日本テレビは9月20日、大みそかの恒例番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の『笑ってはいけない』シリーズの放送休止を発表した。2006年より同番組を放送し続けてきた日テレだが、今年は生特番『絶対笑って年越ししたい!笑う大晦日』(仮)を放送するという。
放送休止の理由について、ネット上では先日から話題になっている“BPO(放送倫理・番組向上機構)問題”が挙げられているが、業界関係者によれば、それ以上に、昨年の番組制作が影響しているようだ。
8月24日、BPOの青少年委員会は、視聴者や中高生モニターからの意見を踏まえ、「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ」を「審議対象とする」と公式サイト上で発表。『笑ってはいけない』シリーズでは、番組レギュラー陣に対し、棒やムチで尻を叩かれるという罰が与えられているため、この対象にあたると報じるメディアも多かった。
今回の放送休止を受けて、長年番組を盛り上げてきた松本人志は21日、Twitter上で「コロナ禍において【笑ってはいけない】の収録は難しいと去年つよく感じました。クオリティーを下げてまで番組を続けるのは楽しみにしてくれている方々に対して尻より心が痛いです」と、その理由について言及。
「松本はここ数年、番組の記者会見中に『今年で最後』と冗談交じりに話していますが、これはある意味、彼の本音でしょう。それだけ番組のロケはハードで、昨年はさらに新型コロナウイルスの感染対策まで加わって、過酷を極めたといわれています。また、豪華芸能人や有名人がサプライズゲストとして多数登場するため、スタッフたちは事前のスケジュール調整に一苦労しているとか。毎年制作が始まる9月以降、番組関係者たちはストレスで疲弊しきっていますよ」(制作会社関係者)
さらに昨年最大の問題点といえば、出演者の“情報漏えい”が挙げられるだろう。同6月に「週刊文春」(文藝春秋)にすっぱ抜かれた不倫騒動により、芸能活動を休止状態のアンジャッシュ・渡部建が「サプライズ登場する」ことが、一部スポーツ紙で報じられてしまったのだ。
「予期せぬすっぱ抜きに、ダウンタウンをはじめとする出演者、また制作陣のモチベーションは著しく低下したそう。世間からは『渡部の姿は見たくない』『復帰は早すぎる』と日テレに批判も続出し、結果、渡部のシーンはすでに撮影も終わっていたにもかかわらず、お蔵入りするという超異例の展開となりました。今年の放送休止も、この一連のドタバタが“決定打”になってしまった部分も否めません。また情報漏れでいえば、毎年SNS上で『ロケバスを目撃した!』などと写真がアップされることも、実はかなり問題になっていました」(日テレ関係者)
こうして放送休止が確定となった『笑ってはいけない』だが、来年以降の放送はどうなってしまうのか。
「今年は『放送休止』と発表されているものの、正確には『リセット』といったところ。もはや大みそかの定番となっている『笑ってはいけない』ですが、かねてから『一度放送を取りやめてみては』という意見も出ていただけに、さまざまな要因が重なった今年は、番組刷新にうってつけのタイミングとなってしまった。来年の年越しもまったくの白紙状態で、今年の代替特番の反響が大きければ、来年以降も放送されないままフェードアウトする可能性が十分にあります」(同)
民放では大みそかの視聴率トップを独走してきた『笑ってはいけない』だけに、この状況に一番胸をなでおろしているのは、裏番組の『NHK紅白歌合戦』関係者かもしれない。