連載企画「30代女子の「煩悩部屋」ビフォー・アフター」の新シーズンが始まりました。今回は、汚部屋あらため「汚家(おうち)」をまるごと片付けます! クライアントは板橋区・3SLDKの一軒家に家族4人で暮らす兼業主婦のKさん(37歳)です。
お悩み:「調理鍋20点を、捨てずに収納したい」板橋区・Kさん(37歳/会社員役職)
汚家まるごと変身企画“28回目”は、システムキッチンの「引き出し収納」の手直しです。今回は、料理好きのクライアントさんが大切にしている調理鍋20点を、100均アイテムだけで「秒で出せる」ように収納していきます
写真に記したシンクからコンロまでの全8カ所の引き出しを片付けます。 本格的な調理道具をはじめ、食材ストック、調味料などをすっきり収めるコツを、ビフォーアフター写真“8連発”で解説していきます。
[1_Before]シンクの下、1段目(最上段)
シンクの真下、1段目です。水回りで使う、ザルとボウル、片手鍋がメインに入っていますが……。置く場所迷子だった容器、調理家電なども「隙間を探して」詰め込んでいました。
[1_After]シンク下は、水を使う道具(ザル、ボウル、鍋)が鉄則!
シンクの真下は、水回りに使う道具だけを収納し直しました。収納する鍋は、片手と小鍋を優先に選びます。大鍋はコンロに置いて水を注ぐほうが負担が軽くなります。やかんなどは、使用頻度が少ないのでコンロ側へ。
見直した点は、ボウルとザルの量です。コンパクトな「入れ子式」になる量まで厳選しました。ほか、調理家電は食器下の扉へまとめています。
[1のポイント]鍋収納に人気! カインズ「スキット」はさすが!
前回の片付けで、カインズのオリジナル収納ケース「スキット」が2つも出てきました。100均のブックスタンドと取り替えると、ぴったりです。買い揃えるにはちゅうちょする598円(税込/ライター調べ)ですが、ズレない、空間のムダがない、手前に凹みがあるなど優れた収納グッズです。
とはいえ、今回は低予算で収納を見直したいので、購入したのは100均の商品のみ!(次章より登場します)
[2_Before]シンクの下、2段目(最下段)
ギュウギュウに入っていたのは、水回りの消耗品です。シンク下へ置くのも一般的です。Kさん宅の場合は、流動的なモノが多いため「小物収納ケース」へ移動しました。
流動的とは、買い足しが多いモノ、定番品を決めていない、新しい商品を試すタイプなど「収納するモノが定まらない状態」を指します。収納ケースで仕切りや定位置を用意しても、散らかりやすいので「1箱1種類」の収納が◎。
[2_After]上から見下ろす、最下段は「ストック食材」が楽!
新たに収納し直したのは「食材ストック」です。左から、麺類、加工食材、乾物と分類しました。最下段の引き出しは、かがんだ姿勢になるため「取り出しにくい」欠点があります。食材なら、上から在庫量を確認できるため、逆に「管理がしやすい」利点があります。
[2のポイント]食材は、本のように「背ラベル」で取り出す!
「食材ストック」を収納箱へ入れるときは「本棚」のように。食材のグループ分けは、A4サイズボックス、靴箱の空き箱がベスト。ボックス内の仕切りは、DVDサイズの空き箱がぴったりです。
倒れやすい袋状の食品は「レトルトフードの空き箱」がおすすめです。写真上の★マーク(箱の切り方)のように使います。ちょうど良いのは、レトルトカレーの空き箱です。ほか、食品小袋をささえる「小袋スタンド」が100均にあります。でも、自作のほうがお金もかからず無駄になりません。
コンロ脇の作業台の下、1段目の引き出しです。カトラリー用の仕切りケースが付いていたため、お箸などが入っていましたが、それらは食器と一緒に用意するので、動線とは合いません。
ほか、調理ツールやサプリなどキッチン小物が山のように「重ね置き」です。どれも、上のモノをどかして取る面倒がかかります。
[3_After]コンロ脇の引き出しは「調理ツール」がベスト!
カトラリー類は、食器棚の引き出しへ移動して「調理ツール」専用に変更しました。キッチンハサミや長箸など、2本以上あるツールは「使いやすい方のみ」残します。詰め込まないゆとり収納で、目的の道具を「1発で出す」ことができます。ほか、大型のツール(おたま、木べら、トング)などは、コンロ脇のツールスタンドへ。
[3のポイント]キッチン道具の予備は、忘れない箱へ保管!
同じ空間に予備ツールを置くと、よく使うモノの邪魔になります。すぐ使わない道具は、次に使うまでまとめて保管します。透明の見える袋と箱にまとめると、持っていることを忘れずに済みます。
[4_Before]作業台の下、2段目(中段)
コンロ脇の作業台の下、2段目の引き出し(深型)です。調味料は、コンロの左側の引き出しが便利です。でも、Beforeの写真を見る限り「1発で取り出す」のは難しそう。ルールなしに置くと「使い忘れ」も増えがちです。
[4_After]調味料は、10cm幅ボックス「グループ列」に!
調味料も、醤油系、オイル系、お酢類、味付けなどグループ別に分けます。調味料ボトルファイルボックス(約W10cm)に、列でまとめいれます。手前からよく使うモノ順に列べます。
[4のポイント]調味料は「キャップに直書き」で見える化
キャップの上に、調味料の種類を直書きしています。ちょっとした手間ですが、取り間違えのストレスがなくなります。キッチンで使う洗剤類も同じです。ほか、カラフルな円形ラベルを用意してキャップ上に貼るのも◎ 漂白剤ボトルのピンクのように「色」で判断できると、素早く取り出せます。
コンロ脇の作業台の下、3段目の引き出し(浅型)です。Beforeでは、お茶、加工食品、粉ものが入っていました。上から重ね置きしているので、下の食材が見えません。
[5_After]食品は「本棚のように」タテ入れが正解
こちらの引き出しでは、Kさん宅で余っていた紙ボックスに、ダイソーのシューズケースを追加で用意しました。瓶と缶の食材は、「備える時代」なので大きめの箱へ。賞味期限が近いほうを手前に戻し入れます。
システムキッチンのシンク下(2番)と作業台下(5番)の、最下段の引き出し2つが「食材ストック」に変わりました。
[6_Before]コンロの下、1段目
コンロ下の1段目です。SNSを参考にした収納法「100均のブックスタンド」で収納したそう。でも、出し入れの負荷が多いため次第にズレてしまうそう。強度が弱いので、筆者的にはおすすめしません。使う場合は、大きめの型で両面テープで補強します。
[6_After]ダイソーで選ぶ「フライパン収納」はコレ!
100均のアイテムなら、ダイソー「Coloristボックスロング」がおすすめです。奥行きが深く、手前が凹になっているので快適な出し入れになります。ブックスタンドより、安定感があります。ハンドル付きの道具(フライパン、片手鍋)なら、手元を見ずに戻すことができます。
[6のポイント]伸縮タイプの「フライパンスタンド」
予算が許せば、伸縮タイプの「フライパンスタンド」が快適です。鍋のサイズに合わせて調整できるので、空間の無駄を出さすにしっかり収納できます。[After.1]で紹介した、カインズの「スッキット」も人気です。どれを選ぶかは、予算、居住年数、収納したい道具で変わります。
コンロ下の最下段です。めったに使わない大鍋、スキレットが入っていました。引き出しのサイドは、壁に当たるので取り出しにくい場所です。
[7_After]使用頻度の低い「調理道具収納」で正解
こちらは、Kさんの収納法ままでOK! 使用頻度の低い大鍋、季節の鍋、イベント用などを収めました。油処理グッズなども、ここに置きます。
[7のポイント]鉄鍋は、紙モノで油漏れをブロック
油を浸透しておきたいスキレット(鉄の鍋)には、紙袋を使います。油漏れをしても、面倒な掃除をしなくて済む、「凹型加工した段ボール」もおすすめです。100円ショップが少ない頃は、新聞紙、ダンボール、空き箱で収納箱を作るのが定番でした。
[8_Before]コンロ横の引き出し
コンロ横の引き出しを、スパイスラックに使う方も多いと思います。ほか、出汁(和風、中華、洋風)や乾物(ごま、唐辛子、乾燥わかめ)などの食材も◎。大型のキッチンツール(おたま、箸)などを入れる家もあります。
[8_After]コンロ横の引き出し
キッチンのあちこちにあった、調味料小瓶(完全密封タイプ)をまとめ入れました。粉漏れが出やすいので、虫がわきやすい容器は入れないほうが◎。ほか、換気扇下の愛煙家なら「タバコセット」にしてもOK。
[8のポイント]外せるパーツは、お湯で丸洗いが早い
調味料用の引き出しは、どうしても汚れやすくなります。虫が好む環境にならないように、パーツを外して洗浄しました。モノを収納する時はすべて、ペーパーナプキンやアルミシートを敷いて、汚れをブロックします。
【まとめ】
[Before]出しっぱなしだらけのアイテムが……
新しい生活と育児で、「食材のストック」が急に増えたとKさん。急に増えた道具と食材に囲まれ、しんどい状態でした。
[After]ぜんぶ引き出しの中へ収まりました
キッチンの収納すべてを見直したことで、コンロ上に置きっぱなしだった鍋類もすべて収納できました。片付かないと思ったら、引き出しの中から「見直し収納」をするのが一番です。