10月13日放送の『林修のニッポンドリル』(フジテレビ系)にて、「マクドナルド人気番付」企画が行われる。
今年で日本上陸50周年を迎えたマクドナルドを記念して、番組では「バーガー」と「サイドメニュー」の人気ランキングを発表。また、パティを作る巨大工場内の取材や、お笑い芸人・あばれる君が“極秘施設”に潜入するとのことで、マクドナルドの裏側も明らかになりそうだ。
そこで、「朝マック」をテーマにサイドメニューやドリンクの選び方を解説した記事を、放送に合わせてあらためて掲載したい。
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「おいしいごはんが食べたい、でも自炊するのはめんどくさい!」そんなズボラ女子の救世主といえば、コンビニ・ファミレス・ファストフード! 毎日の食事をおいしく楽チンにするため、“ジャンクフード大好き”管理栄養士・川村郁子先生に、さまざまなテーマに合わせた「おすすめメニュー」を聞いちゃいます。
「朝マック」を健康的に楽しむには? おすすめサイドメニューを紹介
会社へ行く前に、ちょっと寄り道して食べたくなってしまうのが、マクドナルドの「朝マック」。駅前のお店に駆け込みたくなる日、たまにありませんか? 「エッグマックマフィン」や「ハッシュポテト」など、朝しか食べられない特別メニューも魅力的です。とはいえ、朝からジャンクフードって、やっぱりちょっと気が引ける……。おいしく健康的に「朝マック」を楽しむ方法について、川村先生に聞きました。
――実際のところ、「朝マック」は栄養価的に見ていかがですか?
川村郁子氏(以下、川村) 「エッグマックマフィン」(脂質:13.5g)のように、卵とベーコンのメニューであれば、朝食に大切なタンパク質を摂取でき、かつ脂質が低いのでいいと思います。でも「マックグリドル ソーセージエッグ」(脂質:33.2g)や「ソーセージエッグマフィン」(脂質:30.6g)などは、朝食べるにはちょっと脂質が多いですね。また、サイドメニューに「ハッシュポテト」や「ホットアップルパイ」を選んでしまうと、より脂質や糖質が多くなります。さらに「コカ・コーラ」などの甘いジュースを選ぶと、糖質のとりすぎになってしまいますね。
もちろん、たまに食べる程度であればいいのですが、頻繁に食べるようでしたら、サイドメニューやドリンクの選び方を工夫してほしいと思います。逆に言えば、メインのバーガーやサイドメニュー、ドリンクを上手に選んだセットメニューにすれば、栄養バランスを整えることは可能です。
――“とりすぎ”のことを考えると、「単品で注文すればいいのでは?」と思ってしまいますが、セットにする理由はなんですか?
川村 例えば、先ほど脂質が多いメニューとして挙げた「マックグリドル ソーセージエッグ」を単品で頼めば、たしかにセットで注文するよりカロリーは低くなります。でも、ビタミンや食物繊維が不足してしまい、栄養バランスが偏りがち。サイドメニューとうまく組み合わせることで、全体的なバランスを整えられますから、セットで注文するのをおすすめします。
――では、栄養バランスを整えた「朝マック」のチョイスを教えてください。
川村 エネルギーと脂質が高すぎず、タンパク質がしっかりととれる、栄養素的に良さそうな「メイン」は、以下の3つです。
1)「エッグマックマフィン」 エネルギー:311kcal/脂質:13.5g/タンパク質:19.2g
2)「フィレオフィッシュ」 エネルギー:341kcal/脂質:14.6g/タンパク質:15.6g
3)「マックグリドルベーコンエッグ」 エネルギー:396kcal/脂質:18.1g/タンパク質:15.7g
やはり、メインに選ぶバーガーは「卵×ハム」といったシンプルな組み合わせのほうが、朝マックの中では比較的エネルギーも脂質も抑えられそうです。ソーセージ系は全体的に、エネルギーも脂質も糖質も高くなりがちでした。
――3つの「メイン」を軸に、組み合わせでおすすめな「サイドメニュー」を教えてください。
川村 マクドナルドはサイドメニューが充実していて、朝マックにも「プチパンケーキ」や「ハッシュポテト」など、魅力的なものがそろっていますよね。個人的に、ハッシュポテトは大好きです(笑)。ついついそちらの人気メニューに目が行ってしまいますが、栄養バランスのためには、なるべく脂質や糖質が抑えられているものを選びましょう。
1)「サイドサラダ」バリューセットの場合+50円でチョイス可/エネルギー:10kcal/脂質:0.1g/タンパク質:0.5g
2)「スイートコーン」単品でチョイス可230円(税込)/エネルギー:56kcal/脂質:1.0/タンパク質:1.8g
朝マックのサイドメニューの中では、この2つがおすすめです。「サイドサラダ」はビタミンCやカリウムなども摂れますし、「スイートコーン」は食物繊維が摂取できます。また、朝マックの栄養価をバランスよくする際には、ドリンク選びも重要です。
1)「ミニッツメイド オレンジ」(ビタミンC)
2)「野菜生活100」(βカロテン)
3)「ミルク」(カルシウム)
これらを組み合わせることで、朝マックで不足しがちなビタミンやミネラルを飲み物から補うことができます。温かい飲み物を選びたい場合には、「プレミアムローストコーヒー」や「カフェラテ」「ホットティー」に砂糖を加えないで飲みましょう。
――では、それらを組み合わせた「栄養バランスがいい最高のセットメニュー」を教えてください。
「マックグリドルベーコンエッグ×サイドサラダ×ミルク」
※「サイドサラダ」はドレッシングの栄養を含まない
川村 女性の場合、1日に必要なカロリーは2,000kcalだといわれていますので、3食で単純に割った場合、朝食は500kcal前後を目安にするといいでしょう。この組み合わせは544kcalと少しオーバーしていますが、ミルクをプラスすることにより、カルシウムが合計で414mgとれるのがポイント。ビタミンB2も1食で0.74mg、タンパク質も23g摂取できます。脂質がやや多いので、お昼ご飯は和食などあっさりしたものを選ぶようにして、調整するといいでしょう。
「エッグマックマフィン×スイートコーン×野菜生活(S)」
川村 エネルギーが444kcalで、500kcal以内に収まる組み合わせです。1食でタンパク質を21.8g摂取でき、脂質も14.6gと朝マックの中では比較的抑えめ。ドリンクに「野菜生活(S)」を選んでいるので、ビタミンAもしっかりと摂取できます。
「フィレオフィッシュ×サイドサラダ×ミニッツメイド オレンジ(S)」
※「サイドサラダ」はドレッシングの栄養を含まない
川村 レギュラーメニューでもおなじみの「フィレオフィッシュ」にサイドメニューを組み合わせた場合、エネルギーが445kcalで、脂質も14.9gに収まっています。炭水化物は60.7gと、ほか2つの組み合わせと比較した場合ちょっと多いものの、1食でビタミンCが91mgも摂取できるのは高ポイントです。
(文:佐藤真琴)
※2020年2月28日初出の記事に追記、編集を加えています。
■川村郁子(かわむら・いくこ)
管理栄養士。中村学園大学栄養科学部栄養科学科卒業。九州の病院栄養士経験を経て独立。レストランのヘルシーメニュー監修、栄養専門学校講師、企業・大学での食育講演を行いながら、「コンビニや外食との上手な付き合い方」「15分で作れるかんたん栄養めし」の提案をしている。
インスタグラム/WEBサイト:「酒好きの食育」