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尾上松也×山崎育三郎×城田優、中年3人の「会話の若さ」が輝く! 「婦人公論」老後特集の“シニア”ラインナップ

 「婦人公論」(中央公論新社)の11月9日号が発売中です。今回の特集は「毎日を楽しくするヒント 『明るい老後』と『クヨクヨ老後』」。表紙を飾る女優・草笛光子を始め、輝くシニアへのインタビューが充実しています。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎伊東綾子 コロナから回復した101歳の前向き人生
◎筒井康隆 なにがあろうとも、僕は長く生きようと決めている
◎山崎育三郎×城田優×尾上松也 今こそ僕らが変化を起そう

101歳のコロナ生還インタビュー

 まず見ていくのは、滋賀県大津市在住の一般人・伊東綾子さんへのインタビュー記事「コロナから回復した101歳の前向き人生」。伊東さんとは、今年1月の100歳当時、新型コロナに感染し発熱したものの、約1カ月の入院ののちに回復した人物。退院後の同5月、伊東さんは滋賀県庁で異例の退院会見を開催。体操や自作の詩などを披露し、話題になりました。

 今回の4ページの大ボリュームインタビューでは、コロナ絡みの話は最初の3分の1のみ。後の3分の2では伊東さんのこれまでの歩み(女学生時代、戦後の葛藤、夫との死別、女手一つでのキャンプセンター経営など)が語られています。普通に生きてきて「婦人公論」で半生を語ることになるなんて、伊東さんも予想していなかったでしょう。

 私は一体今、何を読まされているのだ……? と時たま思いつつも、やはり101年分の歩みは読みごたえがあります。会見で体操や詩を見せるサービス精神からも感じましたが、「自分が生きていることは素晴らしいこと」と心から思える自己肯定感も、長生きの秘訣であると教えられたような気がします。

 同誌では、前号でもタレント・野々村真のコロナ生還インタビューを掲載していました。今後は“コロナに打ち克った人物”が、トレンドとなっていくのでしょうか。

87歳・筒井康隆はサラリと引退宣言

 次に見ていくのは小説家・筒井康隆氏へのインタビュー「なにがあろうとも、僕は長く生きようと決めている」。87歳になった筒井氏ですが、今年は自身の一人息子の死をテーマにつづった作品を収める短篇集『ジャックポット』(新潮社)が話題に。約30年前に刊行した小説『残像に口紅を』(中公文庫)もTikTokをきっかけに大重版されるなど、いまだ売れっ子。しかし、今回のインタビューでは「もはや長編小説は書きません」「短編からも卒業する、と関係者に伝えています」と、さらりと宣言しています。

 「今後は文芸誌に原稿用紙十枚くらいの掌篇を寄せていくつもりです。それがある程度まとまれば、最後の作品集ということになるでしょう」とのこと。

 第一線で活躍していながら“引退宣言”することについて、筒井氏は「体力や気力の問題ではなく、長い年月をかけて自分の中に培ってきた知識や発想のストックを使い果たしてしまった」「頭がしっかりしているうちに、『できること』と『できなくなったこと』を見極め、数少なくなった『まだできること』の優先順位を決める。こうして、老いても自分の尊厳は自ら守らなくてはいけません」と語っています。引き際を自ら決めることも「前向きな老後」のひとつであるようです。

 最後に見ていくのは、ほっと一息つける(?)鼎談「山崎育三郎×城田優×尾上松也 今こそ僕らが変化を起そう」。3人とも30代半ば。中年と呼んでもいい年齢のはずですが、老後特集号の少し重苦しい雰囲気の今号の中で見れば、かなり若者オーラが出ているように感じます。彼らの会話の内容も若いのです。

 城田と松也は、学年は違うものの同じ高校の芸能コースに通っていて、当時から仲が良かったそう。

城田「お互い、それぞれの学年の“クレイジー担当”と呼ばれる盛り上げ役みたいなものに任命されていた」

松也「3年生のナカモリくんに『お前が2代目だ』って任命されて。(中略)」

城田「代々続いている担当かと思っていたら、そのナカモリくんから始まって、僕らの3学年だけにしかなかった」

 ……3年生のナカモリくんって誰? 高校時代の内輪ノリを昨日のことのように話せる感覚に若さを感じます。ちなみに、松也は「ビジネスクレイジー」で、城田は「ナチュラルクレイジー」、山崎は「一見おとなしそうだけど、頭の中が一番クレイジー」だそう。クレイジーが褒め言葉になっている感じにも若々しさがあふれていて、読者に若きエキスのおすそ分けをしてくれているページだと感じました。

 

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