連載企画「30代女子の「煩悩部屋」ビフォー・アフター」の新シーズンが始まりました。今回は、汚部屋あらため「汚家(おうち)」をまるごと片付けます! クライアントは板橋区・3SLDKの一軒家に家族4人で暮らす兼業主婦のKさん(37歳)です。
お悩み:「カウンターキッチンがいつもゴチャゴチャ」板橋区・Kさん(37歳/会社員役職)
汚家まるごと変身企画“26回目”は、カウンターキッチンの「シンクとコンロ周り」です。いつも散らかっていて、「片付けてから料理をするのがしんどい」「汚れが溜まりやすい」「配膳がしにくい」といったお悩みです。これらもすべて、収納を変えることで改善できます。
Kさん宅は家族の顔が見える、配膳がしやすいと人気のカウンターキッチン(対面キッチン)ですが、「いつもキッチンが散らかっていて、気持ちが落ち着かない」とKさん。家にいる時間が増えたので、落ち着いた空間へ、調理がしやすいキッチンに変えたいとご希望でした。
[分析]キッチンについ「置いてしまうモノ」は、何が多い?
「チョイ置き」したモノが、キッチンをふさいでいます。これらのモノを、キッチンから手が届く範囲に戻す仕組みを作っていきましょう。
Kさん宅のカウンターキッチン(対面キッチン)を、4つのゾーン[1]シンク[2]作業台[3]サービスカウンター[4]コンロに分けて、実際に片付けた内容をBefore→After写真で解説していきます。
[1:Before]シンク周りの片付けがしんどい
[1]のサービスカウンター上は、マグカップがいっぱいです。Kさん宅のキッチン環境は、食洗機なし。高機能の「水切りラック」を用意した例です。濡れた食器は、乾くまで置いておくタイプでした。水切りラック横にはまな板にする「牛乳パック」が積まれています。
[1:After]振り向いてサッと戻せる「モノの住所」を作る
シンク周りがゴチャゴチャの場合、手が届く範囲に「モノの住所」を用意するに限ります。「牛乳パック」は食器棚のフリースペースへ。生活小物は、食器棚の引き出しへ。カトラリーや離乳食用の食器も、背面の食器棚へ「定位置」を用意しました。
次に、「小物が多いときの収納方法」「水切り時間カット」の工夫を紹介します。
[工夫.1]小物を吊り下げる収納
シンクで使う小物が多いとお悩みの場合。シンク近くの壁に、小物を吊り下げる収納で直置きを減らします。最近は、マグネットタイプのキッチン壁もあるほど便利な収納として重要視されています。壁がない場合は、立ち上がりが洗剤ボトルの高さよりも大きければ「浮かせる収納」にできます。
[工夫.2]水切り時間のカット
食器が乾くまで水切りラックに保管していると、次の作業への進みが鈍くなります。拭くのが面倒な方は、脱水力の強いタオルが役立ちます。カークランド「マイクロファイバータオル」にくるめば、乾きが早いので1個ずつ拭く手間をカットできます。筆者も面倒派なので、丁寧に拭かずに戻します(笑)。
[工夫.3]水切りカゴを代用
朝になったら乾いている! を実現するために、100均の「ピンチバスケット」を、小物用水切りカゴとして使うのも◎。引き出しまで、一気に運べますよ。狭いキッチンだと、少ない食器を使いまわしながら空間を確保する必要があるため「1回で移動」を考えましょう。
ツールバーは、セリアの「ステンレスタオルバー」の吸盤を外して、100均の熱圧着フックに引っ掛けたもの。雑な動きでも、外れず頑丈です。
作業台の上には、卓上IH調理器、サプリ、食品、充電グッズが置きっぱなし。すべて「戻す場所がないモノ」です。これらも、シンク近くに「定位置」を用意します。
[2:After]作業台の後ろに「定位置」を用意
食器棚をゼロから見直したことで、「溢れていたモノ」を戻す空間ができました。料理とは関係ない、文房具、生活雑貨も食器棚の引き出しに「定位置」を用意。サプリもコーナーを用意したので1カ所で完結します。すべて、後ろを振り向くだけで済む「手の届く範囲」にあります。
[工夫.1]カウンター上の小物を「投げ入れBOX」へ
コンセントまわりは配線や小物が集まりがちです。ゼロにするのは難しいので「どける仕組み」を用意。カウンターの角に「投げ入れBOX」を置くだけで、散らかりが見えない空間をキープできます。
よく使う充電コードは、壁にフックを付けてコードを上に置くように。作業台にコードが伸びていると、邪魔になるためです。壁に凸凹があれば、Wクリップにコードを通しても◎です。
サービスカウンターから、料理をダイニングテーブルに配膳するのがKさんのルーティーン。ところが、カウンター上の横幅は15cmと狭く、受け取り手に渡すまで大皿を持って待機する時間が出ます。
[3:After]ジョイントラックで幅を延長
サービスカウンターの横幅が15cmの場合、ダイソー「ジョイントラック」が役立ちます。料理を盛りつけた大皿も置けるので、「配膳台」として活用。調理中の食材も、上に置けるのでスペースが広くなります。
[4 Before]換気扇まわりが油でギトギト
換気扇の掃除って、面倒ですよね。Kさん宅も、換気扇にフィルターカバー。キッチンの壁には、100均のレンガ柄シートで汚れをブロックをしていました。ですが、換気扇まわりにズラリ吊るしたツールは、油でベタベタです。
油とホコリでベタベタのツール。換気扇の汚れを拭くときも、1個1個外す手間があるので、汚れが溜まりやすくなります。
[4:After]小物を減らして掃除をラクに
掃除がめんどくさいな、と感じるのは「どかす手間」から入るため。何もなければ、油汚れもサッと拭けます。視覚的にもスッキリしたほうが負担を軽くできるので、セリア「透明壁用シート2層タイプ」に貼り替えました。汚れたらシートを1枚(1層)剥がすことができます。
キッチンツールはスタンドにポイッと投げ入れる様式に変更。円状型で、間口が広いガラス瓶なら洗いやすく衛生的です。ツールスタンドなら、フックのように手元を見ずに戻せます。油汚れも少なく、移動も1回で済みますね。
[まとめBefore]散らかるモノを移動しても終わらない
片付けてもすぐ散らかる家は、棚の上にあるモノを「移動しているだけ」なので、根本的な解決にがつながりません。モノがあふれるのは、収納棚が満タンだから! と見方を変えて、棚の中身から改善すると◎です。
[まとめAfter]収納棚を見直すほど、片付けが簡単に
収納棚の中身をぜんぶ見直したことで、あふれたモノを片付けることができました。もちろん、調理をするたびに散らかりますが「戻す場所」があるのでもう大丈夫! 育児、家事、仕事と忙しいKさんには、良い意味で「殺風景」を目指すほど、暮らしが簡単になると思います。