• Fri. Jan 28th, 2022

ドラマ評論家が選出「2022年ブレークしそうな若手俳優」ベスト3! ジャニーズから2人ランクイン

――『キャラクタードラマの誕生』(河出書房新社)『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ』(宝島新書)などの著書で知られるドラマ評論家・成馬零一氏が、2022年に活躍が期待される若手イケメン俳優を選出。ジャニーズタレントからは、若手2名の名前が挙がった。

1位:King&Prince・永瀬廉 『おかえりモネ』(NHK)などに出演

 2021年のテレビドラマは、ジャニーズ事務所出身の若手アイドルの躍進が目立った。

 その筆頭が、NHK連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『おかえりモネ』で鮮烈な印象を残したKing&Prince・永瀬廉だ。彼が演じた「りょーちん」こと及川亮は、東日本大震災で母親を亡くし、父と仮設住宅で暮らしながら、漁師として働いている。

 甘いマスクの持ち主でありながら、漁師という力仕事をしているりょーちんはモテモテだが、本人は謙虚で、周囲の人たちに対し分け隔てなく接する天使のような優しい男の子だ。だが、その優しさの奥には、震災で傷ついた自身の気持ちを、誰とも共有できないという深い絶望と諦めがあった。

 物語終盤、ヒロインのモネ(清原果耶)に「笑わなくていいよ」「大丈夫って言いながら、本当は何って思ってたの?」と聞かれて、「お前に何がわかる?」「そう思ってきたよ! ずっと! 俺以外の全員に!」とりょーちんが感情をあらわにする場面は、本作で一番衝撃を受けた演技だ。

 被災者ゆえに天使のような人間であろうと自分を抑圧し続けてきたりょーちんは、まさにアイドル的な存在で、だからこそ永瀬の芝居には説得力があったのだろう。

 キンプリはもともと若手ジャニーズグループのホープで、平野紫耀を筆頭にドラマ出演は増えており、いつブレークしてもおかしくない状態だった。今回、『おかえりモネ』で永瀬が本格的にブレークしたことで、22年はほかのキンプリメンバーが出演するドラマや映画も一気に増えるのではないかと思う。

 永瀬のほかにも、ジャニーズアイドルの朝ドラ出演も増えている。現在、放送されている『カムカムエヴリバディ』では、ヒロインの初恋の人・雉島稔をSixTONESの松村北斗が好演。王子様的な優しい振る舞いが視聴者の好感を獲得し、序盤の物語を大きく盛り上げた。

 NHK以外の民放局ドラマでもジャニーズアイドルの躍進は目覚ましく、例えば、高校を舞台にした戦隊ヒーローモノの連続ドラマ『ザ・ハイスクール ヒーローズ』(テレビ朝日系)には、ジャニーズJr.内ユニット・美 少年の6人がヒーロー役で出演した。

 もともと、ジャニーズアイドルの層は分厚かったのだが、SMAPや嵐といった先輩の存在感があまりにも強すぎて、世代交代はなかなか進まなかった。だが、21年は特に若いジャニーズアイドルが頭角を表し、世代交代が進んだといえる。中でも深夜ドラマ『夢中さ、きみに。』(MBS)で主演を務めた、なにわ男子・大西流星のインパクトは強烈だった。

 和山やまの同名漫画を映像化した本作は、不思議な青春ドラマで、物語は大西が演じる林美良のエピソードと、若手俳優・高橋文哉が演じる二階堂明のエピソードが交互に展開される。林は自分のことを「かわいい」と思っている変わった少年で、学校にある階段の数をすべて数えたり、教室で干し芋を作ったり、街中にある看板の文字を写真撮影して、SNS上で文章を作るといった「無駄なこと」に夢中になっている。

 何を考えているのかはわからないが、大西の愛くるしい表情もあってか、林は文字通りの意味での天使のような少年で、彼と接した人々はみんな林のことを好きになっていく。SNSをきっかけに林の友人になる松屋めぐみ(福本莉子)の言葉を借りるなら“尊い”存在で、アイドルの大西だからこそ成立する天性のハマリ役だった。

 今年、林以上のハマリ役に出会えれば、俳優としてさらに注目されてるのではないだろうか。

 一方、高橋が演じるもう一人の主人公・二階堂明は、中学の時にモテすぎたことで女性に対して恐怖感を抱いている少年で、わざとダサい眼鏡をかけて陰気なキャラとして振る舞っている。林と同じぐらい極端な設定のキャラクターだが、どこかリアリティが感じられるのは、SNS等で常に他人の評価に晒されている若い子の困難のようなものが内面化されているからであり、その不安を高橋の芝居は掴んでいたといえる。

 そんな高橋は、19~20年に放送された『仮面ライダー ゼロワン』(テレビ朝日系)の主人公・飛電或人を演じており、特撮ファンの間ではすでに知名度は高かった。

 21年は『夢中さ、きみに。』のほかにも、『着飾る恋には理由があって』、『最愛』(ともにTBS系)、『うきわ−友達以上、不倫未満−』(テレビ東京系)と立て続けにドラマ出演をしており、さらに存在感が増したようだ。中でも注目が集まったのは『最愛』で、ある殺人事件の鍵を握る謎に満ちた少年を好演した。

 高橋が演じる役はコメディからシリアスまで幅広く、作品ごとにイメージが変わる。以前から『仮面ライダー』シリーズは若手イケメン俳優の登竜門といわれており、オダギリジョー、佐藤健、菅田将暉、福士蒼汰、吉沢亮、竹内涼真といった俳優を送り出してきた。

 そのため、高橋のブレークも間近だと思われていたが、『最愛』で早くも注目を集めている。22年1月には、連続ドラマ『ドクターホワイト』(フジテレビ系)の出演も決まっており、来年は一気にブレークするのではないかと思う。
(成馬零一)