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【薬剤師解説】「むくみ」改善の生活習慣&3つのおすすめ食品! 五苓散(ごれいさん)ほか漢方活用法も

 日常生活でよく起こる「むくみ」。夕方になると脚がパンパンになったり、お酒を飲んだ翌日は顔がむくんだりした経験はありませんか? むくみは自然に解消されることが多いため、どうしても見過ごされがち。しかし、そのメカニズムや水分との関係、予防法や対策を知っておくと、早めに解決できる場合もあります。今回は、むくみの原因や解消法を、薬剤師・相田彩氏が解説します。

1.むくみは「血流の悪化」が原因! 疾患が隠れている可能性も? 

 むくみの主な原因は、血流の悪化。通常は、毛細血管が全身を巡り、血液が滞りなく流れることで老廃物や余分な水分を処理しています。しかし、血流が停滞するとそのバランスが崩れ、組織間液と細胞の間に余分な水分が溜まって、むくみが起こってしまうのです。

 血行が悪くなる原因には、冷えがあります。冷え性だと、滞った水分がさらに体を冷やす悪循環を招いたり、溜まった水分が血管やリンパ管を圧迫して、症状を悪化させることも。また、運動不足や睡眠不足、ストレスなども血流を悪化させる原因です。女性ホルモンが水分の排泄に関わっているため、月経周期や更年期によってむくみが起こりやすくなることもあります。

 さらに、むくみには内分泌疾患や内臓疾患が隠れている可能性も。甲状腺の異常や心臓、肝臓、腎臓などの機能が低下してむくみが生じる場合もあるため、しばらく続いたり、指で押すと跡がついたりする場合は、医療機関を受診してください。

2.むくみを改善する生活習慣、2つのポイント

 むくみは、皮膚の下に余分な水分が溜まった状態なので、末梢血管の血流をよくすると、改善につながります。また、脚などの筋肉が少なくなると、血流が悪くなることも。日頃から、ふくらはぎや、ももの筋力が低下しないように気を付けて過ごしましょう。そこで、日頃からできるむくみ改善のポイントを2つ紹介します。

2-1.湯船につかるなどして体を温める

 シャワーだけで済ませるのではなく、湯船にゆっくりつかって、しっかり体を温めましょう。そうすると血行がよくなり、むくみも解消されやすくなります。また、入浴時の水圧も停滞している血流を促す効果があるので、湯船にお湯をためる時間がない場合は、足湯をするだけでも効果が期待できますよ。

2-2.適度な運動やマッサージをする

 筋力が弱くなると、血液を心臓に押し戻す力も低下して、血流が悪くなります。そのため、心臓から遠くにある脚の筋力の低下は、むくみの原因になってしまうのです。少しの時間でも散歩をするなど、脚の筋力をつける意識をしましょう。

 また、長時間のデスクワークや同じ姿勢でいることは避け、ストレッチやマッサージなどをして、血液を循環させることも大切です。

 むくみを解消するには、ナトリウム(塩分)の排泄を促すカリウムが多く含まれる食品の摂取が効果的。また、利尿作用のある食品、血行をよくする食品などもバランスよくとり入れましょう。

3-1.カリウムが含まれる食べ物:野菜、果物、海藻など

 カリウムは、腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制するほか、ナトリウムの尿中への排泄を促進します。ほうれん草やバナナといった野菜や果物のほか、海藻類、イモ類、豆類などに含まれており、なかでも、春先に旬を迎えるたけのこは、炊き込みご飯や煮物など、用途が広く食べやすい食材です。ただし、腎臓の悪い方は不整脈を起こす可能性があるため、カリウムをとりすぎないように注意しましょう。

3-2.利尿作用のある食べ物:きゅうり、小豆、スイカなど

 食べ物で利尿作用を促進できれば、余分な水分が排出されてむくみの改善につながります。利尿作用のある食べ物にはカリウムも多く含まれているので、積極的にとりたいですね。きゅうりや春菊、セロリなど緑系の野菜、料理の付け合わせとしてのパセリは、手軽に摂取できる食材。また、小豆や大豆、納豆、スイカ、メロン、冬瓜などもおすすめです。

3-3.血行をよくする食べ物:たまねぎ、ショウガ、香辛料など

 たまねぎやにんじん、ショウガのほか、唐辛子やターメリック、コリアンダーなどの香辛料も、体を温めて血行をよくするといわれています。料理でも、塩分を控えてこれらの香辛料を加えるなどひと工夫すると、食習慣も楽しく改善できるでしょう。

 生活習慣などで血行促進の工夫をしてもむくみが解消されない場合は、漢方薬などで東洋医学をとり入れる選択肢もあります。

 漢方医学でのむくみは、血液の不足や巡りが悪いことに加えて、水分の代謝が悪くなり、水分や老廃物が体の中に溜まってしまうことが原因と考えられているのです。漢方薬は、自然由来の生薬の力で血液や水の巡りをよくすることで、むくみや冷え、倦怠感などの症状を同時に改善させます。

 ここでは、水分の代謝を改善したり、滞った水の流れを整えたりする漢方薬をご紹介します。

<むくみで悩む方におすすめの漢方薬>

・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
 体に溜まった余分な水分を取り除き、体の水分バランスを整えることで、むくみや水太りなどの症状を緩和。疲れやすく、肥満や汗かきの人に向いています。

・五苓散(ごれいさん)
 体内の水の偏りを改善し、水分代謝を整えることで、むくみなどの症状にも効果が期待できます。体力にかかわらず使用できる漢方薬で、体の中に溜まった余分な水分を排出する利水効果があり、特に口が渇く人におすすめです。

 漢方薬などの東洋医学では、体の不調を根本から改善してくれます。特に、冷えなどの悩みは、時間はかかっても体質の改善が大切。漢方薬は、自然由来の生薬から構成されているため副作用の心配も少なく、始めやすいといえます。しかし、むくみに効果がある漢方薬でも、体質や状態がそれぞれ異なるため、自分の体調や体質に合ったものを選ぶことが重要。

 自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。しかし、たくさんの漢方薬から、自分にあった漢方薬を見つけるのは大変ですよね。

 そんなときは、「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。漢方に精通した薬剤師とAIが、あなたに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。

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5.むくみの悩みを解消するため、生活を見直そう

 むくみの原因と予防法をしっかり把握できれば、必要以上に悩まされることは減っていくはず。日頃から、血液やリンパの流れをよくする生活習慣を心がけましょう。また、冷え性がある方は、まず冷え対策を心がけることが大切です。

 特に脚は、心臓から離れているためむくみやすい場所。食生活を見直すほか、定期的にストレッチや運動などもとり入れて、むくみの悩みを解消しましょう。

薬剤師・相田 彩
薬剤師。昭和薬科大学薬学科卒業。総合リハビリテーション病院、精神科専門病院、調剤薬局に勤務するなかで、漢方薬が使用される症例の多さと、体質や症状に適した漢方を使用することの重要性を実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。

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