人気テレビアニメ『名探偵コナン』(日本テレビ系)の劇場版シリーズ第25弾『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』が、4週連続で全国映画館動員ランキング(興行通信社調べ、5月7~13日)の1位に輝いた。
4月15日に公開され、2週目から5週目まで1位をキープし続けた同作。公開から31日間で興行収入75億円、動員は541万人を突破し、驚異的な大ヒットを記録中だ。
ネット上ではファンが喜んでおり、「本当に面白かったし、この結果も納得」「個人的には、歴代シリーズの中でもなかなかの良作だと思う。もう一回見に行こうかな」といった感想も多い。なお、劇場版『コナン』シリーズでは、2019年公開の『紺青の拳』が叩き出した興行収入93.7億円が、現在の最高記録となっている。『ハロウィンの花嫁』はこれを超えるヒットとなるのか注目したい。
2位には、ベネディクト・カンバーバッチが天才外科医の最強魔術師を演じる『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』が公開2週目で入った。同作は、マーベル・コミックを原作とした映画で、17年に日本公開された『ドクター・ストレンジ』の続編。“マルチバースの扉”が開いてしまい、人類に最大の脅威が迫る中、ドクター・ストレンジが世界の危機を救うべく、新たな敵に立ち向かう姿を描く。
全米では約4,500館で公開され、3日間で1億8500万ドルのオープニング興収を記録するなど、すでに大ヒット中。日本では、公開から5日間の累計で動員78万人、興収12億円を突破している。
ネット上には、作品を絶賛する書き込みも多いが、「過去のマーベル作品を見ないと話について行けない」「いろんな要素を盛り込みすぎでは?」といった指摘もあり、賛否両論のよう。とはいえ、マーベル作品という話題性から、当分はランキング上位を賑わせそうだ。
続く3位は、斎藤工、長澤まさみ、西島秀俊らが出演する『シン・ウルトラマン』が初登場ランクイン。日本を代表するSF特撮ヒーロー『ウルトラマン』を、16年公開の映画『シン・ゴジラ』を手掛けた庵野秀明氏と樋口真嗣氏のタッグで、新たに映画化した話題作である。
本作は、「禍威獣(カイジュウ)」と呼ばれる謎の巨大生物が次々と現れる日本が舞台。政府は「禍威獣特設対策室専従班」を設立し、禍威獣に対抗するための任務にあたっていたが、ある日突然、“銀色の巨人”が大気圏から出現して……といった内容だ。『シン・ゴジラ』が興収80億円超えの大ヒットを記録しただけに、『シン・ウルトラマン』も期待されていたようだが、ネット上の評判は賛否両論。
特撮やウルトラマンファンからは、「初代ウルトラマン好きの私は大満足!」「子どもの頃ウルトラマンにハマった大人向けの映画ですね。すごく楽しめました」といった好意的な感想も多いが、「『シン・ゴジラ』が面白かったので期待してましたが、こっちは面白さがわからなかった」「ハッキリ言って微妙だった。“マニア向け”映画かな」などと、厳しい感想も見受けられる。
また、とあるシーンをめぐって「セクハラ」を指摘する声も上がっており、今後も波紋を広げそうだ。
4位には阿部サダヲ、岡田健史らが出演する『死刑にいたる病』が公開2週目でランクイン。櫛木理宇氏の同名小説(早川書房)の実写化作品で、『凶悪』(2013年)や『孤狼の血』シリーズ(18、21年)でも監督を務めた白石和彌氏がメガホンを取った。
鬱屈した日々を送る大学生・筧井雅也(岡田)のもとに、世間を震撼させた連続殺人事件の犯人・榛村大和(阿部)から1通の手紙が届くところから、物語がスタート。その手紙には、自身の冤罪を証明してほしいという榛村の依頼が書かれていたが……というサイコサスペンスである。
ネット上では、阿部の“狂気的”な熱演が話題になっており、「阿部サダヲの目に吸い込まれた。表情が恐ろしすぎる」「終始異様なオーラを放つ阿部さんが印象的だった」「もう阿部サダヲの出演作見れないかも。それぐらい怖い!」などと、恐怖に怯える観客の感想が多数上がっていた。
中には、「白石監督だから覚悟してたけど、グロテスクなシーンが多い。苦手な人は注意」「エグい描写もあるので、その辺りダメな人はキツイと思う」といった“注意喚起”をするネットユーザーも。バイオレンスな描写が苦手な人は、事前に下調べをしてから劇場に向かったほうがいいかもしれない。
続く5位は「ハリー・ポッター」シリーズのJ・K・ローリングがオリジナル脚本を手がける「ファンタスティック・ビースト」シリーズの第3弾『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』、6位には『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』が入っている。
7位は窪田正孝、本田翼、広瀬アリス出演の『劇場版 ラジエーションハウス』が、公開3週目でランクイン。同作は、人気テレビドラマシリーズ『ラジエーションハウス』(フジテレビ系)の劇場版。診療所が一つしかない離島で未知の感染症が発生する中、天才放射線技師・五十嵐唯織とその仲間たちが、島民を救うために奔走。
公開10日間の興収は6億円、動員も47万人と健闘しているものの、ネット上での評価は真っ二つ。「思ったより面白かった!」などと肯定的な声が飛ぶ一方、「新しさが何もない。2時間ドラマでよかったのでは?」「演出が極めて幼稚。途中でイライラしてきた」といった辛辣な評価も散見された。
続く8位には、神木隆之介と柴咲コウがダブル主演を務め、写真家で映画監督の蜷川実花がメガホンを取った、公開3週目の『ホリック xxxHOLiC』がランクイン。9位は、競泳に打ち込む少年たちの熱き青春を描いた人気テレビアニメ『Free!』(TOKYO MXほか)シリーズの最終章にあたる劇場版の後編『劇場版 Free!the Final Stroke 後編』が、10位には17年に日本公開された大ヒットアニメ映画『SING/シング』の続編『SING/シング:ネクストステージ』が入った。
【全国映画動員ランキングトップ10(5月7~13日 、興行通信社調べ)】
1位 名探偵コナン ハロウィンの花嫁
2位 ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
3位 シン・ウルトラマン
4位 死刑にいたる病
5位 ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密
6位 映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝
7位 劇場版 ラジエーションハウス
8位 ホリックxxxHOLiC
9位 劇場版 Free!the Final Stroke 後編
10位 SING/シング:ネクストステージ