10月15日にファン待望のニューシングル「Easy On Me」をリリースすることを発表したアデル。彼女が、やせたために女性たちから中傷的なコメントを書き込まれるようになったことについて「失望した」と胸中を語った。
英誌「VOGUE」2021年11月号のインタビューを、ウエスト・ハリウッドのプライベートジムで受けたアデル。これまで「エクササイズにはまって大減量した」と伝えられてきた彼女だが、「体重を減らすことが目的でエクササイズしているのではない」と断言。2017年夏にコンサートを2回キャンセルした頃から強くなった不安症の症状が、エクササイズによって軽くなったと感じ、毎日ウエイトリフティングとサーキットトレーニングをこなすようになったと告白した。
結果的にこれらのエクササイズにより45kgの減量に成功したアデルだが、スリムダウンした彼女の外見を気に入らない人が続出。ネット上では、「げっそりして不健康」「ぽっちゃりが魅力だったのにガッカリ」「どこにでもいるようなキレイなセレブになって、個性がなくなった」「別人みたいだし、老けた」などと叩かれるようになってしまった。
アデルは、やせてから自分のSNS投稿が度々炎上するようになったといい、「自分のキャリアにおいて、私の体はなにかと注目されるものだった。(体形について言われることは)今に始まったことじゃない」と前置きした上で、「ショックなのは理解できるわ。特定の女性たちが、なぜ傷ついているのかもわかる。私は(ぽっちゃりしている)多くの女性たちにとって“ヴィジュアルの代表”だったから」と分析。
「でも(やせたとしても)私は今でも同じ人間なのよ」「体について最も残忍なコメントは、女性たちによるものだった。フ〇ッキングなまでに失望したわ。めちゃくちゃ傷ついた」と、同性から攻撃されることにがっかりしたと悲しそうに語った。
アデルだが、「身体的に強くなったら、感情や精神も強くなれるかも」と信じてエクササイズをしているそうで、強い不安に襲われたときは1日2回エクササイズすることも明かした。運動はメンタルヘルスに効果的だといわれており、アデルはその良い例になったわけだが、やせたことばかり注目されて、一部の女性からは「裏切り者」扱いされてしまったのだろう。
ぽっちゃり体形だったセレブがスリムダウンすると、「“ぽっちゃりで幸せです”とか思わせといて、本当はやせたかったんでしょ」などと裏切りを感じる人、「やせたらお高くとまるようになって!」などと嫉妬する人からバッシングされることが多い。
今年に入ってからも激やせして別人のようになった俳優レベル・ウィルソンをめぐり、ネット上は炎上。レベルは、健康のため、長期にわたり努力してコツコツ体重を落としてきたのだが、「やせて調子に乗っている」「前のほうがかわいかった」などとバッシングする人が後を絶たない。近年はありのままの体形の自分を愛そうという「ボディ・ポジティブ」の考え方が世界的に広がっているが、他人の体形を尊重するという思考は広がっておらず、アデルやレベルへの不当な非難は新たな課題になっているといえるだろう。