• 日. 12月 22nd, 2024

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「子宮系女子」の長崎県移住に新たな勢力も!? 2022年、スピリチュアル“教祖様”たちの注目動向

 ネット上には、無責任な理論で集客しては人を食い物にするような、スピリチュアリスト、霊能者、民間資格カウンセラーなどがあふれています。彼らを信じ込んでしまえば、価値観や金銭感覚をゆがめられるのはあっという間。友人や家族を失ってからでは、もう遅い! 「スピリチュアルウォッチャー」黒猫ドラネコが、現代社会にのさばる怪しい“教祖様”を眼光鋭く分析します。

 昨年はいろいろと忙しく、当コラムがあまり更新できませんでした。反省も踏まえ、2021年のエセ・スピリチュアル界隈の出来事をざっくり振り返りつつ、今年はどうなっていくかを考察したいと思います。

 まず、当コラムではおなじみの長崎県壱岐市(壱岐島)に移住して3年目を迎えた「子宮委員長」の動向からお伝えしましょう。昨年はFacebook上で「吉野紗弥佳(さやりんご)」と名乗るようになり、「実業家&アーティストとして行政に頼らない“可愛い”離島活性を目指しています」という自己紹介を公開。オリジナルブランドの化粧品や雑貨などを売りつつ、相変わらず自らを「億女(億を稼ぐ女性)」と称し、オンラインサロンを運営しているようです。

 SNSやブログを見ると、充実感を漂わせる投稿が目に入ります。壱岐島の由緒ある神社の宮司と再婚し、ファンから出資を募ってポルシェを購入したとか(億女がそんなことする……?)。さらに、親族を東北から壱岐市に呼び寄せたことも明かしています。

 そんな悠々自適の暮らしに憧れた熱心な信者たちは、GoToトラベルを利用せずとも、新年は「教祖様詣で」をしたようで、その様子はSNSに投稿されていました。さやりんごとしても、今年も引き続き離島生活を満喫しているとアピールして視線を集めたいでしょうから、信者たちのSNS投稿はいい宣伝になったはずです。

 さやりんごに会うべく壱岐市を訪れる人がいるため、ある意味「島の観光資源」と見る人もいるかもしれませんが、そう単純な話ではないようです。昨年6月には、「週刊新潮」(新潮社)が「『小林麻耶』もハマった”子宮系”が壱岐島に上陸で島民は困惑 『子宮の声を聞く』怪しげな集団」として否定的に取り上げ、私も依頼を受けコメントしました。

 このような話題で耳目を集める存在がいては、観光地として痛手なのではないかと感じます。あるスピウォッチャーさんの情報によると、最近のさやりんごは、やけに家事育児をアピールしているようです。教祖様の私生活の充実なんぞ個人的には全く興味がありませんが、「ママ」をターゲットにした新たなビジネスへの動きもあるそうで、引き続き注目していきたいですね。

 それに加え、「シン・教祖様」とばかりに、今年は新たな勢力も島に上陸する見込み。当コラムでも以前取り上げた、子宮系スピリチュアルから派生した「子宮推命」の考案者・假屋舞氏が、壱岐市に移住を決めたようなのです。

 「子宮推命」は世間的にポピュラーな占い「四柱推命」のような名前ですが、その中身は得体がしれません。假屋氏は自身のブログで「占いの統計データという知識をあてにせず、私自身が今『こうだ!』と思うことを勝手に星の解釈にしている占いです」と説明しており、自他共に認めるデタラメな占い。

 そんなものを布教して一部で名を馳せた假屋氏は、ファンから出資を募り(あなたたち、儲けているなら自分で出しなさいよ……)、壱岐市に居住用の豪華ログハウスを建設するとのこと。ローンもあるでしょうから、移住後の事業拡大は必定だと思われます。

 ちなみに現在は、某漫画家さんが作画したカードを使う高額セッション「イケメンいきものがたり」や、宝石の販売など、「子宮推命」以外にも手広くやっているようです。子宮委員長の信者から“教祖”へと成り上がった假屋氏がどのように活動するのか……。島民は今年も引き続き、「子宮系女子」に頭を悩ませることになるかもしれません。

 子宮系スピ界隈のお歴々が壱岐島に目をつけた発端は、元・壱岐市観光大使で自称スピリチュアリスト・happyの存在が大きいと思われます。昨年1月に「SACHI TAKEKOSHI(サチ・タケコシ)」という名義で歌手デビューしたhappyは、有名デザイナーやスタイリストなどの協力も取り付け、ライブやイベントに力を入れる1年だったようです。

 子宮委員長の親友で、スピリチュアル・ブロガーだった過去をロンダリングするような姿勢にはヒヤヒヤしたものですが、幸い、一般ウケはしませんでしたね。

 しかし、そんなhappyの行動力に声援を送る人は今も健在で、むしろますます盛況のよう。この界隈では、最も固い支持者層を形成した気配すらあります。やはり「機を見るに敏」なhappyは、最近は人数限定で入会金150万円の「ビジネス塾」を開始すると発表。応募が数百人もあった(自称)というから驚きです。

 心配なのは、この塾のために「借金しようか悩む」などという声がネット上にチラホラ見受けられること。「投資して」「お金を恵んで」と、実名や口座番号を晒している人も見かけました。数年前の「子宮系女子」ブーム全盛の頃、このような信者の危うい言動を頻繁に目にしたことを思い出します。

 happyは18年に壱岐島で「縄文祭」というイベントを開催。騒音問題を起こしたり、公園を荒らしたりして、ネット上のみならず地元メディアからもバッシングを浴び、後に観光大使を解嘱。しかし、謝罪せずに姿をくらませ、一連の騒動はうやむやのまま。

 今は当時ほど“スピリチュアル色”を前面に出さずに活動しているとはいえ、高額講座などを続けていることを考えると、再び世間に「危うい人」と認知され、警戒されてほしいものです。

 ビジネスとはいえ、人の金銭感覚を大きく狂わせてしまうようなことが、エセスピ界隈ではいまだに起きています。“個人の趣味”の範疇を越えてこの界隈に入れ込んでも、何も残らないことを知っていただきたいと願っています。

 最後に、子宮委員長やhappyらが長く活動の場としてきた「Amebaブログ」も、今年こそ転換期を迎えることに期待しています。先日、インターネットテレビ局「ABEMA」の番組に生出演させていただく機会があり、思い切って「Amebaブログはエセ・スピリチュアルに甘い」と発言させていただきました。

 コロナ禍において、デマや誤情報の蔓延は特に深刻な問題だと認識され、主要メディアも連日のように取り上げています。そんな中でAmebaブログには、スピリチュアルと関連づけた極端な自然派、反ワクチン、陰謀論めいた言説を繰り広げるブロガーが、いくつかのアクセスランキングで上位に食い込んでしまっています。

 この「人気」が「情報の信頼度」の指数になってしまうようで、書籍の出版やセミナーの開催につながり、その結果「プチカルト」の様相を呈しているケースまで……。Ameba側はこの現状をきちんと把握し、過去さまざまな“教祖様”にお墨付きを与えてしまったことも顧みて、自浄作用を働かせる1年にしていただきたいものです。

 読者の皆様方も引き続き感染予防を心がけることに合わせ、スピリチュアル界隈などの信者ビジネスを繰り広げる怪しい勢力にもぜひ注意してください。今年も油断は禁物ですよ。 

By Admin