• 土. 12月 21st, 2024

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86歳が78歳に強盗! 元女囚が考える被害者も加害者も「みんなお年寄り」の時代

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

90歳で禁錮5年は妥当

 例の池袋の交通事故のおじいさんが東京拘置所に収監されましたね。このおじいさんは、「アカオチ(赤落ち)」を前に今さら「過失」を認めました。「暴走は、私の勘違いによる過失でブレーキとアクセルを間違えた結果」やそうです。

 「アカオチ」とは「収監」の意味です。昔の「囚人服」は赤かったから「赤い服で獄に落ちる」意味らしいです。

 裁判では「アクセルを踏み間違えた記憶がなかったから、心苦しくも無罪を主張した」けど、今回は認めて刑に服するそうです。いや、それは公判で言うべきやったなと。この段階で言うても国民は納得しますかね。「一日でも早くシャバに出たいから、ここは謝っとこ」感しかないです。

 2人も死なせて90歳で禁錮5年ゆうたら、まあ妥当なところですか。最近のムショは、お年寄りがほとんどで、老人ホーム化してますから、そんなに過ごしにくくはないと思いますよ。

上級国民の仮釈放は、めちゃくちゃ早い?

 このおじいさんの問題は、前も書きましたけど「上級国民キャラ」ですよね。

 最初は実名も出なくて、起訴もされない感じで、「フレンチレストランの予約の時間に遅れそう」な理由も反感買ってました。しかも、2001年にも同じ感じで事故ってます

 そんなキャラですから、世間の嫌われ者になってもて、9月17日に「禁錮5年」の刑が確定して、これからどこのムショに入るか決まります。あるいはムショでなく、このまま東京拘置所に収監かもしれません。拘置所にも懲役(受刑者)はけっこういてます。だいたいは「刑務作業」として収容者のお世話(食事の支度やお掃除など)をしてますが、おじいさんはお世話をされるほうでしょうね。

 さて、おじいさんは、ムショにはどのくらい入ってるでしょうか? 普通なら初犯でヤクザやなければ、5年打たれて(言い渡されて)も、マジメにしてれば3年くらいで出てこられると思います。いわゆる仮釈放です。なんか、おじいさんは体調不良を理由にソッコー釈放される気もします。

 思えば「仮釈放をもらえる時期」もメジャーやないですよね。仮釈放の時期は、法律(刑法と更生保護法)で「刑期の3分の1を経過した段階で、地方の更生保護委員会が審理する」としていますが、実は決めるのは検察官なんですよ。更生保護委員会が「検察官に意見を求めることができる」としてます。

 裁判は終わって、判決確定してるのに、なんで検察に求めるんでしょうね。弁護士さんの団体の日弁連も「仮釈放に検察の意見を求めるな」ちゅう意見書を出してます。

 思えば瑠美にも「カリシャク(仮釈放)なし案件」はありました。つらかったですよ。みんな一日でも早くシャバに復帰したいから、ムショでつらいことがあっても、ひたすら辛抱するのに、エリート検察官の「アカンやっちゃな」の一言で長くなるんです。

 でも、最近はちょっと事情も違っていて、刑期満了までムショにいてたいお年寄りも多いそうです。出所しても行く場所やお金がないから、またすぐに事件を起こして逆戻りです。

 ちなみに瑠美的には、「出所してきたばかりの78歳のおじいさん」を「86歳と66歳の知り合い」がボコって現金10万円を奪った事件がやばかったです。「蹴って転倒させ、左腕に擦り傷を負わせ」て、お金を取ったそうです。犯人は強盗致傷の容疑でパクられ(逮捕され)ましたが、否認しているそうですよ。

 3人の年齢を合計したら、いやしなくても高齢すぎますよね。何がすごいって、これからは、こうゆう事件が増えることです。被害者も加害者も、みんなお年寄り……。SF映画みたいですよね。

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