下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
先週お伝えした『バイキングMORE』(フジテレビ系)打ち切り説だが、やはり現実になってしまった。いろいろ問題が指摘されたこともあったが、しかし果敢に政権や権力に切り込む姿勢も見せていた同番組。そんな番組がまたひとつ消滅した。
第582回(12/9〜12/14発売号より)
1位「渡部建 『豊洲バイトこっそり復帰』『鳥取かに三昧ツアー』で取り戻したい『幸せの日常』」(「週刊女性」1月1日号)
2位「浅香航大 トリンドル玲奈との“結婚生活”のさなか――自宅に呼んだCAアイドル」(「週刊女性」1月1日号)
3位「香川照之 『歌舞伎座沈没』をさせない! 別居愛息と誕生日も舞踊特訓」(「女性自身」12月28日号)
年の瀬も迫った昨今、「週刊女性」の発行日がすでに2022年元日になっていてびっくり。そんな記念すべき(?)号に、またしても特集されているのがアンジャッシュの渡部建だ。不倫発覚から1年半、そして『ガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)復帰大騒動から1年、渡部はいまだに芸能界復帰を果たしてはいない。その近況について「週刊女性」が報じている。
まず、渡部は12月にインスタグラムの公式アカウントを乗っ取られた。しかも2度目。そして一度は辞めたはずの豊洲市場のバイトを再開したらしい。さらに11月には妻の佐々木希や親しい友人たちと鳥取へ旅行にも行ったという。記事には鳥取旅行の際の機内での渡部、佐々木夫妻の様子や座席場所など詳細が記されている。
ただそれだけなのだが、しかし記事の端々に悪意に満ちた表現も! たとえば妻・佐々木が懸命に働いていることを紹介した上で、夫の渡部は“けなげな妻におんぶに抱っこ”、そして豊洲市場でのアルバイトについては“こっそり再開” ――だって。
そもそも豊洲でのバイトも、前回マスコミにばれて、関係者に迷惑がかかるため行けなくなったわけで、再開するにしても大っぴらに発表するはずもない。それを“こっそり”なんて――。
少々気の毒に思うが、しかし数々の“芸能人不倫男”たち、例えば最近では東出昌大や原田龍二、そして渡辺謙という世界的俳優から、お咎めさえなかった千原せいじなど、ある程度の自粛の後、次々と活動を再開する中、なぜ渡部がこれほどまでに復帰できないか。
その理由はひとつだろう。それは渡部の行為が飛び抜けてゲスな不倫だったからだけではない。渡部の行為が、たんなる不倫ではなく、女性に対する性的搾取、そしてハラスメントだったからにほかならない。公衆トイレ(六本木ヒルズの多目的トイレ)に呼び出し、女性を人間としてでなく、“性のはけ口”“奴隷”として扱った。つまり女性に対する差別という大きな問題が内包されていた。
もちろん当時、渡部不倫を扱ったメディア、特にワイドショーはそうした視点での報道はほとんどなかったが、しかし、そのことは潜在的に意識していたのだろう。簡単に渡部を復帰させれば、自分たちにも火の粉が降ってくる可能性がある。そのくらいの認識はあったのだろう。それは『ガキ使』騒動でも証明された。しかも渡部はこれまでインタビューでも会見でも相手女性に対して謝罪していない――。
不倫発覚から1年半、そんな渡部の近況を報じた「週女」だが、「渡部は少しずつ、家族との幸せな日常を取り戻しつつあるようだ」なんて陳腐な結論で記事を終わらせるのではなく、これを機に改めて、この渡部不倫を女性差別問題としてきちんと議論するべきだろう。
なんだか素敵な芸能記事が「週刊女性」に掲載されている。それが俳優・浅香航大とタレント・増井みおとの熱愛記事だ。増井はかつてアイドルグループに所属した元アイドルで、現在はバンドのボーカルや声優や女優もやっているタレントだ。浅香は元ジャニーズの29歳。11月にはABEMA のオリジナル恋愛新番組『私たち結婚しました2』にトリンドル玲奈と夫婦役で出演していることでも話題だ。そんな20代の独身同士。記事を読んでも掲載されているツーショット写真を見ても、なかなか初々しいカップルだと思う。
しかし――。「週女」からの取材に対して浅香と増井の対応が“差”が面白い。まず増井の事務所は「プライベートなことは本人に一任しております」と最近よくある答えだったが、一方、浅香の所属事務所はというと、こちらは全否定。おそらくその理由は2つあるのだろう。ひとつは現在進行中の番組『私たち結婚しました』だ。擬似とはいえ、有名芸能⼈同士の結婚生活をリアルに、まるでドキュメンタリーのように見せかけて演出するこの番組。よって、“妻”であるトリンドル玲奈以外の“実生活恋人”の存在発覚はタブーなのだろう。そして、もうひとつは浅香の所属事務所がバーニング系だからってことか。
そんな大人の事情が垣間見える熱愛記事だが、しかし素敵だったのは浅香の「週女」直撃に対する対応だ。車で出かけようとしたところを「週女」に直撃された浅香。すると駐車場に車を止め、取材に対応したのだ。そして増井との恋愛関係は否定したものの、浅香の受け答えはきちんとしているし、記者に対しても真摯で最後まで礼儀正しかったよう。さらに「こういう経験ほとんどなくて」と逆に記者に質問までしたらしい。かわいい! 素敵! 立派!
月日はこんなふうにたつのか。2011年、実父(現・二代目市川猿翁)への怨念を乗り越え(?)、歌舞伎界に乗り込んだ香川照之。その後も父親への異常な執着、そして息子・政明(市川團子)の梨園入り、さらに自らの離婚など、なんだかおどろおどろしい展開を見せてきた。
しかしそれから10年、香川の56歳の誕生日に香川と息子・團子がそろって日本舞踊の稽古に励んでいた――。そんな父子の“現在”の後ろ姿を「女性自身」が掲載している。父・香川の身長を追い越したという團子。すてきなツーショット写真だ。2人の関係は現在、良好だという。一方、気になるのがここ最近、近況が聞こえてこない祖父である二代目市川猿翁。お元気なのだろうか?