11月16日、ジャニーズ事務所のアイドルグループ・Snow Manが主演を務める映画『おそ松さん』(2022年3月25日公開)の特報映像がYouTubeで公開された。同時に新キャスト情報も明らかになるなど、ネット上でも注目を集めているが、「やっぱりコケそう」と不安視する声も少なくない。
漫画家・赤塚不二夫氏の『おそ松くん』(小学館)を原作として、15年にアニメ化された『おそ松さん』(テレビ東京ほか)。原作では小学生だった“六つ子”が『おそ松さん』では成人しているという設定のもと、声優陣も長男・松野おそ松役に櫻井孝宏、次男・カラ松役に中村悠一、三男・チョロ松役に神谷浩史、四男・一松役に福山潤、五男・十四松役に小野大輔、六男・トド松役に入野自由と豪華な顔ぶれで、人気が爆発。アニメは第3期まで放送されたほか、19年にはアニメ版の『えいがのおそ松さん』も公開。また、16年からは舞台化もされており、こちらも高崎翔太(おそ松役)をはじめとする人気舞台俳優たちが起用されてきた。
「そんな中、新たに公開が予定されている実写映画『おそ松さん』では、Snow Man・向井康二がおそ松、岩本照がカラ松、目黒蓮がチョロ松、深澤辰哉が一松、佐久間大介が十四松、ラウールがトド松を演じ、同映画のオリジナルキャラクター・エンド、クローズ、ピリオドを、それぞれ渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太が担当します。また、今月16日にYouTubeで特報映像が公開されるとともに、ヒロインのトト子役を高橋ひかる、キザ男のイヤミ役を前川泰之、おでん屋のチビ太役を桜田ひよりが演じることもわかりました」(芸能ライター)
ネットユーザーからは、トト子やイヤミ、チビ太のビジュアルに関して「原作のイメージを守ってる」「再現度が高い!」などと安堵する声や、特報映像で十四松役の佐久間がしゃべっているシーンについて「しっかり十四松の声に寄せてる!」「さっくんの声が完全に十四松で吹いた! 最高です!」「さすがアニメ好きのさっくん、リスペクトを感じるわ」といったコメントも寄せられている。
「一方で、『どう考えても“爆死映画”だろうなあ』『舞台は成功してるけど、あちらはちゃんとアニメファンに向けて作ってる。でも、映画はなあ……』『特報を見る限り、Snow Manとかジャニーズファンのための映画って印象しかない』との指摘や、『そもそもなんで「おそ松さん」の実写映画をジャニーズがやるのか?』『明らかにコケそうだし、「おそ松さん」側にもジャニーズ側にもメリットがあるとは思えない』『ジャニーズで二次元作品の実写化、っていうだけで失敗のイメージ』といった書き込みもあります」(同)
とはいえ、“原作モノ”の実写化でジャニーズが主演した作品でも“大爆死”を回避し、ヒットを飛ばした例はある。
「たとえば、Hey!Say!JUMP・山田涼介主演で17年12月に公開された『鋼の錬金術師』は、漫画家・荒川弘氏の同題漫画(スクウェア・エニックス)が原作で、実写化の発表当初から公開中も『登場人物や世界観も日本からかけ離れてるのに、日本映画で実写化することに違和感がある』『いくら山田みたいな人気アイドルを起用しても、無理なものは無理』などと言われていました。しかし、興行通信社の発表では、公開初週から3日間で観客動員29万1,000人、興行収入3億7,300万円を記録し、映画ランキングでも初登場1位を獲得。最終的には興収11.1億円まで伸ばしました」(同)
また、同じく山田が主演し、事務所の先輩にあたる嵐・二宮和也も出演していた『暗殺教室』(15年3月公開)と『暗殺教室~卒業編~』(16年3月公開)も、原作は漫画家・松井優征氏の同題漫画(集英社)で、ネット上では「まず山田が主人公のイメージと合ってない」「そもそも中学生たちの話なのに。ジャニーズならなんでもいいのかよ」などと批判されていたが、結果的に実写映画第1作目は興収27.7億円、第2作目は35.1億円という好成績を収めた。
「木村拓哉はSMAP時代、10年12月に公開された映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』で主演しています。同映画はテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』(日本テレビ系)シリーズ初の実写映画として話題を呼びましたが、歴史ある作品だけに年季の入ったファンも多く、『実写化したら安っぽくなりそう』『キムタク主演とか、もう“ジャニーズ映画”って感じで見る気なくす』といった不満が続出。それでも、同映画は最終的に41億円もの興収をあげました」(映画誌記者)
ちなみに、映画『おそ松さん』でトド松役に起用されているラウールは、今年7月公開の『ハニーレモンソーダ』の三浦界役で映画単独初主演を果たしたが、同作も漫画家・村田真優氏による同題漫画(集英社)の実写版。ラウールは、原作の界を忠実に再現すべく髪を“レモン色”に染めて出演したが、ネット上では「ラウールくんが悪いわけじゃないけど、やっぱり実写だと印象違う」「界は二次元上の理想だから、三次元では再現できない」などと言われてしまっていた。
「こちらは、公開初週の映画ランキングでは4位に留まりましたが、土日2日間の動員は13万5,000人、興収も1億7,400万円とまずまずの滑り出し。公開から約1カ月後の8月16日時点では『興収9.3億円を突破』と伝えられるなど、なかなかの健闘を見せていました」(同)
Snow Man全員で挑む『おそ松さん』は、最終的に「大健闘」の評価を得られるだろうか。