下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
ウクライナで民間人を避難させる「人道回廊」に地雷が埋設されていたと赤十字国際委員会から発表があった。そのため民間人が戦闘地域から避難できなかったと。これが本当なら大変なことだ。しかもこの回廊、行き先がロシアになっているというから驚きだ。世界中がロシアの侵略戦争に憤っている。
第592回(3/3〜3/8発売号より)
1位「稲垣吾郎がラジオで流し大反響! SMAP17年越し反戦の願い」(「女性自身」3月22日号)
2位「黒柳徹子 30年ぶり『仰天引っ越し先?に最後を託す男」(「女性セブン」3月17日号)
3位「東出昌大 映画監督転身の仰天野望」(「女性自身」3月22日号)
連日、日本メディアもこぞって報道しているロシアによるウクライナ侵攻。これに関し、日本のある楽曲に大きな注目が集まっている。それが2005年にリリースされたSMAPの「Triangle」だ。確かにその歌詞は“反戦ソング”と言っていい。
そんなTriangle現象について「女性自身」(光文社)が特集を組んでいる。2月28日に稲垣吾郎が、パーソナリティをつとめるラジオ番組『THE TRAD』(TOKYO FM)で「平和への願いを込めてこの曲をお届けします」とオンエアしたことがきっかけで、同日の音楽配信サイトでデイリーシングル2位にランクインしたという(その後3月1日付の「オリコン」で3位にもランクイン)。16年前の曲の異例のリバイバルヒットだ。
そして、この話題をきっかけに「自身」ではSMAPたちのこれまでの「Triangle」を通じての“反戦”の思い、そして戦争、平和といった政治的メッセージについても紹介していく。たとえば、中居正広は09年のドキュメンタリー番組で「戦争に対しての意識がどんどん薄れている気がします」と語ったり、香取慎吾は反戦をテーマに作られたブランドの服を着たり、戦争について知ってもらいたいと語るなど、メンバーそれぞれが反戦に対し強い思いを持っていることを改めて浮き彫りにしていく。
さらに木村拓哉も3月6日のライブツアー千秋楽でピースサインを掲げた上、「Triangle」を熱唱したこともネットなどで話題になっていた。解散したとはいえ、大きな影響力のある元メンバーたちが、それぞれが呼応するように反戦を訴え、自身たちの反戦ソングを改めて歌う。そして、そのことが社会に賛同され、大きなムーブメントとなり、曲にも注目が集まる。
素晴らしいことだと思う。これこそがアーティストの、そして影響力のある芸能人の素晴らしさであり、役割のひとつだと思う。賛美されて当然だし、SMAPや曲に注目が集まるのも素敵なことだ。
しかし、少し引っかかる。今回のウクライナ侵攻はロシアによる戦略戦争として世界的に批判を浴びているものだ。そして日々伝えられているウクライナの惨状は痛ましい。日本政府もこれを批判している。
だが、これがロシアの戦争ではなく日本についてだったらどうだろう。というのも、この「Triangle」現象の特集を読んで、5年ほど前に起きた日本の悪夢のような芸能人バッシングを思い出したから。
当時の安倍政権下で強行された安保法制。これは集団的自衛権の行使などを認めたもので“戦争法”とも言われた。この法律により、もし米国が軍事攻撃(たとえば北朝鮮)をすれば、自衛隊が米軍と一緒に参戦する可能性、危険性もあるものだ。
そして当時、一部の芸能人、アーティストたちが安保法制反対を訴えたが、“芸能人は政治的発言はするな!”といったバッシングがネットを中心に巻き起こった。危険な戦争法案に対して批判しただけで「反日」などと攻撃された。そして、こうした風潮は安倍政権が終わった今でも、日本社会に根づいていると思われるから。
他国の戦争でも自国の戦争でも、戦争は戦争。どんな理由があってもしてはいけない悲惨なこと。日本を代表するアイドルだったSMAPの反戦記事を読んで改めて強く思う。
大物独身芸能人のひとり黒柳徹子、御年88歳。独身で子どもはない。これまでの長年の活躍を見れば資産家だと容易に想像がつく。そうなれば世間、そして世間的にも関心を寄せるのは“遺産”問題だろう。黒柳の場合はどうなのだろう、何か問題や事情はあるのだろうか、と。
「女性セブン」では、そんな黒柳の近況と今後について詳しく報じているが、それはちょっと不思議なものだ。黒柳には信頼を寄せるオートクチュールのビーズ刺繍デザイナーで「ビーズ王子」と称される田川啓二氏(62)という男性がいる。田川氏は16年に黒柳の事務所代表になり、18年には黒柳が設立した「一般財団法人黒柳徹子記念財団」の代表理事にもなっている。彼は黒柳の衣装を手がけ、収録にも必ず付きそう関係だという。
さらに田川氏の弟分A氏も黒柳が信頼を寄せるひとり。18年には田川氏から事務所代表の座を受け継いだ。さらに黒柳は30年ほどを過ごした場所から、田川氏とA氏が住む地域のタワマンに引っ越しし、そのタワマンの同じフロアにはA氏も居住しているのだとか。
信頼する人と近くで生活する。そして財団を任せる。肉親ではないから、こうしたやり方も“あり”なのだろう。もちろん黒柳のことだから“その後”のことも考え、何かしらの対策も打っているのかもしれない。
だが心配でもある。記事には黒柳には疎遠になっているとはいえ弟2人と妹ひとりがいるというから。疎遠だろうがなかろうが、きょうだいは黒柳の相続人となる。これまで多くの大物芸能人(主に男性)が(主に)女性問題、遺産問題で晩節を汚したり、周囲や親族への遺恨を残すことになったりしている。
素晴らしい解決策を黒柳はすでに用意してあるのだろうか。知りたい。今後の男性芸能人の晩節のためにも(笑)。
所属事務所から異例の声明で見放され、独立した東出昌大だが、「女性自身」によれば“俳優として表舞台復帰は難しい”らしい。そこで水面下で計画されているのが、東出の監督転身。自分で監督して自分で主役。実現すれば、そりゃいいだろう、東出にとっては。しかし実現するには8,000万円から1億円もの資金が必要だという。スポンサーを見つけられるかどうか――。“可愛がられる性格”と言われた東出の力量やいかに!?