• 日. 12月 22nd, 2024

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明日あなたが被害にあうかもしれない

社長がヤクザと食事したら会社が倒産! 元極妻が考える「過剰な暴力団排除」の影響

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

「野田聖子の夫は元暴力団員」は真実か

 自民党の総裁選が終わって、あっという間に総選挙ですね。当初は「10月26日公示・11月7日投開票」といわれていましたが、1週間早まって「10月19日公示・10月31日投開票」となり、関係者は大慌てのようです。

 暴力団排除条例(暴排条例)が施行されるまでは、ヤクザが選挙を手伝うのは普通でしたから、今もご縁をいただいているんですよ。

 総選挙もいろいろ気になるところですが、総裁選では、やはり野田聖子さんのお連れ合いの件が気になりましたね。「週刊新潮」(新潮社)のウェブ版「デイリー新潮」は、「上半期ベスト15」の記事として、「野田聖子の夫は『元暴力団員』」と延々と報じています。これって、どなたかの「お願い」か「忖度」か、あるいは両方っぽいですが、どうでしょうか?

 この報道に対して、野田さんはブログで否定されていますし、お連れ合いが提訴した名誉棄損訴訟で「週刊文春」(文藝春秋)は敗訴しています。

 報道には、「『夫は元暴力団員』とした部分は『真実と信じる相当な理由がある』とし、名誉毀損は成立しないとした」とありますが、野田さんのブログによると「暴力団員であるという事実認定」まではされていないようです。

 「週刊新潮」の報道については、取材に応じた「元暴力団組長」も偽証罪で刑事告発されているそうです。裁判で「自分の子分だった」と証言した元・組長ですね。警察もすでに動いているそうで、こちらも注目です。

 この「元・組長氏」は、証拠(一緒に写っている写真とか)を提出されたのでしょうか? 「アレはワシの子分やった」と言っただけで、裁判所が「子分認定」するとは思いたくないですね。それだと、なんでもアリになってしまいます。以前も書かせていただいていますが、そもそも「元暴力団員」であったとしても20年も前の話ですしね。

 大切なのは、更生されている方や更生しようとされている方を見守ることであって、叩くことではないと思います。

 そんなことを考えていたら、アメリカ・カリフォルニア州の矯正更生局と州立大学が提携して刑務所内での大学教育プログラムを進めているというニュースを見つけました。今年が1期生で25人が卒業だそうです。

 大学を出ればいいというものでもないですが、何かで結果を出せると自信を持てます。アメリカは黒人差別とか問題も多い一方で、いい面もありますね。10月9日付の日刊ゲンダイは、「過去にやってしまったことを変えることはできません。私にできることは、これから自分が行うことを変えることだけなんです」という卒業生の言葉を紹介しています。

 日本にも自分を変えられるチャンスがもっとあったらいいのですが、過剰な暴力団排除など、残念な事例しかありません。

 たとえば、この夏に倒産した九州の設備工事会社はお気の毒すぎました。

 会社の社長さんが暴力団関係者と密接交際をしていたと福岡県警が公表したことで、メインバンクが口座を凍結、それから2週間で倒産しています。従業員さん76人が路頭に迷い、取引先約200社に対する負債は約30億円だそうです。県警としては、「暴力団員と付き合うからだ」ということなのでしょうが、ちょっと被害が大きすぎますよね。

 また、社長さんは「相手が暴力団関係者とは知らなかったが、警察の取り調べに知っていたと答えてしまった」と釈明しているそうです。もう少しソフトランディングは図れなかったのでしょうか?

 再就職先を探そうにも、「ハンシャ(反社会的勢力)の会社の人」に認定されてしまうとアウトですから、十数社に断られた方もいるそうです。元従業員さんたちが元社長さんに文句を言っても、「泣き声で謝るばかり」だったとか。

 「ヤクザとごはんを食べたっていいじゃないか」とは申しませんが、死屍累々すぎます。これこそ国会で問題にしていただきたいレベルです。排除する前に更生を支援し、更生している元ヤクザの皆さんを温かい目で見守る体制づくりが必要だと思います。

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