• 日. 12月 22nd, 2024

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明日あなたが被害にあうかもしれない

フリマアプリの売上金で30万円のジュエリーを購入決意も、一瞬にして冷めた店員の“一言”

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 以前、連続ドラマ『私の家政婦ナギサさん』(TBS系、2020年7月期)で女優・多部未華子ちゃんが着用していた、ジュエリーブランド・TASAKIの「デインジャースコーピオン」というイヤーカフを購入した私。その後も、私の情熱は冷めず、ついに「仙台のTASAKIのお店に乗り込んでやるゥゥゥ!」という状態になったのよ。

 早速、友達のS子を捕まえ、「仙台に行こう!!」と熱く語り、後日、仙台へ降り立った私たち。憧れのジュエリーショップに行くということで、当日の朝、「なめられない格好をしていかねば!」と燃え上がった私は、腕にはカルティエのタンクウォッチ、左指には74万円のカルティエのトリニティリング、右手は73万円のkataokaのリングとアベリの61万円のリング、そして60万円のバングルに、首には100万円のダイヤのネックレスを装着。

 いやいやでも、まだ足りないわ。TASAKIに乗り込むなら、TASAKIのアイテムを身に着けて行かなきゃと、仕上げにTASAKIのデインジャースコーピオンを耳に着けました。ほほほほほほ、これで完璧ざんす!! どこからどう見ても、「買いそう」なマダムざんす!!

 完全武装した私とS子は、TASAKI三越店とTASAKI本店の2店舗ある中、仙台駅から徒歩7分ほどの本店へと向かいました。店内は重厚感のある雰囲気でとっても静か。綺麗なジュエリーたちがずらりと並んでいます。私はすぐに目当てのデインジャーシリーズを探しました。すると、店員のお姉さんが話しかけてきます。

 ちょっと気恥ずかしさを感じながらも、私は「デインジャーイヤークリップを探しに来ました……」と言いました。すると、お姉さんは「デインジャーシリーズはこちらです」と言って案内してくれました。そして次の瞬間、夢にまで見たイヤークリップが目の前に……!

 内心、「ふおおおおおおお!!!!」とテンション爆上がりの私は、早速試着させてもらうことに。そうそうそう、これよこれ!! あたしゃ、このイヤークリップをつけてみたくて仕方なかったのよ!! 「イヤークリップ」という名の通り、挟み込むタイプのアイテムなので、着けたときに痛みを感じるのではないかと不安に思っていましたが、全くそんなことはありませんでした。お姉さんいわく、シリコンが入っているから耳への圧迫感がないんだって。なるほどねぇ~。

 ちなみにお値段は28万円。その時、私には約35万円ほどのフリマアプリの売上金がありました。それを資金にすれば、うん、買える。ぎりっぎりだけど、あたしこの子を買えるわ!! さあ、コールするのよ、N子。「このイヤークリップを買いますわ!!」と叫ぶのよ。

 しかし、喉の奥から声がでない理由もありました。その前日、私はステディと今後の仕事をめぐり、討論をしたのです。ステディから月10万円分の仕事をもらっていたものの、ステディからそれを月5万円にしてほしいとお願いされ収入が減ることに。それなのにあたし、このイヤークリップを買っていいの……?

 そのときでした。お姉さんがこう言いました。

店員さん「デインジャーイヤークリップのほかにイヤーカフというのもございます」

 そうしてうやうやしく見せてくれたのは、私が今耳に着けているものと同じアイテム。え……? お姉さん、私がTASAKIのイヤーカフを着けているって気づいてなかったわけ? じゃあ、あたしが耳のおしゃれをする意味ってなに?

 その瞬間、サーっと購買意欲が下がっていくのがわかりました。店員に気づかれもしないものに28万円も出すなんてバカすぎる!

 銀座のアベリの店員さんは1年に一度行くかどうかという私の顔を見て、「千葉さん!」と声をかけてくれるのよ。そして、身に着けているものを絶対に見逃さず、「アベリのものですね!」って気づいてくれるのに……。

 ううむ、店員さんの一言で買う気になり、また店員さんの一言で買う気が失せる。ジュエリーの世界は奥が深いのう。まあ、今回は散財を抑えられたからよしなのかしら……。

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