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宋美玄先生に聞く「高齢出産にはリスクがありますか? リスクがあるとしたら、どんなものでしょうか?」

ByAdmin

10月 13, 2021

Q.高齢出産にはリスクがありますか? リスクがあるとしたら、どんなものでしょうか?
A.最大のリスクは、そもそも妊娠できるかどうかと、流産の確率が上がることです。

 35歳以上の人が出産することを「高齢出産」と呼びます。私自身も第一子を35歳で、第二子を39歳で出産したので、高齢出産でした。現在では35歳以上で出産する人はまったくめずらしくなく、なかには40代になってから出産する人もいます。特に高年齢で出産する芸能人や有名人のニュースは目立つため、つい何歳でも妊娠・出産できると思ってしまいそうです。

 でも、これは以前からよくお伝えしていることですが、高齢出産の最大のリスクは、そもそも妊娠できるかどうかではないでしょうか。妊娠の確率は、年齢とともに確実に下がっていきます。「妊娠力をアップさせる方法」はありません。そして年齢を重ねるにつれて、卵子も精子も老化するため、流産する確率も、染色体異常などが起こる確率も上がります。全体の流産確率は15%なのに対して、35歳が流産する確率は約20%、40歳だと約40%になってしまうのです。

 しかし一方で、よく「高齢出産だと障害のある赤ちゃんが生まれやすい」と言われますが、流産をまぬがれた子どものほとんどは障害を持っていません。確かに高齢だと染色体異常の確率は上がるものの、母親が35歳で約99.5%、40歳で約98%、43歳で約95%の赤ちゃんの染色体は正常です。そして年齢に関係なく、全体の3〜4%の赤ちゃんはなんらかの障害を持って生まれます。染色体異常だけが障害ではありません。

 そのほか高齢出産だと、「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」はもちろん、本来は子宮の上部にできる胎盤が子宮口をふさぐ「前置胎盤」、陣痛が十分に強くならなかったりしてお産が長引く「遷延分娩」、様々な理由によって「帝王切開」などになるリスクも上がります。

 こうしたリスクについて、よく「二人目は高齢でも大丈夫」と言う人がいますが、一人目でも二人目でも変わりません。経産婦のほうが分娩はスムーズですが、高齢出産のリスクは変わらないのです。でも、35歳以上になるとリスクが急に上がるわけではありませんし、多くの人は無事に出産しています。リスクを知っておくことも大切ですが、心配しすぎないようにしましょう。

<今回のポイント>
○最大のリスクは妊娠できるかどうか
○流産や障害、合併症のリスクもあがる
○多くの人は無事に出産している

宋美玄『産婦人科医ママの妊娠・出産パーフェクトBOOK-プレ妊娠編から産後編まで! 』(内外出版社)
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