だって。もう6年も前のものだから、著者・作家としてもう配慮する必要もないのか(笑)。

 なんでもかんでもバッシング! 小室圭さんと母・佳代さんへのバッシングは止まらない。最近でも「週刊新潮」(新潮社)が佳代さんが勤務先でけがをして労災を求め、お世話になった勤務先社長と争いになっていることが報じられた。で、これに乗じて「女性自身」も佳代さんバッシング。「手を差し伸べてくれた人たちに不義理を繰り返す佳代さん」「あまりの不義理に社長は懲戒解雇も辞さない姿勢」だって。

 いやいや、おかしいでしょ。そもそも労災は労働者の当然のそして正当な権利だ。それは会社に長年お世話になっていようがなかろうが関係ない。しかも会社側は労災を請求することを嫌がり、非協力的なことも多い。さらに労災申請したことを理由にした懲戒解雇など、法律上も許されないことだ。

 それなのに「自身」は佳代さんをバッシングするために“労災”を持ち出し、申請したことを“不義理”などと批判する。先のDaiGo発言と似たものを感じる恐ろしい論調だと思う。ホームレスや生活困窮者に対するヘイトを誘発しかねないDaiGo発言。対し「自身」記事は、労働者の当然の権利である労災申請を否定的に報じる。もし、その記事を読んで労災申請を躊躇してしまう人がいたら――。あまりに罪深い。