今期、各局の連続ドラマが盛り上がりに欠ける中、山下智久が主演を務める『正直不動産』(NHK総合)は好評を博しており、業界内では「“元ジャニーズ”の山下が民放キー局のドラマで活躍できる日も近いのでは」(スポーツ紙記者)とみられているという。
今年4月スタートの春ドラマは、綾瀬はるか主演の『元彼の遺言状』(フジテレビ系)や、木村拓哉主演の『未来への10カウント』(テレビ朝日系)などが“期待作”と言われていたが、前者は第4話で世帯平均視聴率9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をマークして以降1ケタ台に沈んでおり、後者は第3話の9.9%で木村の主演ドラマでは初の1ケタ視聴率を刻んだ。
「木村と同じジャニーズ所属だと、嵐・二宮和也がTBS系『日曜劇場』枠で主演中の『マイファミリー』は、オール2ケタ台をキープしているものの、なにわ男子・道枝駿佑が“5代目・金田一一”に抜てきされた『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)は、今のところ全話1ケタ台という惨状。それ以外では、『インビジブル』(TBS系、主演・高橋一生)や『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(同、主演・上野樹里)なども、前評判は高かったものの、始まってみるとそこまで話題にならず、残念ながら各話1ケタ台を連発中です。そんな今期、山下主演の『正直不動産』は、視聴率がもともと取りづらいNHKドラマだけに、高視聴率で話題になっているわけではありませんが、作品自体の評価が高く、SNS上でも人気を誇っています」(テレビ誌ライター)
2020年10月にジャニーズ事務所を退所した山下は、21年4月期、前シリーズに生徒役で出演していた連ドラ『ドラゴン桜』(TBS系)第2シリーズの最終回に、“声のみ”で再登場。そして今年4月期、山下にとっては、ジャニーズ退所後初めての地上波ドラマとなる『正直不動産』の主演に抜てきされた。
「かつて、ジャニーズ退所者がテレビで活躍するには時間がかかるイメージだったのに対し、山下はあっという間に返り咲いた印象。最近のNHKは、元ジャニーズでも事務所に忖度なく起用しますが、『正直不動産』の評判は、現役ジャニーズが主演中の民放連ドラを上回る勢いです。同ドラマの放送開始前には、出演予定だった俳優・木下ほうかの降板騒動が報じられるというトラブルもあったものの、放送開始後は毎週SNS上で話題になり、その盛況ぶりを取り上げるネットニュースが続出。NHKにも反響は届いているようで、まだ本放送を終えていないのに、すでに“2度目の連続再放送”が決定したことも発表されているほどです」(同)
そんな山下の活躍ぶりはファンを喜ばせているが、業界関係者の間にも驚きの声が出ているそう。
「山下は、ジャニーズ退所前に未成年女性との飲酒同席やお泊まり疑惑を報じられていた。“事務所に迷惑をかけておきながら辞めた”という意味で、『退所後はそう簡単にテレビに出られないだろう』と、業界内で目されていたんです。『ドラゴン桜』第2シリーズへの出演も、当初は絶望視されていました」(前出・スポーツ紙記者)
しかし、同作の制作側から、第2シリーズでも“山下は絶対に外せない”との声が上がり、“声のみ”という異例の出演方法を“強行”したようだ。
「ジャニーズ忖度との兼ね合いによる、妥協案のようなものでしたが、結果的に視聴者からの反響も大きく、TBSは山下の出演“強行”を成功と捉えているようです。そして業界内では、『正直不動産』でも株を上げている山下に、あらためて関心が寄せられています。もう1本NHKの連ドラ、もしくは映画など、彼の人気や実力がさらに評価される作品が続けば、どこかキー局から、“声のみではない”出演オファーが届くはずです」(同)
なお、元ジャニーズのキー局連ドラ主演といえば、17年9月に退所した元SMAPの草なぎ剛も、23年1月期にフジテレビ系で放送される関西テレビ制作の連ドラで主役を務めることが発表されている。
「草なぎに先駆け、香取が21年1月期、テレビ東京で連ドラ『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』主演を務めていますが、草なぎの場合、SMAP時代に何度も主演した“フジの連ドラ”に復帰するという点で、業界関係者の注目を浴びているんです」(同)
草なぎは稲垣吾郎、香取慎吾とともにジャニーズを退所した後、しばらくはテレビ露出が激減していたが、19年7月、ジャニーズが“圧力”をかけていた疑いがあるとして、公正取引委員会が同事務所を注意していたことが判明。以降、露骨な圧力はなくなったといわれており、草なぎも、21年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』に1年を通して出演するなど、徐々にテレビ露出が増えていた中での主演決定だった。
「ジャニーズを離れてからすでに5年たとうとしていますし、草なぎ自身、20年公開の主演映画『ミッドナイトスワン』で『第44回日本アカデミー賞』の最優秀主演男優賞を受賞するなど、俳優としての評価を着実に積み上げてきました。それが今回のフジの連ドラ主演につながったのです。当初、テレビ復帰さえ“茨の道”とみられていた草なぎの活躍は、山下にとっても励みになりそう。局側も『草なぎのドラマがOKなら……』と、山下の起用に前向きになるでしょう」(同)
草なぎに続き、山下を連ドラ主演に抜てきするキー局はどこになるだろうか。