12月1日に二十歳の誕生日を迎えられる天皇皇后両陛下の長女で学習院大学2年生の愛子さま。成年皇族行事は誕生日当日と同5日の2日に分けて行われ、5日の日曜日には宮中三殿を参拝し、宮殿で陛下から勲章を受け取ったのち、ローブ・デコルテに勲章、さらにティアラを着けた正装で両陛下にあいさつする予定だ。
秋篠宮家の長女・小室眞子さんを取り巻く一連の騒動の影響で“女性皇族の在り方”が議論される中、愛子さまは晴れの日をどんな表情で迎えられるのだろうか。皇室ウォッチャーX氏に行事の見どころと、愛子さまの“密かな趣味”について聞いた。
初記者会見で聞かれるであろう「結婚観」に注目
――愛子さまが成年皇族になると、皇室にどんな変化が起こるのでしょうか。
皇室ウォッチャーX氏(以下、X) 愛子さまはまだ大学生ですし、成年になったからといって、すぐに皇室に変化が起こることはないでしょう。ただ、成年になられてからは学業優先の中でも、土日や祝日を使って愛子さまの「単独公務」を行う機会が少しずつ増えていくことになります。皇族が初めて1人で公務を担われるというのは、皇室にとっても大きなことであり、公務の担い手が減少している中で“戦力”になるでしょう。しかも、天皇陛下の長女というお立場から、皇室の方々や宮内庁からしても、愛子さまのご活躍を期待していると思います。
――12月5日に行われる成年皇族行事や、今後行われる“初めての記者会見”において、注目すべき点はどこでしょうか。
X 成年行事では、愛子さまのローブ・デコルテ姿とティアラに注目すべきでしょう。特にティアラに関しては新調せず、上皇ご夫妻の長女で愛子さまの叔母にあたる黒田清子さんが成年の際にお召しになったティアラを着用されることになりました。コロナ禍において困難を強いられている国民の感情を前に、過去に約3,000万円もかかるティアラを作ることに難色を示した両陛下のご意向だと思います(佳子さまが成人された際は、イヤリングなどと合わせて約3,000万円の公金が支出された)。まさに、“国民とともに歩む皇室”を体現されていますね。
記者会見では、記者からの一問一答に愛子さまがお答えになる予定ですが、長尺で肉声を聞けるのは初となります。これまでも高校の卒業式や大学の入学時に一言二言は肉声が聞かれましたが、ご自身のお気持ちを自分の言葉で国民に伝える機会はなかったので、それだけでかなり貴重なことです。
個人的に注目しているのは、必ず聞かれるであろう「結婚観」ですね。眞子さんのこともありましたし、現時点でどのようなお考えをお持ちなのかが気になります。
――愛子さまはこれまで、「学業優秀」なイメージが浸透してきました。秋篠宮家への不信感の反動もあってか、ネット上では成人後の愛子さまに期待を寄せる声も多く見られます。そんな国民感情を、愛子さまもご存じ知だと思いますか?
X 「学業が優秀だから素晴らしい皇族」ということではないと思いますが、眞子さんの結婚騒動で秋篠宮家へのネガティブな感情が強まっている国民からすれば、愛子さまへの期待が大きくなることは理解できます。ご両親である両陛下からは、コロナ禍で国民を案じられているご様子が伝わってきますし、そのご長女ですから安心感もありますからね。
愛子さまも、別の側面から見れば大学2年生の“学生”なので、インターネットなどでご自身への評判はチェックされていることでしょう。ただ、愛子さまも秋篠宮家の方々とは交流があるので、その声を心苦しく感じられていてもおかしくありません。今は両陛下のご意向を尊重しながら、今後は女性皇族としてどうあるべきか、眞子さんの件も含めて考えていかれるのだと思います。
――愛子さまといえば、今年3月に「ジャニーズWESTの重岡大毅と藤井流星の大ファン」であると一部週刊誌に報じられ、当時驚いたネットユーザーも多かったようです。
X 愛子さまは皇族ではありますが、一方では一般国民と同じように学業に勤しまれているいち学生です。普通の若者と同じようにテレビも見ますし、スマートフォンでいろいろな情報を得られていることでしょう。その中でジャニーズアイドルに興味を持つ機会も当然あるでしょうから、ジャニーズWESTのファンになることもありえると思いますよ。
アイドルで言えば、国民祭典(2019年11月9日)で奉祝曲「Ray of Water」を歌唱した嵐のファンだと報じられたこともありました。ご友人と行かれたカラオケで“嵐の曲を一緒に歌われた”という話も出ていましたし、一般的な女子学生と同じようなご趣味をお持ちなのではないでしょうか。
――そういったご趣味の報道に関して、ジャニーズファンから「身近に感じる」といった旨の声も目立ちます。皇族の俗っぽい一面が注目されることをどう思いますか?
X 基本的に皇室の方々はプライベートの情報があまり出てこないのが普通なので、ジャニーズファンといった一般国民と同じようなご趣味を持つことに世間が注目してしまうのはわかります。今の皇室にいらっしゃる方だと、佳子さまがストリート系ダンスのご趣味をお持ちというのは有名ですね。ただ、そういったプライベートな情報が次々と出てしまうことは「身近に感じる」という良い側面もありつつ、悪い側面もあると思います。眞子さんの結婚騒動では「“公”と“私”をどう区別するのか」という問題にぶち当たりました。
皇室はそもそも国民から尊敬を集めているからこそ成り立っているといえます。あまりにも俗っぽい報道が増えると、「皇族も私たちと同じ人間なのだから、自由意思を認めるべきだ」という意見が出る一方で、「皇族なのだから国民感情を意識して生きていくべきだ」という話も出てくるでしょう。「税金で暮らしているのに」と主張する声も聞かれますし、難しい問題です。
平成から始まったといわれる“開かれた皇室”の基準、線引きのようなものがないと、皇室の存在意義を問われかねません。ですので、私としてはあまり俗っぽいお話が報道されることは好ましいとは考えていませんね。