――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。
めでたい、めでたいよ!! 何がそんなにめでたいのかって!? それはねえ、このあたしが! 買い物狂いの千葉N子が結婚したからよ!!!!
ふっふっふっ……。みんな、こう思っているでしょう。「こんなやべえ女と結婚してくれる男がいるんだ……」と。いるんだなあ、これが!!
今まで大きな買い物をするたびに「N子ちゃん、大丈夫……?」と恐る恐る聞いてきたステディ。やべえ女だとわかっていながらも、ステディは私と結婚することを選んだのよ!! ほほほほ……、あたくしのキャラクターとしての面白さが勝った、ってことね? そうよ。あたしは確かに金銭感覚はやべえ女だけど、一緒にいたら飽きない面白い女なのよ。
そんなわけで、入籍を1週間後に控えたある日、買い物狂いの私は「祝い酒選び」をしていました。入籍当日といえば、お祝いじゃない? お祝いといえばお酒でしょ? 晴れの日に飲む素敵なお酒が欲しいじゃないのさ。
まずは酒の種類選びなんだけど、これは日本酒が良いと思うの。日本酒なんて普段は飲まないし、“祝い酒”といえば、日本酒って感じがするやん?
そして銘柄。今までお店で飲んだ中で、「これはうまい!」と思ったのが、秋田の「雪の茅舎」というお酒。甘みがあっておいしく感じたのよね。あれの、純米大吟醸なんてどうかしらね。
そんなわけで、私は「楽天市場」を開き、「雪の茅舎 純米大吟醸」を検索。すると、720mlが3,500円くらいで売られていました。ほうほう。普段飲むお酒としては高いけど、祝いのお酒としてはいい感じじゃないの!?
しかし、買い物狂いの私は見つけてしまいました……。「雪の茅舎 純米大吟醸 聴雪(ちょうせつ)」という酒を……。こちらのお値段、720mlで、なんと7,700円!! 高ええええええええええええ!!!!!!!!!!
商品説明には、「純米吟醸酒の頂点を目指して醸された酒。酒造好適米『山田錦』を35%まで磨き華やかな果実を思わせる香りと軽快なのど越しを見せる杜氏入魂の自信作きわめて完成度の高い純米大吟醸の逸品といえます」と書かれています。ぐむむむむ……。つまり、「うまい」ってことね。
しかし、お酒に7,700円はちょっとやりすぎではないのかね……。てか、本当にめちゃくちゃうまいと思うかどうかもわからないし……。そこで私は、おすすめの日本酒についてネットで調査してみることに。
すると、とあるサイトのおすすめランキング1位に、新潟で作られている『久保田 純米大吟醸』が紹介されていました。ふうむ……、「久保田」って名前は聞いたことあるわ。で、久保田はおいくらなのかね? 検索してみると、久保田の最高銘柄も発見してしまいました。その名も「萬壽(まんじゅ)」。
うーん、これもすごそうだ。ちなみに価格は5,000円。こういうときはあれだ。ステディにどっちが飲みたいか聞いてみるのがよかろう。私はすぐにLINEでステディに意見を求めました。すると……。
「大丈夫? ほとんどN子ちゃんが飲むことになると思うけど……」
とのこと。おお、そうだった。ステディはお酒にめちゃくちゃ弱くて、ちびりちびりと飲んでもすぐに「酔っちゃった~」と言う男だった。ううむ……、そう考えると私1人が飲むのに8,000円も出すのはもったいない気がするなあ。結局、有名な酒屋チェーン「酒のやまや」を見てみようということになり、メッセージのやりとりを終えました。
でもでも、私の舌はすっかり「うまい日本酒が飲みたい!」となってしまったのよねえ。ちょっと下見に行ってみよう。そう思い立った私は自転車にまたがり、近所のやまやへと出かけてみました。
ところが……。「久保田」とか「雪の茅舎」はなし。地元・岩手のお酒ばかりが並んでいます。お店の「おすすめランキング」というのもあり、1位は「ピ―――」(お酒の名誉のために伏せておきます)でした。名前を検索しても出てこないので、知る人ぞ知るお酒っぽい。でも、「純米大吟醸」と書いてあるし、価格も720mlで3,300円と高いし、うん、決めた! これにします!!
そんなわけで、酒のあても買い込んで帰宅するやいなや、母を呼んで宴を開催することにしました。「日本酒を飲んだことがない」と母が言うので、コップにほんの少しの酒をつぐと、一口飲んだ母は顔をしかめました。
「私、これ無理かも……」
ふうん。母は日本酒が苦手なんだなあ。高いお酒なのに。そんなことを思いながら私も一口。しかし、その瞬間、私も顔をしかめました。ぐむむ……、お店で日本酒を飲むときと何かが違う……。この違和感はいったいなに?
味はお店で飲むような日本酒とそんなに変わらないはず。いや、純米酒の最上位に値する「純米大吟醸」なんだから、もっとうまいはずなのに、コップで飲んでいるせいなのか、なーんかおいしく感じない……。
その後もちびちびと飲み進めたものの、結局、全部飲み切ることはできず、途中で断念しました。でもまあ、予行練習しておいてよかったかも。たっかいお酒を買って、万が一口に合わなかったら悲しいもんね。そんなわけで、今回は3,300円の出費で済んだことをよしとすることにしました。
■今回の出費
「酒のやまや」で買った、とある日本酒 3,300円