収納ライター兼整理収納アドバイザー1級の伊藤まきさんが、読者の汚部屋を実際に片付ける連載「30代女子の『煩悩部屋』ビフォー・アフター」。今回は、これまで紹介してきた6件のキッチンについて、ビフォーアフター例を一挙プレイバックしていきます!
キッチン1:G退治に苦戦する「汚台所」
Aさん(東京都23区内在住)
家族構成:1人暮らし
間取り:2K
Before
今回片付けた場所をチェックしましょう。
使わないモノを捨て、残ったモノたちの「モノの住所」を決めないと、いくら掃除や片付けをしてもすぐ散らかります。「片付かない片付け」を繰り返すことになり、ストレスと汚れだけが溜まっていきます。
After
100円ショップの収納ボックスを使い「モノの住所」を徹底的に決めてしまえば、時間やお金のムダが確実に減ります。
かさばりそうな収納ボックスを多く揃えるのは、「余計なモノを買いたくない」と考える人に敬遠されがちです。ですが、いくら掃除をしてもすぐに散らかるという人ほど「モノの住所」の徹底にチャレンジしてみてください! モノの居場所が整うほど、不要なモノが目立つようになります。そうすることで、自分で管理できる量と、実際に使うモノの量がわかり「必要なモノ」だけが見えてきます。
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キッチン2:何度やっても片付かない混沌キッチン
Eさん(世田谷区)
家族構成:一人暮らし
間取り:2DK
Before
今回は、キッチンのシンクとコンロ周りを片付けます。モノが散らかり、混沌としています。
モノの量が収納スペースより多いと、こうなります。Eさん含め、これまで見てきたクライアントの多くは「何度やっても片付かない」と言います。
「何度やっても片付かない」のは、「モノを移動しているだけ」だから。
「片付け」とは、使ったモノを元の場所に戻すことを指します。ドラマなどでヤクザの親分が「カタをつける」というように、「邪魔なモノを取り除く」という意味も含みます。つまり、元に戻す。決着をつける。解決をする。取り除く。などです。
でも、戻す場所がない。捨てる気もないなら、ただの「移動」です。
After
Eさんのキッチンはタイル貼りなので、吸盤フックで「吊り下げ収納」を作りました。ガスコンロ周りにはマグネットフックが付くので、調理グッズも引っ掛けることができます。
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Kさん
家族構成:一人暮らし
Before
部屋をスッキリしたい! と思ったら、片付けだけでは終われません。生活がしやすくて、居心地の良い空間にするには掃除が必要です。Kさんのキッチンを見渡すと、掃除をちゃんとしていると感じました。
写真からも、見える範囲は問題ナシですが、扉を開ければモノが窮屈そうに詰め込まれています。また、コンロや調味料の“裏側”を覗くと、知りたくない現実が潜んでいました……。
キッチンシンクやコンロ周りに、頻繁に使う調味料や調理ツールを置くのはとても便利です。使いたい道具をワンアクションで出し入れできて、狭いキッチンでも収納力を確保できます。
でもちょっと待って! このディスプレイ収納は、「定期的なお手入れ」ができて「大きなキッチン」を持つ人だけに限る収納法です。すべての道具を丁寧に扱う習慣がないと、油とホコリでベッタベタになります。また、ひとつ置くと雪だるま式に増えるのも要注意です。
恐る恐る、コンロを持ち上げると!? 真っ黒な焦げ跡、青カビ、白カビ、謎の残骸が蓄積されていました。Kさんに限らず、賃貸物件に住む人は「そこまで掃除する必要がない」と考えます。とはいえ、この状態では、座敷わらしも真っ青です。家の空気の流れは、健康面でも大切なので一掃します!
After
Kさん宅のキッチンの“裏側”を掃除して、シンク上にモノを「直置きしない」ルールを持ちました。また、キッチンペーパーやタワシ類も「空中収納」して、「モノの住所」を固定化します。これで、「汚れにくいキッチン」へと変わりました。余白の面積が広いほどに、ホコリや水アカを一度で拭えます。
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キッチン4:子どもの手が届かない場所にごっちゃり
Mさん(葛飾区在住)
家族構成:3人
間取り:3LDK
Before
腰高のカウンターほどモノが置きやすい場所はありません。散らかりを防ぐには、使う目的とルールを持つこと。Mさんの場合は、リビングにいる子どもを見守りながら調理の作業をしたいという目的です。
After
目的の「調理の作業スペース」を確保したら、「空間の確保」をマイルールにすることでリバウンド防止に。それも難しい場合は、トレーを用意して「この枠内に一時置きをする」とするのもオススメ。
朝食に必要なアイテムをグループ化して、準備を簡単にする仕組みです。用意したのは、ダイソーのスチールラック(棚2枚+ポール4本+フック)1,100円(税抜き/ライター調べ)です。同じ時間に使うモノを、ワンセットに考えた収納です。
Before
「子どもが手の届くモノをすべて出す」という問題です。Mさんが実践した対策は以下の3つ。その結果、上へ上へとモノが溢れてしまいました。
After
以前の白い収納箱には、細かいモノが雑多に入っていました。子どもにとっては、宝探しのようにワクワクする箱だったと思います。Afterでは、開けても良い収納箱をあえて用意。印刷機の上は、ゴミ袋なので散らかっても困りません。子どもにとっても、元に戻しやすいモノです。
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叶井俊太郎さん(都内23区内)
家族構成:3人家族
間取り:一軒家
Before
新居に引っ越したことで「手狭になったキッチン」。半分以上のモノを処分してきたのに、すでに「散らかりやすい」とお悩みでした。
「半分以上のモノを処分してきたのに、キッチンが狭すぎて入りきらない!」 と叶井さん。確かに、「厳選されたモノ」しか残っておらず量的にはミニマリストレベルでした。
シンクやコンロ周りが散らかりやすくなる理由は「モノの住所が決まっていない」と「引き出しの出し入れが不便」なだけ。これを見直せば、簡単です。
After
シンク周りにあるモノすべてを引き出しに収納したら、こんなにスッキリ! 引き出しの収納を見直したら劇的にスッキリと片付きました。
旧家では、食器洗浄機が付いてなかったので、これまでの習慣から水切りラックを用意したそうですが、これからは、プラスチック容器以外のすべてを食洗機で洗うことができます。
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キッチン6:新しい生活と育児でモノがあふれる
Kさん(板橋区在住)
家族構成:4人暮らし
間取り:3SLDK、一軒家
Before
新しい生活と育児で、「食材のストック」が急に増えたとKさん。急に増えた道具と食材に囲まれ、しんどい状態でした。
After
キッチンの収納すべてを見直したことで、コンロ上に置きっぱなしだった鍋類もすべて収納できました。片付かないと思ったら、引き出しの中から「見直し収納」をするのが一番です。
動画で見たい方は、コチラをチェック!
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