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Sexy Zone・菊池風磨やSixTONES・田中樹への全裸股間ドッキリ 男性へのセクハラ意識はいつになったら浸透するのか

ByAdmin

8月 27, 2021

 「『女性にやってはいけない』ことは男性にもダメ」「男性もセクハラを嫌だと感じている」——そういった認識は広まりつつあると感じていたが、先日ある番組で放送された企画と視聴者の反応を見て、そうではないのかもしれないと思った。

 8月21日放送の『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP ドッキリも地球を救う4時間TVSP』(フジテレビ系)(以下、『ドッキリGP』)にて、Sexy Zoneの菊池風磨が全裸にされる企画が放送された。

 その内容は、同じくSexy Zoneの松島聡とともにニセロケに参加し、番組が考案した「冷水を浴びまくる」ニセのお祭りを菊池だけ体験するというもの。その際、菊池に用意されたのは「濡れると溶ける着物」であり、水をかけ始めてから15秒ほどで全裸の状態となってしまった。

 同番組が菊池を全裸にしたり“股間ネタ”を仕掛けるのは、今回が初めてではない。昨年1月には、菊池がシャワーを浴びていると天井からお化けが出てきて、驚いてシャワールームを飛び出し、手と足で股間を隠している様子をカメラで撮影。さらに、パンツに清涼感のある液体を仕込まれ、股間がスースーして辛そうにしている反応を見るというドッキリも仕掛けられている。

 また昨年8月には、水で溶ける水着を着て泳いでいるうちに全裸になってしまうドッキリもあった。

 こうした内容の企画が放送される度に、ネット上では「本人が了承していたとしてもセクハラでは」「女性にできないことを男性にはやってもいいの?」「『ドッキリ』という名のセクハラ」と企画への批判的な意見も散見される。しかし一方で、菊池のジャニーズアイドルらしくない体の張り方を評価したり、「面白い!」と喜ぶ視聴者の方が多いのが現状だ。

 人気企画だからなのか、『ドッキリGP』は菊池風磨に対してだけでなく、これまでも男性の裸やプライベートパーツを雑に扱う企画を繰り返し放送してきた。シャワーを浴びていると天井からお化けが出てくるドッキリ、及び股間スース―ドッキリは、他の男性芸人に対しても度々仕掛けている。

 また今年2月には、ロープが十字状に張られたおみこしに男性芸能人を突然担ぎ、上下に動くことで、股間を圧迫する「秒でお宝みこし」ドッキリが放送され、A.B.C-Z・河合郁人もターゲットにされた。さらに8月7日の放送では、河合とSixTONES・田中樹が、股間スースードッキリを仕掛けられた。

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テレビの“セクハラネタ”と、男性の声のあげづらさは地続き
 冒頭で述べたように、筆者が「男性へのセクハラ」の意識が高まっていると感じるようになった一端は、就活セクハラ被害の調査だ。今年4月に公表された厚生労働省の調査では、就活セクハラ被害の経験がある割合は、女性より男性の方が多かった。内容としては「性的な冗談やからかい」「食事やデートへの執拗な誘い」「性的な事実関係に関する質問」「不必要な身体への接触」などが挙げられている。これらの内容はかつては「その場を盛り上げるためのノリ」として受け入れざるをえない状況だったが、学生たちはセクハラだと感じているようになってきたということだ。

 なお、ジェンダーのトピックでは女性差別だけでなく、男性の生きづらさも解消が必要なものだとされている。例えば、女性に“女性らしさ”を求めることは「時代遅れ」と認識される一方で、男性に対する男性役割を求める風潮は今も強い。また、元々被害を訴え出にくい性暴力において男性が被害に遭った場合、「男性なら逃げられたのでは」「男性が被害に遭うはずがない」といったセカンドレイプが横行しており、男性はより声をあげにくいことなどだ。

 それでも、テレビでは「男性の扱いを軽視するのはやめよう」という動きとは逆行する全裸ドッキリや股間ネタが再生産され続け、多くの視聴者が疑問を持たずに享受している。

 テレビ番組の内容は多かれ少なかれ、確実に社会に影響を与えるものであり、男性へのセクハラの軽視や、男性が性被害やジェンダーステレオタイプに声をあげにくい状況と無関係でないだろう。

 子どもへの影響を懸念すると「見せる親の責任」と“自己責任論”を展開する声もあるが、テレビで放送する以上、当然作り手の責任はある。また、保護者がいつも監督できるとは限らないし、家庭で教えるにしても、今の大人世代は性教育をまともに受けられなかった人がほとんどだ。現在、性教育の重要性は広まり始めたところであり、「各家庭におまかせ」とするには負担が大きすぎる。

 男性タレントであれば、裸にされたりプライベートゾーンを痛めつけられる姿をエンタメとして楽しんでよいのか、私たちは今一度考える必要があるだろう。

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