デビュー10周年を迎えたA.B.C-Zのベストアルバム『BEST OF A.B.C-Z』が、1月31日付のオリコンデイリーアルバムランキングで初登場1位を獲得した。売り上げは3万8,088枚で、これまでリリースしたアルバムの初日記録と比較すると、自己最高の数字をマーク。ジャニーズ事務所のグループとしては珍しく、「CDが売れない」といわれてきた彼らだが、記念の作品は好スタートを切った。
ジャニーズJr.時代からアクロバティックなパフォーマンスを得意としてきたA.B.C-Zは、2012年2月1日にDVDシングル『Za ABC~5stars~』をリリース。DVDでのデビューは“ジャニーズ史上初”と話題になり、14年3月にアルバム『from ABC to Z』、15年9月には初CDシングル「Moonlight walker」を発売した。
しかし、「Moonlight walker」の売り上げは週間ランキング発表時点で8.0万枚と2ケタに届かず、以降のシングル売り上げは初日1~3万台を連発。メンバー・河合郁人のバラエティ番組での活躍が注目を集める中で発売となった、昨年9月リリースの「夏と君のうた」も初日1万7,976枚という低数字で、一部A.B.C-Zファンは「河合がメディアに露出するほど売り上げが減っていく」「河合が活躍しても、A.B.C-Zに新規ファンがつかなかった」と厳しい現実を受け止めていた。
一方、今年2月1日のデビュー記念日にリリースされたベストアルバム『BEST OF A.B.C-Z』は初日売り上げ3万8,088枚で、20年9月発売の前作『CONTINUE?』の記録(2万1,921枚)を上回る結果に。今作は、「初回限定盤A -Music Collection-」「初回限定盤B -Variety Collection-」「初回限定盤C -@Loppi・HMV限定盤~HIBANA EDITION~-」「通常盤Z」の4種が展開されている。
「最も1日目の売り上げが高かったアルバムは、計8形態リリースだった『A.B.Sea Market』(15年5月発売)で3万3,443枚でした。『BEST OF A.B.C-Z』はこの数字を超え、アルバムとしては過去最高の滑り出しとなったんです。シングルはリリースするたびに売り上げが低下し、伸び悩んでいたA.B.C-Zですが、10周年のベストアルバムとあって、ようやく良い結果が出ました。ただ、発売2日目となる2月1日付のランキングだと7位に転落。オリコンの場合、売り上げは3位までしか公表していないため、どれだけの枚数が加算されたのかは不明ですが、早くも勢いを失っていました」(ジャニーズに詳しい記者)
ちなみに、1日付のランキングでは7ORDERの2ndアルバム『Re:ally?』が2位にランクイン。1万9,065枚を売り上げており、前作『ONE』(21年1月発売)の初日1万8,217枚よりもわずかに数字を伸ばしていた。
その7ORDERとは、かつてジャニーズJr.内ユニット・Love-tuneのメンバーだった安井謙太郎、真田佑馬、諸星翔希、森田美勇人、萩谷慧悟、阿部顕嵐、長妻怜央によるユニットだ。それぞれ18年秋~19年春にかけてジャニーズを退所し、19年5月に「7ORDER project」として7人が“合流”。個人で舞台などに出演しているほか、グループでの音楽活動も行っている。
そんな7ORDERも、かつての先輩であるA.B.C-Zの10周年を祝福しているようだ。7ORDERメンバーは、都内のCDショップのパネルにサインやメッセージを書く“挨拶回り”や、全国7大都市のCDショップで期間限定の店長を務めるといった宣伝活動を展開。そこでタワーレコード池袋店の“名誉店長”に就任した森田の店頭コメントが注目を集めている。
「ファンの書き込みによれば、2月1日に森田と真田、萩谷が店を訪れたところ、7ORDERコーナーの近くにA.B.C-Zの記念パネルなどが展示されていたそうで、森田は『A.B.C-Zファンの皆さん、10周年おめでとうございます。僕が店長です』とコメントしていたとか。別のファンの書き込みでも、真田がA.B.C-Zの記念パネルの写真を撮っていた……との目撃談や、タワーレコード渋谷店で阿部&安井と遭遇した人は『顕嵐くん、隣のえびのブースもちょっと見てた』と報告していました。彼らはA.B.C-Zの舞台やコンサートでバックダンサーを務めた経験があり、特に真田は長らくバラエティ『百識王』(フジテレビ系)などでA.B.C-Z・戸塚祥太と共演し、少なくともジャニーズ時代はプライベートでも交流がありました。お世話になった先輩グループの記念日だけに、祝福の気持ちがあふれていたのかもしれませんね」(同)
10周年にして、アルバムの売り上げはひとまず好調なA.B.C-Z。週間ランキングで2ケタに突入し、「CDが売れない」状況から脱却することはできるだろうか?