2021年春、我が子が小学校に入学! と同時に、うわさでいろいろ見聞きしていた「PTA」が現実のものに。さらに子どもの学校は「PTA加入率100%」!? PTAの謎ルールに直面した母がつづる「PTAには入りません、って言えない!?」、その最終回。
PTA校外委員が総出の一大イベント
1年前の4月にPTA校外委員になり、「下校指導」係を担当することになった私にとって、最後の活動がやってきた。新1年生を対象とする「下校指導」で、入学式翌日から3日間にわたって実施される。
私の所属する「下校指導」係も含めた校外委員全員および教員数名によって、この下校指導は行われる。係の担当者は準備、出欠取り、指示出し、片付けを行い、その他の校外委員と教員は、下校する新1年生の引率や見守りを担当する。
ちなみに、3日間のうち、下校指導係は1人につき2日、ほかの校外委員は1人につき1日の参加となっている。数年前は全員3日間の参加が基本だったらしいが、下校後は学校併設の学童に直行する新1年生も増えたため「縮小」されたようだ。
下校指導1日目。係である私は、午前10時頃に来校し、ほかの係メンバーとともにPTA会議室から必要な備品(旗、バインダー、出欠表、コース確認表、報告書、筆記用具など)を校庭に持ち出した。出欠取りなどで使用するパイプ椅子とテーブルは、教員側で用意してくれていたこともあり、あっという間に準備完了。
ほかの校外委員たちもポツポツと校庭に集まってきたので、名前を確認し、担当コースごとに割り振られた色の旗を渡す。係のリーダーさんが流れを簡単に説明し、旗を持った校外委員は校庭で間隔を空けて立ち、スタンバイ。
そうこうしているうちに新1年生が続々と校庭に出てきた。ランドセルには、下校コースの色のリボンが付いている。担任の教員たちは、自分のランドセルに付いているリボンと同じ色の旗のところに並ぶようにと声をかける。
ほとんどの子は言われるがまま並んでいくが、ランドセルのベルトに装着された防犯ブザーが気になり、つい触ってしまう子もいるようで、ときどき校庭に警告音が鳴り響く……。
教員がコース確認表を見ながら、各コースの児童が全員揃っているかを確認。欠席や早退、コース変更などで多少もたつきつつ、無事に確認が取れると、先頭に教員、その後ろに新1年生、最後尾に校外委員が並んで下校指導に出発した。学童に行く子たちは、学童コースの色の旗に並び、教員と学童スタッフの指示のもと、まとまって移動。教員にしろ校外委員にしろ「ものすごく熱心」というほどではないが、かといってやる気がなさそうにも見えない。
言い表すならば、「普通」。自分のやるべきこととして任務を遂行している感じ。引率する校外委員にとっては面倒だろうが、教員に至っては業務時間中だし。
この間、下校指導係は、児童の忘れ物やトイレの対応、引率する教員や校外委員の補佐をすると聞いていたが、そのようなことは特に起こらず、わりと暇……。むしろほかの校外委員の人たちのほうが、自分の係(ベルマーク、インクカートリッジ、古紙回収など)に加え、1日とはいえ下校指導の引率をするわけで、負担感が大きいような気さえする。
ただし、下校指導係は全コースの校外委員と教員が戻るまで待機し、その後片付けをしなければならず、係メンバー間で「やることないね〜」と雑談して時間を潰していた。
引率を終えて学校に戻った校外委員と教員は、下校指導係に旗の返却及び報告。ほとんど何も話さず備品を返してそそくさと引き上げる教員もいるが、わりと丁寧に説明する校外委員の人もいる。
報告では、ランドセルに付けるリボンの色が違っていた子が数人いたようだ。学童を利用する家庭は、自宅までの下校コースと学童コース、2種類のリボンを配布されており、保護者が間違えたらしい。そもそも自宅までの下校コース自体、保護者からの自己申告によるものなので「ミス」はあり得るよな……とも思う。
また、公園に寄り道したがる子、無断で友人宅に行こうとする子、途中で「道が違う!」と言い出す子、自宅までのルートをきちんと把握していない子、自分の名前を言えない子など、トラブルも少数ながらあったようだ。
そういった話を聞くと、確かに新1年生の下校は危なっかしい。とはいえ、登下校って保護者の責任ではないのか、もし本当に見守りが必要ならば自治体等が予算をつけて実施するべきじゃ、といった疑問も湧いてくる。
なお、学区が広範囲ゆえ、メンバーが戻ってくる時間にはコースごとにばらつきがあり、その差は最大で30分ほど。近距離のコースと遠距離のコースでは戻る時間が30分ほども異なり、遠いとトラブルも起こりやすいようだ。
全てのコースの報告が完了すると、下校指導係メンバーで備品の片付け。これもあっという間に済んで解散。所要時間は、2時間強といったところ。
翌日の下校指導2日目も同じような流れで、トラブル報告件数は前日より少なく、下校指導係はやはり暇を持て余し気味だった。
これにて、1年にわたった私のPTA委員としての活動は終了。今年度は、一般のPTA会員だ。加入した覚えないけど。
そして保護者懇談会での教員の説明によれば、今年度もPTA会費は学校徴収金と一緒に引き落とし……。連載は終了するが、PTA非加入・退会の権利行使するしないの選択権の問題も含め、まだまだPTAについて気がかりなことは多い。今後も、PTA委員として動向をウォッチングするつもりだ。