2月24日、ロシアが隣国ウクライナに侵攻。両軍の間で激しい戦闘が繰り広げられ、衝撃や動揺が世界中に広がっている。ロシアに対する抗議デモが世界各地で相次ぎ、海外セレブたちも次々とSNSでウクライナ支持を表明。事態を注視するよう呼び掛けている。
かねてよりウクライナ情勢に懸念を示し、21年11月にウクライナ軍基地を訪問するなど、ドキュメンタリー制作の準備を進めていた俳優ショーン・ペン。彼はロシアの侵攻直後、事実を記録するためウクライナ入り。
首都キエフで行われたウクライナのゼレンスキー大統領の記者会見を最前列で聞き入る様子が世界中の報道カメラにキャッチされており、大統領はショーンと会談したことを自身のFacebookで公表。ショーンの「ウクライナ支持」と「勇気と誠実を示してくれた」ことに感謝の意を述べた。
そのショーンは25日に出した声明で、「(ロシアの大統領)プーチン氏は人類史上最悪な過ちを犯すことになる」と強い危機感をあらわにし、「(民主主義国である)ウクライナを孤軍奮闘させてしまったら、我々のアメリカ人としての魂は失われてしまうだろう」と熱く語った。
ショーンは、これまで国内外の大型ハリケーン・震災の被災地を何度も訪れ、黙々と被災者救援を行う人道支援家として知られている。また、刑務所を脱獄したメキシコの麻薬王エル・チャポに極秘インタビューしたこともあり、今回の撮影も歴史的な戦争ドキュメンタリーに仕上がるのではと注目が集まっている。
ウィリアム王子とキャサリン妃、異例中の異例コメント
俳優ライアン・レイノルズ&ブレイク・ライブリー夫妻は、Twitterとインスタグラムで「近隣国への避難を余儀なくされたウクライナ人を守るために100万ドル(約1億1,500万円)を寄付する」と発表し、支援団体へのリンクを張った。
1年半ほど前に、英国・バッキンガム宮殿でエリザベス女王に代わってゼレンスキー大統領・オレナ夫人に謁見した、ウィリアム王子とキャサリン妃は、「お会いした時、ウクライナの未来を聞いた」と明かし、「その未来のために勇敢に闘っている大統領と、ウクライナのすべての人々を支持する」と26日ツイッターに投稿。政治・外交問題について発言するのは異例中の異例だと世間を驚かせた。
キエフ出身の俳優ミラ・ジョヴォヴィッチは、故郷で起きていることに心を痛め、ロシアとウクライナ両国にルーツを持つ人間として「引き裂かれるようだ」とインスタグラムに悲壮なメッセージを投稿。「戦争。いつだって戦争。平和をもたらすことができない指導者たち。帝国主義という終わりのない巨大な力。血と涙の代償を払うのは常に民だ」とプーチン大統領を強く非難した。
ウクライナ出身の社交ダンサーで、人気番組『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』(米:CBSテレビジョンシティ)でおなじみのマクシム・チェメルコフルキーは、インスタグラムで「ほかの方法があるはずだ」と戦争反対を表明。
現在キエフにいる彼は、「1990年代にこの国を出た時とまったく同じ状況」「危険と隣り合わせという感覚を忘れていた」「やっと治ったPTSD(心的外傷後ストレス障害)がよみがえってきた」と吐露した。マクシムはいま現在もキエフにおり、リアルな映像を配信し続けている。
若い層に人気のセレブたちも声を上げている。モデルのジジ・ハディッドは、インスタグラム・ストーリーに「胸が張り裂けそう」「プーチンのしていることは、すべての民主主義国に対する脅威」と非難し、平和を強く願うと投稿。同じくモデルのケンダル・ジェンナーはインスタ・ストーリーに「care.org」など支援団体のリンクを貼り、ウクライナへの寄付を呼びかけた。
ドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』(米:FOX系列)のブレンダ役で知られる俳優シャナン・ドハーティーは、「(ウクライナ侵攻に触れず)自慢話とか新しいバッグとかの投稿をしているセレブやインフルエンサーがいるなんて信じられない」と批判。知名度があり影響力が強い人たちは、きちんと発言すべきだと呼びかけた。
しかし、声を上げたことによってバッシングを受けているセレブもいる。
英王室を離脱したヘンリー王子とメーガン夫人は、運営するアーチウェル財団の公式サイトに、ロシアの侵攻を「国際人道法違反」と強く非難する声明を投稿。ウクライナ支持を表明し、国際社会・指導者たちに対しても同国支持を要求している。もともとアンチの多い夫妻だけに、「そこまで言う? 何様?」といった批判が上がっている。
新作ドラマ『ピースメイカー』(米:HBO Max)で、どんな犠牲を払ってでも平和を実現するDCコミックスのヒーロー「ピースメイカー」を演じる俳優ジョン・シナは、「もし、自分が本当にピースメイカーの力を召喚できるのなら、今がその絶好の時なのに」とツイートし、「こんな時に宣伝?」と大炎上した。
俳優アナリン・マッコードは、Twitterに「親愛なるプーチン大統領」に向けたポエム動画を投稿。「本当に残念。わたしがあなたのママだったら、たくさん愛をあげて抱きしめてあげたのに」と、ウクライナ侵攻はプーチン大統領が母親の愛に飢え、ひねくれて育ってしまったからだという持論を展開し、「自己陶酔していてキモい」などと大炎上した。
ホラー小説の巨匠スティーヴン・キングは、「大きな子が小さな子をボコボコにしているところを目撃したら、大きな子を殴って止めさせるのが正解だと子ども時代に学んだ」とツイート。「アメリカは参戦しろってこと?」「金持ちは言うだけだからいいよね」などと激しくバッシングされている。