ジョニー・デップ(58)が元妻アンバー・ハード(36)を名誉毀損で訴えた裁判に、モデルのケイト・モス(48)が出廷した。ジョニー側が証人として呼んだもので、ロンドンからリモート出廷したケイトは、ジョニーのDVに関する嫌疑について「事実無根」だと否定した。
今回の名誉毀損裁判で証言台に立ったアンバーは、ジョニーとケイトを知る人2名から「ジョニーがケイトを階段から突き落としたことがある」と聞いたと主張。2年前にジョニーがタブロイド紙を相手取って起こした名誉毀損裁判でもアンバーは同じことを証言していたが、ケイトが何も反論しなかったことから事実だと確信したのだろう。今回の裁判でも「自分以外にもジョニーのDV被害者はいる」と陪審員に印象付けようとしたものだとみられている。
しかし、現地時間5月25日、ケイトがジョニー側の証人として出廷。黒いジャケットにドット柄のボウタイブラウス姿で裁判所にリモート出廷し、凛とした表情でカメラを見据え、ゆっくりした口調でジョニーの弁護士の質問に答えていった。
ジョニーと交際中、2人でジャマイカのリゾートに旅行したかという問いには「イエス」と回答。そこで何が起きたのかと聞かれ、「ジョニーに続いて部屋を出た時、雨が降っていたため足を滑らせ、階段から落ちて腰を打ってしまった」と明かし、「何が起きたのかわからず、痛みで悲鳴を上げました。ジョニーは駆け戻ってきてくれて、私を部屋まで運び、手当てをしてくれました」と述べた。
続く「ジョニーに階段から突き落とされたことは?」という質問に対しては、首を横に振り「ノー」と回答。「交際している間、階段から突き落とされたことは?」という問いにも「ノー」と返し、「階段から突き落とされたり、蹴り落とされたり、投げ落とされたりしたことは一度もありません」と苦笑しながら証言した。
人気俳優のジョニーとトップモデルだったケイトが交際をしていたのは94〜98年の4年間。交際を始めた年にケイトと口論したジョニーがニューヨークのホテルで暴れて器物破損で逮捕されたりしていたため、たびたび口ゲンカしているところを目撃されていたため、「パーティ好きで酒を飲んではぶつかり合う、若きセレブカップル」として、タブロイドの格好の餌食とされた。
ジョニーはケイトと別れた年に受けた芸能雑誌「HELLO!」のインタビューで、破局原因は自分にあると明かし「仕事を優先させ、彼女に気配りすることができなかった」と懺悔。一方のケイトは12年に受けた雑誌「ヴァニティ・フェア」のインタビューで、何をするにもジョニーのアドバイスを仰ぐなど依存していたため、破局後はつらく、「何年も何年も泣いた」と明かしている。
交際開始時、ジョニーは31歳、ケイトは20歳。破局後、ジョニーはすぐにヴァネッサ・パラディと家庭を築いたが、ケイトはしばらくジョニーとの別れを引きずり、飲酒の量が増えてアルコール依存症になったともうわさされている。
今回のケイトの証言について、長年ファッション業界で働いているモデル仲間で友人のナオミ・キャンベルは、インスタグラムのストーリーで「そうよ! 言っちゃいなさい!」とケイトの勇気をたたえ、ネット上でもリモート出廷したことを「よくやった!」と称賛する声が続出している。
ジョニーは、22歳の娘リリー・ローズと20歳の息子ジャックのためにも汚名をそそぎたいと今回の名誉毀損裁判を起こしており、19歳の娘を持つ親として、ケイトも協力したのではないかと推測する声も多く上がっている。
陪審員を意識しすぎて言動が不自然だと書き立てられているアンバーだが、ケイトの証言は無表情で聞いていた。アンバーの弁護士は、ジョニーの弁護士が「これまで裁判に出廷されなかったのに、なぜ今回、証言してくれる決心をしたのか?」という質問に異議を唱えただけで、反対尋問はしなかった。
一方のジョニーは、画面のケイトをじっと見つめ、最後はほほ笑んでいるように見えたと話題に。裁判所の外にはジョニーを応援するファンが日増しに増えており、ハリウッドから干されてもまだまだ人気は衰えていないことを世間に知らしめている。
その半面、アンバーは信用ならないとアンチが増加しているが、米大手ファッション誌「ヴォーグ」が「なぜ今、アンバー・ハードを信じるべきなのか」というタイトルの記事を掲載。勇気を出してDV被害者であることを公にした彼女を味方する声も、まだまだある。
今回の証言でケイトにはDVを行なっていなかったことが明白になり、アンバーの立場は危ういものになった。今後、どのような反撃を仕掛けてくるのか、ますます裁判から目が離せそうにない。