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“授かり婚で無痛分娩”の友人に思わずイラッ! 「私は不妊に悩んで帝王切開もするのに……」SNSで抱えた不安を和らげた、ママ友からのメッセージ

今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。

 厚生労働省が公式サイトで発表している「人口動能統計特殊報告」の「出生に関する統計」によると、1年を通して7~9月に出産する人が多いそうだ。空気の感想や寒さによって風邪をひきやすい冬の時期でも、夏生まれならば生後数カ月たっており育てやすい点や、早生まれを避けるために、夏生まれが好まれる傾向があるという。

 また、時代とともに出産を取り巻く環境がさまざま変化をみせ、数年前まではまだ一般的とは言えなかった体外受精などの不妊治療や赤ちゃんに先天性の疾患がないか調べる出生前検査、無痛分娩もバースプランの一環として定着してきた。今回は、出産を控えたとある妊婦が感じた“イライラ”に関するエピソードを紹介する。

なかなか子どもができず悩んでいたのに、友人は“授かり婚”

 桂子さん(35歳・仮名)は、10月に出産予定の妊婦。3年前に結婚したものの、なかなか子どもができず悩んでいたという。

「本格的な不妊治療などは行わなかったのですが、婦人科検診などはきちんと受けていました。異常なしだったので、『いつかは授かるだろう…』と思っていたら、やっと妊娠できました」

 ママ友を作りたいと期待に胸を膨らませていた桂子さんだが、出産予定の病院では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため「プレママ学級」と呼ばれる、初産の妊婦を対象とした母親学級などが中止されていたそうだ。

「院内でもマスクの着用が必須で、基本的には会話が禁止。妊娠中のママ友を作ることが難しく、身近に出産の悩みを相談できる相手もいないのが不安でした。そんな時、数年前に通っていた美術の専門学校で出会った夏樹さん(32歳・仮名)も、今年出産予定だと知ったんです」

 もともと絵を描くことが好きだったという桂子さんは、仕事帰りに学校に通っていたという。

「夏樹さんとは、夜間クラスで知り合いました。彼女はバイトをしながら絵描きとしても活動していたんですが、感情のアップダウンが激しい部分があって、SNS上で睡眠薬の服用や、心療内科への通院をほのめかすような発言をしていましたね」

 そんな夏樹さんは、どうやら“授かり婚”をしていたようだ。

「できちゃった結婚は決して悪いことではないと思うのですが、自分が不妊で悩んでいただけに、妊娠していることをSNSで発信していて、周りから『おめでとう! 』と祝福されている様子を見ると、なんだかモヤモヤしてしまいました」

 なお、桂子さんは小柄で華奢な体で、骨盤が狭い「狭骨盤」のため、赤ちゃんを予定帝王切開で出産する予定だ。初めてのお産が帝王切開となることで不安やストレスを抱えている桂子さんは、夏樹さんとのLINEのやりとりに「思わずイラッとした」という。

「それは、夏樹さんが無痛分娩を予定しているから。彼女は学生時代に、過去にいじめに遭った苦しみから『自傷行為をしたことがある』と言っていたのですが、無痛分娩の理由を聞いたら、『私、痛いのは苦手だから』って言うんです。自傷行為をしていたのは当の昔のことでしょうが、自分の体を大事にしなかった人が経腟分娩で出産して、妊娠中は風邪薬ですら飲むのを我慢したり、人一倍健康に気を使っていた自分がおなかを切らなきゃならないなんて悔しくて……。他人と比べても仕方ないことですが、夏樹さんからの『子どもが生まれたよ』という報告LINEには、『おめでとう』とすぐに返せないでいました」

「高齢出産だから」と出生前検査をすすめられて……

 「夏樹さんが出生前検査を行い、『母子ともに異常がないという結果が出た』というLINEが来た時も、つらい気持ちになりました」と桂子さんは語る。なお、出生前診断は、赤ちゃんに先天性の病気がないかどうかを調べる検査のことで、受診は強制ではないため「検査をしない」という選択肢もあるが……。

「私は35歳で出産予定なので、医学上、高齢出産に入ります。若い人よりもさまざまなリスクがあるため、病院では出生前検査を勧められました。子どもが産まれる前に調べることに抵抗があったのですが、夏樹さんから『桂子さんは高齢出産だから、調べたほうがいいよ』ってあっけらかんと言われてしまって……。結局、受けない決断をしましたが、なにもかも順調そうに見えた夏樹さんがうらやましく感じました」

 桂子さんは、帝王切開に対する不安を、昔のバイト仲間にグループLINEで相談したそうだ。

「飲食店でバイトしていた時に仲が良かったメンバーの4人全員が結婚して、今は私も含めて3人がママ。たまに連絡をとり合っては、自然と妊娠や育児の話題で盛り上がっています。その中で『帝王切開が怖い』と本音をぶつけてみたら、『怖いかもしれないけど、私は2人目も帝王切開だったよ!』とか、『帝王切開は手術扱いになるから、保険でお金が戻ってくるよ(笑)』と励ましてくれたんです」

 しかし桂子さんいわく、帝王切開は開腹手術のため体への負担があるわりには、家族からはあまり理解されていないという。

「術後は傷が痛むだろうし、入院するのは個室がいいと夫に伝えたのですが、産後に手伝いに来てくれる予定の義母は、『出産なんてどれも一緒』と理解してくれず、結局、大部屋で予約しました。帝王切開で出産したママ友の中には、『おなかが痛くて母乳が出なかった』と言っていた人もいて、出産後の不安もあります」
 
 そんな思いを抱く中、先に無痛分娩で出産した夏樹さんのSNSをつい見てしまうそう。

「出産してすぐに歩いたり、赤ちゃんを抱っこしたりしていて、自分はそれができないと思うと、涙が出てきたりします。もっと先のことを想像しようと、子どもを持つ友人にLINEで、『ベビーカーはどういうのがいい? 』と相談をして、気分転換をしています」
 
 妊娠中のママたちの中には、「健康に子どもが生まれてくるだけで大丈夫」と思えず、その出産法に悩んでしまう人も多いだろう。今はコロナ禍で同じような月齢の妊婦同士の交流も持ちにくいため、「自分だけかもしれない」と思い悩んでしまうこともあるかもしれないが、LINEのグループチャットやSNSなど、自分の不安や悩みを打ち明けられる場を持ち、誰かと気持ちを共有することでストレスやモヤモヤした気持ちを晴らすことができるかもしれない。