• Wed. Jan 26th, 2022

偏差値70の難関中高一貫校に合格! しかし、子どもの選んだ進路は……『二月の勝者』最終話

 中学受験をリアルに描く連続ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系、土曜午後10時~)。舞台は、スーパー塾講師・黒木蔵人(柳楽優弥)が校長を務める中堅中学受験塾「桜花ゼミナール吉祥寺校」。12月11日放送の第9話では、生徒たちの志望校決定の様子が描かれた。

あらすじ

 12月18日放送の最終回では、ついに生徒たちが受験本番、そして合格発表を迎えた。

 ほとんどの小学6年生にとっては、「受験」自体が初めての経験だ。生徒たちはまず、「前受け」とも呼ばれる1月入試で受験に慣れてから、本命である2月入試に挑む。桜花の講師たちは朝から受験会場に駆け付け、生徒たちにエールを送る。

 第1話で、生徒たち全員を「第1志望校に合格させる」と宣言し、「合格のために最も必要なものは父親の経済力、母親の狂気」であり、生徒の親は「ATM」で、塾は「子どもの将来を売る場所」だと言い切っていた黒木。

 そんな黒木も、2月入試開始前日の1月31日夜には、誰もいない桜花の教室でガタガタと手足を震わせていた。「毎年この日は心が打ちひしがれ、震えが止まらなく」なるのだという。「自分が子どもたちにやってきたことが、言ってきたことが、本当に正しかったんだろうか」と。

 1月入試、そして2月入試で、桜花の生徒たちは次々と合格を決め、桜花吉祥寺校は史上最高の合格実績を叩き出す。桜花には2022年度の入塾希望者が殺到し、黒木は再び「第1志望校に全員合格させます」「2月の勝者となりましょう」と高らかに宣言する。

偏差値70のトップ校に合格するも……

 成績トップの島津順(羽村仁成)は、1月入試では愛知県にある偏差値70の全寮制中高一貫校に、2月入試では御三家・開成中学、都立中高一貫校に見事合格。

順と母親は、教育虐待やモラハラを繰り返す父親と別居し、母方の実家に身を寄せており、経済的事情から一度は受験自体を断念しようとしていた。

3つのトップ校の合格を決めた順だが、家庭事情に鑑みて私立はぜいたくと判断。開成の入学は辞退し、都立中高一貫校に進む道を選んだ。

「開成の合格は、俺が決めた俺の目標。それは叶えられたんだ。ちょっとパパを見返したいっていう気持ちもあったけど、パパもきっと俺のことを認めてくれると思う。開成の受験日に黒木先生『いい受験にしろ』って言ったよね。いい受験だった。俺、超満足してる」

「だからこの開成の合格は、黒木先生と佐倉先生や橘先生、桜花の先生たちみんなへのプレゼントだと思ってよ」

晴れ晴れとした表情で自分の意思を語る順に、黒木は「島津さん、君は最高の男です!」と絶賛した。黒木からのこの言葉は、順にとって合格以上の喜びと重みがあるものだろう。

 黒木といえば、かつては大手名門塾「ルトワック」でカリスマ講師として辣腕をふるい、多くの子どもたちを偏差値上位校に送り出していた。

 現在は中堅中学受験塾である桜花で校長を務める傍ら、大人から子どもまで通う無料塾「スターフィッシュ」を運営しており、塾講師の立場からさまざまな環境の子どもたちと接している。

 最終話終盤、現在もルトワックに勤める元同僚・灰谷純(加藤シゲアキ)と語らう場面で、黒木は受験において「合格」は最終目的ではないと話し、「受験を通して学ぶことの喜びや、己に勝つことの尊さを知った者が未来を切り開いていく本当の勝者だと思います」と語っていた。

 人によって解釈は異なるだろうが、中学受験経験がその子の自信になるか、が重要なのだろうと筆者は解釈した。だから「いい受験」にするには、親の経済力や狂気はもとより、「子どもの意思」が必要なのではないか。それはおそらく、受験に限ったことではなく、学校生活や習い事にも置き換えることができるだろう。

 小学生の子どもを持つ親にとっては、正直、この「子どもの意思」ってやつがどうにも厄介だったりする。親の意向と一致しないこともあるからだ。しかし、『二月の勝者』を視聴しながら、どこかのタイミングできちんと向き合わなくてはいけないのだと認識した。

 ちなみに原作は、現在進行形で1月入試真っ只中であり、今回の最終話はオリジナルの結末とのことだ。