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森戸やすみ先生に聞く「子どもがインフルエンザかも。年末は予定が詰まっているので困ります」

ByAdmin

12月 13, 2021

Q.子どもがインフルエンザかも。年末は予定が詰まっているので困ります。
A.まずは、発熱から12時間が経ってから小児科を受診しましょう。

 インフルエンザは、1〜3日の潜伏期間のあとに急に39度以上の高熱が出て発症することが多く、風邪よりも頭痛や関節痛、倦怠感などを伴う頻度が高いのが特徴です。場合によっては、腹痛や吐き気などの胃腸症状があることも。そのため、風邪のときに元気のある子どもも、インフルエンザになるとぐったりしてしまうことが多いでしょう。

 お子さんがインフルエンザにかかったかもしれないと思ったら、発熱してから12時間が経ってから受診しましょう。それよりも早いと、インフルエンザの迅速診断キットで検査したときに正確な結果が出ないからです。ただし、周囲で流行している場合、症状がはっきりしている場合は、検査なしでインフルエンザと診断されることもあるので、すぐに受診しても構いません。受診時は、他の人にうつさないよう、近所のクリニックに電話で発熱を伝えてから行く、または発熱外来の時間帯に行くなどしてください。

 風邪と同じように、基本的には解熱鎮痛剤や去痰薬などの対症療法の薬を処方されることが多いでしょう。発熱から48時間以内であれば、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタなどの抗インフルエンザ薬が使えるので処方されることも。抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑えるので、普通は5日程度ある発熱期間を1日弱短くすることができます。

 家庭でのケアは、風邪のときと同じです。できれば慣れている部屋で、ゆっくり休ませましょう。風邪と違うのは、インフルエンザによる高熱で窓から飛び降りるなどの異常行動が起こる危険性があるところ。一時期、抗インフルエンザ薬のせいで異常行動が起こるという噂が広まりましたが、高熱時には起こり得ることです。発熱から2日間はなるべく目を離さないようにしましょう。

 インフルエンザは感染力が高いので、「発熱から5日間」または「乳幼児は解熱後3日間の平熱期間」「小学生以上は解熱後2日間の平熱期間」の長いほうを終えるまでは外出禁止です。つまり、短くても発熱した日を含む5日間は出られません。保育園や幼稚園、学校も、登園・登校停止となります。万が一、どうしても子どもを預けないといけない場合は、病院やクリニックに併設された隔離室のある病児保育室くらいしかないでしょう。その場合も急性期だと預けられないことがあります。

 風邪に比べて症状が重く、外出できない期間が長く、確率は低いとはいえインフルエンザ脳症や肺炎などを引き起こすリスクもあるのが、インフルエンザ。でも、幸いなことに感染を防ぐためのワクチンがあります。ですから、毎年12月頃までに家族でインフルエンザワクチンを接種しておきましょう。

<今回のポイント>
○発熱から12時間経ってから受診を
○抗インフルエンザ薬は発熱期間を1日弱短くする
○インフルエンザは外出できない期間がある
○高熱時は異常行動に注意が必要

森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK ~いつものケアから不調のときの対処法まで』(内外出版社)■連載「小児科医・森戸やすみ先生の子育てQ&A」一覧ページ

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