今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
六代目山口組に分裂後初の死者
2015年8月の六代目山口組分裂から7年目を迎えたところで、初の「六代目側の死者」が出ましたね。ありがちな表現ですが、「業界大激震」です。
意外かもしれませんが、分裂問題をめぐる抗争で六代目山口組側に死者は出ていなかったのです。19年8月に弘道会関係者が銃撃されて重傷を負ったくらいで、ほかは神戸山口組の襲撃は事務所への銃撃とか火炎瓶投てき、あるいは車両特攻程度なんですよ。
神戸山口組には亡くなっている人も多いですが、これは神戸山口組側が「我々は喧嘩をするために出たわけではない」と、もともと六代目山口組側に銃口を向けていないし、襲撃されてもカエシ(報復)を禁止してきたからです。
これまでも山口組やほかの組織の分裂は何度かあり、再統合を目指しながらも双方に犠牲者が出るのは避けられませんでした。今は刑の重罰化が進んでいるので、組員を長い懲役に行かせるのも大変なのです。でも、神戸山口組の組員は、六代目山口組による引き抜き工作のほか、暴排条例でシノギが回らないこともあって人数が減り続けています。
こういう状況で6年余りも存続するとは、すごくないですか? 六代目山口組だけでなく、ほかの組織関係者も、ここまで分裂状態が続くとは思っていなかったのではないでしょうか。
とはいえ詳しい人たちの中には、「永久に再統合はないんじゃないか」と言う人もいて、なかなか難しいようです。昨秋に神戸山口組の中核組織であった山健組が六代目山口組傘下に入ったことで、「再統合は秒読み」ともいわれたのですが、そうでもなさそうですしね。
そんな中で六代目山口組の関係者が射殺される事態ですから、再統合はさらに微妙になってきました。
報道によると、事件は1月17日午後に起こりました。JR水戸駅から3キロほど、住宅街にも近い組事務所で若頭(40歳)が撃たれたのです。「銃声のような音がした」という通報があったそうですが、なんで銃声ってわかるんですかね……。
それはさておき、警察官らが駆けつけると、若頭は組事務所2階で意識不明の状態で倒れており、救急搬送先の病院で死亡が確認されたそうです。事件から10日余りたちましたが、まだ犯人は逮捕されていません。ヒットマンについては、身内による内部犯行説、神戸山口組説、絆會説、山口組以外の組織説、半グレ説など文字どおり諸説あり、背景として山口組分裂のほかにも、地元のシノギの問題などもあったようです。
報道によると、ヒットマンは手みやげのケーキを持って事務所を訪れており、被害者の若頭は一人で応対したようです。若頭がドアを開けたとたんにケーキの箱を片手に持ったまま撃ったそうで、なんか映画みたいですね。事務所に押し入り、さらに若頭に向けて何発か撃ったあと拳銃を置いて、事務所のクルマを奪って逃げています。
ヒットマンがインターホンを押してから、おそらく数分の出来事ですよね。若頭が応対し、事務所のクルマに乗って逃げるということは、事務所に詳しい人物で、若頭とも顔見知りだった可能性もあるようです。
謎めいた事件なので、今後も注目です。