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ジャスティン、アリアナなど被害拡大でYouTubeが大炎上! ハッキング犯は有名詐欺師を利用?

ByAdmin

4月 8, 2022 #海外

 現地時間4月5日早朝、ジャスティン・ビーバー、アリアナ・グランデ、テイラー・スウィフト、ハリー・スタイルズ、ドレイク、エミネムなど、世界的な人気を誇るアーティストたちのYouTubeアカウントがハッキングされた。

 ハッカーは、これらアカウントにスペインの詐欺師パコ・サンスの動画を投稿。Twitterでも「自分がやった」と声明を出しており、ハッキングされたアーティストたちのファンはYouTubeのセキュリティがひどすぎると激怒。大炎上した。



 今回YouTubeアカウントがハッキングされたのは、前出のアーティストのほか、マイケル・ジャクソン、トラヴィス・スコット、カニエ・ウエスト、リル・ナズ・X、クリス・ブラウン、ザ・ウィークエンド、ジュース・ワールド、ダディ・ヤンキーら、登録者数が多いアーティストたちばかり。



 6820万人の登録者を誇るジャスティン・ビーバーのYouTubeアカウントには、「ジャスティン・ビーバー - パコ・サンスを自由に!(ft. ウィル・スミス、クリス・ロック、Skinny Flex & ロス・ペラオ」というタイトルの動画が投稿された。

 パコ・サンスは、末期がんで余命わずかと宣告されたと偽ってネットで寄付金を騙し取った詐欺師で、現在服役中。動画の内容は、そのパコ・サンスがギターを後ろ前に持ち熱唱している映像などを加工し、最後に大音量であえぎ声が流れるという奇妙なもので、同一の映像はトラヴィスなど他アーティストのアカウントにもアップロードされた。



 1210万人の登録者がいるハリー・スタイルズのアカウントには、Speedとプリントされたフーディを着た男性3人組が、レイ・チャールズの「Hit the Road Jack」をサンプリングした曲に合わせて体を動かす動画が投稿されることに。タイトルは、「Speedは最高 ハッキングしたのはTwitterの@losepelansbro」で、この動画を見た人たちの多くがTwitterに誘導されたようだ。



 ハッカーだと名乗る「@lospelaosbro」のTwitterアカウントには、どのアーティストをハッキングしたか、次は誰をハッキングすべきかリクエストを募るツイートが立て続けに投稿されており、開設されたばかりのアカウントにもかかわらず、フォロワー数は1.9万人を超えている。



 ラテン・ポップグループ「ロス・ペラオ」をもじった「@lospelaosbro」のTwitterプロファイル画像は、鼻カニューラをして横たわるパコ・サンスの顔写真。ヘッダー画像もパコ・サンスの顔写真で「我々は詐欺を信じる」という文字が入っている。



 パコ・サンスだらけの今回のYouTubeハッキング騒動だが、パコ・サンスの釈放が目的でないのは明白。動画のタイトルにアカデミー賞授賞式のビンタ騒動で注目の的となっているクリス・ロックやウィル・スミスの名前をつけていることもあり、悪質な愉快犯だと見られている。目的は動画に貼ったリンクを踏ませることで、仮想通貨絡みの詐欺を働くパターンの可能性が高いとみられている。



 パコ・サンスは、持病のカウデン症候群が原因で2,000個近くの腫瘍ができたとして、メディアやSNSに頻繁に登場し「末期がんに苦しんでいる自分をどうか助けてほしい」と同情を集めて寄付金を募った詐欺師。末期がんではなく腫瘍はすべて良性であることがわかっており、2010年から17年にかけてセレブを含む数千人から26万5000ユーロ(約3570万円)を騙し取った罪で逮捕、起訴された。

 昨年禁錮2年の判決を受けているが、今回、ハッカーがアップロードした動画はパコ・サンスの判決時、スペインでミーム(※インターネットを通じて模倣され爆発的に広がっていく様子)になった動画だとも伝えられている。



 米紙「ニューヨーク・ポスト」は、YouTube運営サイドからコメントを得られなかったが、音楽動画サイト・Vevoは今回ハッキングが起きたことを把握していると報道。「少数だがVevoのアーティストのチャンネルに、アクセス許可を持たないソースから動画が直接アップロードされた」「無許可でアップロードされた動画は全てVevoが削除した」「セキュリティ・システムを、しっかり見直している」というVevo側の声明を伝えた。



 ネット上では、「こんなことがいまだに起きているなんて信じられない」「YouTubeって、よくハッキングされるよね。セキュリティ体制が甘いのでは?」「トップアーティストがこんなにも簡単に次々とハッキングされるなんて、YouTubeはちゃんと仕事してるの?」などと批判の声が噴出し、お祭り騒ぎとなっている。



 そんなYouTubeといえば、人気チャンネルが仮想通貨絡みの詐欺に利用されたり、アカウントが乗っ取られて売りさばかれるなどの被害が起きており、セキュリティ対策として2段階認証を追加するなど手を打っている。しかし、YouTubeアカウントやログインする時に必要なGoogleアカウントの乗っ取りは後を絶たず、大きな問題となっている。



 今回のハッカーだが、「ハッキングしやすそうなプラットフォームはあるかな? 政府とかは攻撃しない。ターゲットは民間企業だけ」とさらなる犯行をほのめかすツイートを投稿。実際に、音楽ストリーミングサービス・Spotifyへのハッキングを開始した。今後、ほかのプラットフォームにも攻撃を仕掛ける可能性が高いと懸念されている。

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