世界で実際に起きた衝撃の事件にまつわるミステリーを推理するバラエティ番組『ワールド極限ミステリー』(TBS系)。5月18日の放送は、“慰謝料総額195億円”となったジョニー・デップとアンバー・ハードの泥沼離婚裁判が取り上げられる。
映画『ラム・ダイアリー』(2011年)での共演をきっかけに、交際を始めたというジョニーとアンバー。その後、14年に2人は婚約し、翌15年には挙式も行ったが、16年にアンバーから離婚を申請したことが明らかに。アンバーは、ジョニーからドメスティック・バイオレンス(DV)を受けていたと主張し、裁判所に離婚を申し立てた際には、顔に青アザができた自身の“証拠写真”も提出していた。
結果的に、この裁判はジョニーの敗訴で幕を閉じた。しかし現在、ジョニーはアンバーを名誉毀損で訴えており、再び2人の泥沼裁判に注目が集まっている。
なかなか“決着”がつかないジョニーとアンバーの騒動だが、16年に離婚騒動が勃発した際、世間は2人の姿をどう見ていたのだろうか? 『ワールド極限ミステリー』の放送に合わせて、当時に公開した記事を改めて掲載する。
(編集部)
突如終止符が打たれたジョニー・デップの泥沼離婚劇に、ネット上では「裏がある」という意見が多数
「史上最も醜い離婚劇の1つ」と世界中の注目を集めていたジョニー・デップとアンバー・ハードが、突然離婚に合意したと発表した。
2011年に公開された映画『ラム・ダイアリー』での共演がきっかけで、恋に落ちたとされるジョニーとアンバー。12年6月、ジョニーは14年間連れ添い、2人の子どもをもうけた歌手のヴァネッサ・パラディと別れ、直後からアンバーとの交際を公に。14年1月に婚約し、4月には男なのに婚約指輪をはめたジョニーが、インタビューで「子どもは100人ほしい」と上機嫌に子作り宣言。15年2月にジョニーが所有するバハマの島で結婚式を挙げ、めでたく夫婦になった。
一部タブロイド誌で、「アルコール依存症のジョニーを、アンバーがフォローしきれなくて困っている」と報じられたが、2人はどこに行くにも一緒で、夫婦円満をアピール。15年6月に、税関で申告せずに愛犬を持ち込んで、オーストラリア農相から大目玉をくらった際には2人結束して文句を言い、「似た者夫婦」「同じ価値観で幸せそう」と呆れられたものだった。この件に関して、2人は今年4月17日に謝罪ビデオを公開。その後、一緒にいるところを目撃されることがなくなり、5月25日になんの前触れもなく、離婚報道がなされた。
報道によると、長年闘病を続けていたジョニーの最愛の母親が同月20日に81歳で死去し、その3日後にアンバーが離婚を申請したことが明かされ、アンバーが嫁姑の関係に苦しんでいたという臆測が流れた。
が、この離婚劇はすぐに急展開を見せた。27日に顔に青タンを作ったアンバーが裁判所に現れ、ジョニーに対する接近禁止命令を要求。「21日に暴れたジョニーに携帯電話を投げつけられ負傷した」「薬物とアルコール依存症のジョニーからずっと心身的な虐待を受けていた」と主張し、マスコミは「ジョニーはDV男だった!」と色めき立った。これに対して、ジョニーの娘や最初の妻、そしてアンバーのために捨てられたとウワサされているヴァネッサまでも「ジョニーはDV男じゃない」と擁護する声明を発表。アンバーが離婚申請時から高額の配偶者手当を求めていること、27日にはくっきりあった顔のあざが28日にはきれいに消えていたことなどから、「アンバーは銭ゲバ女」「金目当てでジョニーと結婚した」と叩かれるようになった。
世間からは「婚前契約を結んでいなかったジョニーが甘かった」という声も上がったが、ジョニーは全米でも指折りの敏腕弁護士を雇い、8月6日に予定されていた宣誓証言で、アンバーを徹底的に叩き潰すつもりだったと伝えられている。が、アンバーがその手に引っかかるわけはなく、ジョニー側が提案した前日の話し合いを拒否し、しかも宣誓証言当日は遅刻。さらに「ジョニーの弁護士から、突然示談の申し込みがあったので、宣誓証言はなくなった」という報道が流れた。
この報道にジョニーの弁護士は驚き、「アンバーは遅刻した上で、泣くわ叫ぶわした挙げ句に拒否したので、宣誓証言できなかったのだ」と大激怒。15日、16日に予定されている裁判では、さらにドラマチックな展開になるのではと、マスコミは色めき立った。
この宣誓証言報道を受け、ネット上では、アンバーはやっぱり「ワケありオンナ」「ビッチ」だとバッシングが巻き上がった。しかし、12日。とんでもないビデオがネット上に流出し、世間を戸惑わせた。ジョニーがブチ切れ、台所の家具を蹴ったり、荒っぽく戸棚を開け閉めしたり、なだめようとするアンバーを非難したり、ワインの瓶とグラスを投げ、その様子を録画していた彼女の携帯電話をテーブルから投げ落とす、という衝撃的な内容だったのだ。
このビデオは、深く考えずに見ると、酒に酔ったジョニーが一方的にブチ切れているように思える。しかし、ネット上には「ビデオはアンバーに都合よすぎる内容だ」という声が多数上がった。
というのも、アンバーはしきりに「今朝はケンカしてないじゃない」「私はごめんなさいとだけ言ったわ」と話しているのだが、なにに対して謝ったのかは一切触れていない。また、グラスにワインを注ぐジョニーに「今朝だけで、こんなに飲んだの?」と聞くなど、いちいち怒りを煽るようなことを言っている。ジョニーはワインを投げる直前、携帯電話で撮影されていることに気づいたように見えるのだが、ジョニーの姿をはっきりと撮るため携帯電話の位置を手早く変えており、アンバーが隠し撮りに慣れているようにも見えるのだ。
このビデオを入手し公開した米「TMZ」は、「これはアンバーが撮影したものだが、彼女は流出させていないと主張している」とし、ジョニー側は「ビデオはあちこち編集されたもので、アンバーがせせら笑いながらジョニーをけしかける部分が丸々カットされている」「アンバーによるでっちあげ」だと激怒していると伝えた。
その後ジョニーが、この動画が撮影されていた時に、自身の右手中指の先を切り落とす大ケガをしたことが判明。その指を彼女の絵の具に浸し、鏡に「主演 ビリー・ボブ 尻軽アンバー」と書き殴ったという写真も公開された。手当てをせず、絵の具に浸したため、傷は悪化。『パイレーツ・オブ・カリビアン』最新作の撮影を長期間中断して治療しなければならなくなったと報じられ、「多くのスタッフに迷惑をかけた原因が痴話げんかだったとは」と呆れる声が上がった。
ちなみに、アンバーいわく、このケガをした時ジョニーは大量の酒を飲んでいた上、ドラッグでハイになっていたとのこと。そのため、痛みは感じなかったようである。また、鏡に名前を書かれた張本人で、アンジェリーナ・ジョリーの元夫としても知られるビリー・ボブ・ソーントンとアンバーは『London Fields』という映画で共演しているが、ビリーは「TMZ」の取材に対して「アンバーとはまったく交流しなかった」「浮気なんてとんでもない」とコメント。ビリー自身既婚者であるため、迷惑がっているようだと伝えられている。
そんなジョニーとアンバーの醜い離婚劇が突然、決着したと報じられたのだ。
2人は16日、メディアに対して共同で離婚の話し合いが決着したという声明を発表。「私たちの関係は極めて情熱的なものであり、緊迫したこともあったが、常に愛で結ばれてきた」「私たちのどちらも、金銭目的のために誣告(虚偽の告発)したわけではない。物理的または感情的に傷つけようとする意図もなかった」「アンバーはジョニーの今後の幸せを切に願っている。アンバーは、離婚で得たお金はチャリティー団体に寄付するつもりである」という内容で、アンバー側が作成した声明にジョニーが同意したと、世間は受け止めた。
一方で、アンバーも妥協したと感じる人も多かった。「私たちのどちらも、金銭目的のために誣告したわけではない。物理的または感情的に傷つけようとする意図もなかった」は、明らかにジョニーのDV疑惑に関する文章だが、DVの有無は明確に書かれていない。また、今回合意したことで、アンバーはジョニーに対して求めていた接近禁止命令を、「2度と彼に対する接近禁止命令は求めない」という条件のもとに取り下げことも明かされ、「ジョニーはアンバーに危害を加えることはない」と証明する形になった。
また、ジョニーは慰謝料などで700万ドル(約7億円)をアンバーに支払うとも報じられた。この700万ドルの一部をチャリティーに寄付するということになるが、一体いくらを寄付するのかは明かされていない。
ビッグスターの泥沼離婚劇はこれにて終了したわけだが、ネット上では、今回の離婚発表の内容をうさんくさいという目で見ている人が多いようだ。「どうせ離婚に関する詳細は外部に漏らさないと契約しているのだろうが、今回公開された情報は表向きのものだろう。ジョニーはDV疑惑を払拭する代わりに、700万ドルどころじゃない大金を内密に支払うことで合意したのでは?」「アンバーは、小まめにジョニーの姿を盗撮していたようだから、弱みを掴んでいるのでは? だから、ジョニーがDV疑惑以外のアンバーの要求を飲み込む代わりに世間には内緒で大金を払うことを提案し、今回の発表をしたのではないか」という声も飛び交っている。
法的な手順があるため、2人の離婚はまだ正式に成立していない。そのため、アンバーが今後も「私が流出させたんじゃない」と言いながら爆弾を投下する可能性もありそうだ。
※2016年8月17日初出の記事に追記、編集を加えています。