• 日. 12月 22nd, 2024

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大ヒット映画『ヤクザと憲法』の親分が引退で騒然! 元極妻が考える「反社脱退後の人生」

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

二代目清勇会・川口和秀会長の「反社脱退宣言」

「御通知
此の度 二代目清勇会の看板を降ろし
今後反社会的勢力から外れ 再出発いたします」

 東海テレビのドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』に出演した二代目清勇会・川口和秀会長(映画公開当時の肩書)の前代未聞の「反社脱退宣言」が話題です。

 この映画は大ヒットしたので、カタギさんのファンも多いですね。私も拝見しましたが、川口氏は「ヤクザ映画に出てくるヤクザ」のイメージがまったくなくて、飄々(ひょうひょう)としたイケメンさんです。微妙にすべるダジャレもチャーミングで、人気の理由はそういうところでしょうか。

 そのぶん若頭はだいぶコワモテなんですが(笑)、事務所の中までカメラが入り、ディレクター氏に拳銃の隠し場所を聞かれた組員さんが「あるわけない。テレビの見すぎ」とあきれるところとかリアルでおもしろいです。

 指定組織の事務所は警察が把握しているので、「危ないもの」を置かないのは常識なのですが、一般の人にはトカレフとか覚醒剤とかがごっそりあるイメージあるんですね。

異例続きの引退

 川口氏の進退をめぐっては、少し前からうわさになっていて、正直どこまでホントかなあという感じでした。でも、清勇会の本家の東組から「絶縁再通知」が出たあたりから、「ガチだな」となってきましたね。

 「反社脱退宣言」もですが、これも前代未聞といえます。普通は「絶縁状」を出したら終わります。絶縁状には、「『川口和秀』との『交友・客分・縁組・商談・盃』等は理由の如何を問わず固くお断り申し上げます」とあり、まあ厳しいんですが、ヤクザの世界は厳しいんですよ。でも、このあとに再びの「『口添・承認』無き事も重ねて御通知致します」ですから、なんかいろいろこじれてしまったのがうかがえます。

 ちなみに「絶縁」とは、ヤクザ組織では最も重い処分で、復帰の道はすべて断たれます。その次に重い「破門」は、復帰の可能性を残した処分です。「何があった?」と、いろいろ臆測が飛び交っていますが、組織の事情ですから外部が詮索するのは野暮というものです。とはいえ個人的には残念ですね。

 川口氏は、『ヤクザと憲法』で、過剰な暴力団排除がいかにひどいかとか、冤罪事件の問題点などをきちんと説明されていました。「暴排で生活できない」と聞いたディレクター氏が「ヤクザをやめる」という選択肢について聞くと、「やめてどこ行くんや?」と答えておられます。

 宮崎学さんもいつもおっしゃっていますが、「なりたくてヤクザになる人」はまずいません。ゼロではないですが、貧困とか差別とか、ほぼ成育環境に問題があるんです。映画は、そういうことを無視して暴力団員を排除することへの問題提起をしていました。

 大きなお世話的に考えると、『ヤクザと憲法』ファンは「かっこいい不良の川口さん」が好きなんだと思いますが、川口氏はこれからも「かっこいい元不良の川口さん」でいけるでしょうね。過去にご本も出されていますから、作家デビューもアリかもです。

 問題あるとすれば、「みなし暴力団員問題」ですね。川口会長の地元・大阪府の暴排条例では、暴力団員の「定義」を「暴力団員又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者をいう」(第二条第三項)としています。

 つまり今年から5年間はカタギさんじゃないのです。この5年間をどうやって生きろというのか、本当に意味わからない条例ですが、やっぱり批判があるようで、警察庁が2月1日付で各都道府県警に「元組員の預貯金口座開設の支援」を指示したそうです。 

 「元組員を雇い入れる協賛企業に就職し、面談などで組織から決別したと判断できた場合には、警察が金融機関に連絡して説明したり、暴力追放運動推進センター職員が口座開設の申し込みに同行したりする」そうですよ。

 それより条例から「5年しばり」を取ればいいだけですし、そもそもこんな条例いらないんですが、古希に近い川口氏はまだまだお若くてお元気そうですし、今後も注目です。

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