今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。
コストコや業務スーパーなどのまとめ売りに特化した大規模小売店は、主婦たちにとって強い味方だろう。店舗があるのは郊外の場合が多く、車を持つママに同行させてもらい、買ったものをシェアすることが日常茶飯事になっているようだ。しかし、相手の親切心に甘えてばかりだ、トラブルに発展しかねない。
今回は、ママ友とコストコに行き、モヤモヤしたというママのエピソードを紹介する。
あまり面識のないママの車で、一緒にコストコへ買い物に
コストコは、全世界に800店舗以上を展開し、日本には30店舗を構えるアメリカ生まれの会員制倉庫型店。食品はもちろん、日用品や衣類、家電まで、大量に仕入れたさまざまな商品を箱積みのまま陳列することで無駄なコストを削減し、その分低価格で販売している。
テレビや雑誌で取り上げられることも多く、関東近県で8歳の娘を育てている果歩さん(仮名・40歳)は、「コストコの特集を見ると、つい行きたくなる」と語る。
「周囲のママ友の間でもコストコは人気。施設内にはフードコートもあり、安く食事ができるので、レジャー感覚で遊びに行っているようです」
そんな果歩さんは、子ども同士が小学校に通っているママ友の幸子さん(仮名・41歳)から、「仲が良いママ友からコストコに誘われたので、一緒に行かないか?」と声を掛けられたという。
「幸子さんからLINEのメッセージで、『Aちゃんママの幹恵さん(仮名・39歳)って知ってる?』と連絡があったんです。どうやら子ども同士が同じダンス教室に通っていたため仲良くなったとか。幹恵さんはコストコ会員で、『車も持っているから今度一緒に行かないか?』と誘ってくれたそうなんです」
幹恵さんとはあまり面識がなかったので悩みつつ、仲が良い幸子さんも一緒だったので、同行することにしたそうだ。
「ロティサリーチキン」や「オキシクリーン」に感動も、ママ友の“シェア提案”が「面倒」
果歩さんは、コストコでの買い物は「普段のスーパーとは違い楽しかった」と振り返る。
「大量の食品や日用品が揃っていて、どれを買おうか迷ってしまいました。ずっと食べてみたかった人気商品の『ロティサリーチキン』や、洗剤の『オキシクリーン』まで買えて満足でした」
一方で、買い物時、なんでも「シェアしない?」と聞いてくる幸子さんが「面倒くさかった」とも語る。
「コストコの商品は量が多いため、クロワッサンやヨーグルトの『オイコス』などをみんなで分けようって提案されました。正直、自分が食べたいものを買いたかったのですが、幸子さんから誘われて同行した手前断れず、仕方なくシェアすることに……」
なお、コストコは会員制で、個人の場合は年会費4,840円の「ゴールドスター」と、9,900円で還元率2%の「エグゼクティブ・ゴールドスター」の2種類を選べるが、果穂さんは「会費を払ってまで買い物に行くのは、我が家にはハードルが高い。図々しいですが、誘われたらまた行きたい」という。
「幹恵さんにどうして会員になっているのか聞いたら、『バーベキューやキャンプが趣味で、大人数でシェアできるようなピザやティラミスを買いたいから』って言うんです。うちは車も持っていないし、ちょっと羨ましく感じましたね」
果穂さんによると、この日の買い物では、幹恵さんからガソリン代などを請求されなかったそうだ。
「家の前まで送ってもらったんですが、たくさんの荷物を車から降ろすのに夢中で、私もすっかり謝礼を払い忘れていました。後日、幸子さんにLINEでそのことを話したら、『幹恵さんが大丈夫って言っていたから払わなくていいよ』という返信が来て驚きました」
金銭に関わることはトラブルに発展しやすい。回避するためには、最初に条件や必要経費などを明確にしておくべきだろう。
「ほかのママ友にLINEで意見を聞いたら、『相手はコストコの会費も払っているのだから、ガソリン代として謝礼を払うべきだよ』と返信が来たので、慌てて幸子さんにもう一度、相談したんです。すると『向こうがいらないっていうから、払ったら恥をかかせることになるよ』と返事が。周りのママ友いわく、幸子さんは車を持っていないので、相乗りでコストコやIKEAに乗せて行ってくれそうなママ友に『連れて行って欲しい』とよくお願いしていたそうです。ママ友の優しさに甘えてしまう幸子さんみたいな人もいるんだなと、あきれてしまいました」
果歩さんは、直接幹恵さんにLINEで連絡したという。
「この前はどうもありがとうございましたというお礼の言葉と一緒に、ガソリン代を払いたいと伝えました。そうしたら、やはり『“自分が行きたかったからガソリン代は大丈夫”』と返信が来たので、後日、代わりにお菓子でも渡そうと思っています」
果歩さんによると、大型スーパーではママ友との遭遇率も高いという。
「子どもの帰りが遅い日だったり、晴れた日を狙って行くのですが、同じことをみんな考えているのか顔見知りのママ友と会うこともよくある。ユニクロやアカチャンホンポが入っている大型ショッピングモールでは、平日でも知り合いの姿をよく見かけます。この前、あるママ友がパパとIKEAに買い物に来ていました。『休みを取ってもらって車で来た』と言っていて、車があると日用品もストック買いできるからいいなと思いました」
果歩さんの夫は夜勤もある警備員のため、平日はほぼワンオペ育児だそう。
「私は週3回ほど近所の弁当屋で働いています。子どもができてからは、家族連れが行くようなお店に行くと、車を持っていたり、パパと一緒に買い物できるママがうらやましく感じるようになりましたね……」
大型スーパーなどは家族連れが集まりやすいため、それが可視化されるようになったのかもしれない。
「ママ友とのコストコでの買い物は、普段の買い物と違って新鮮で楽しかった。ただ、一人に負担をかけることはモヤっとするので、今度誘われることがあれば、あらかじめ謝礼をどうするか相談して決めておこうと思います」
子どもを介して知り合うママ友同士は、それぞれの家庭の経済状況や価値観も違う。人付き合いをうまくいかせるには、相手に対する気使いと、自分を押し付けないことが重要なのかもしれない。