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【薬剤師解説】ストレスで「暴飲暴食」の悩みが増加!? 主な原因とリフレッシュ方法3選

 コロナ禍で在宅勤務やリモート授業が増え、昼間も自宅にいる時間が長くなった人、結構多いのではないでしょうか。それに伴い、食べすぎ&飲みすぎに悩む人も増加しているようです。そこで今回は、暴飲暴食がやめられずに体重が増えてしまい、体調面や美容面で不安がある方に向けて、薬剤師の竹田由子氏が解決策をお伝えします。

1.暴飲暴食、主な「3つ」の原因とは?

 暴飲暴食の原因は、「ストレス」「間違った食事制限」「PMS」と大きく3つに分けられます。では、それぞれの特徴について見ていきましょう。

1-1.ストレス

 仕事や家事・育児、ダイエットそのものがストレスとなる場合は、心身の疲労やイライラなどから、ドカ食い&ドカ飲みに走りがち。しかし、暴飲暴食でスッキリするのはその瞬間だけで、ストレス自体はなくなりません。むしろ、食べてしまったことに罪悪感を覚え、かえってストレスを溜めることに。そのストレスがさらなる暴飲暴食の原因となり、負のループを招く可能性もあります。

1-2.間違った食事制限

 ダイエットをするために、ローカロリーや低糖質のものばかり食べていると、いくら食べても脳が満足できません。また、血糖値が下がると脳が生命活動の維持のため、もっと食事をとるように空腹の指令を出すため、暴飲暴食につながりやすいです。

 こうした過度な食事制限が原因の暴飲暴食では、手軽に血糖が上がりやすい炭水化物や、糖分を多く含む甘味を口にしたくなる傾向が強いよう。また、カロリーの高いファストフードや油物を欲する人も珍しくありません。

1-3.PMS

 PMSは「月経前症候群」ともいわれる、生理前の女性が経験する心身の不調のこと。生理前は女性ホルモンのバランスが崩れることで血糖コントロールができなくなり、空腹を感じやすくなるのです。PMSが原因の暴飲暴食は、月経周期に伴って波が来るので、月経が始まると自然に食欲がおさまる特徴があります。

 ここまで、暴飲暴食の主な原因を3つご紹介しました。中でも、大きなウェイトを占めるのは「ストレス」なので、上手に解消していくことが大事。それでは、ストレスを溜め込まずに安定した生活を送るためのコツや、簡単にできるリフレッシュ方法を3つご紹介します。

2-1.夜は早めに寝て、朝は日の光を浴びる

 日中の在宅時間が増えてきたとはいえ、やはり暴飲暴食は夜の時間に集中しがち。深い悩みや考えごと、マイナス思考に陥りやすいのも、日の光のない夜といわれます。

 夜は空腹感やイライラ、ネガティブな感情を感じる前に、早めに寝てしまいましょう。十分な睡眠は心身のリフレッシュにもつながります。また、朝は太陽が昇るタイミングで起き、カーテンを開けて日の光を十分に浴びましょう。曇りや雨の日でも太陽の光は届いているので、毎日の習慣にしてみてください。

2-2.お風呂はしっかり湯船につかる

 入浴は体を清潔に保つだけでなく、心身の疲れも癒やしてくれます。ストレス解消のポイントは、シャワーで済まさず湯船につかること。緊張やイライラをやわらげるには、少しぬるめのお湯につかり、気持ちが沈むときや動くのが億劫なときなどは、少し熱めのお湯につかるのがおすすめです。ただし、長時間入浴して汗をかきすぎると逆に体が疲れてしまうので、注意してください。

2-3.食事はよく噛んで味わう

 暴飲暴食は、食事の量にムラが出ると起きる傾向にあります。バランスのいい食事を規則正しく、よく噛んでとるようにしましょう。しっかり味わうことで過食を防ぎ、消化を助けます。そして何より、大切なのは楽しんで食べること。食事量に頼らなくとも、味や香りを楽しみながら楽しく食事をすることで心が満たされれば、十分なリフレッシュになります。

 上手にストレスを解消することも大切ですが、不調の原因を根本から解決できれば、暴飲暴食で悩むことはありませんよね。暴飲暴食の根本改善には、自分の思い通りにいかない精神的ストレスや、ホルモンバランスの乱れによる暴飲暴食をうまくコントロールしてくれる、漢方薬がおすすめ。漢方薬を使うことで、神経の高ぶりを抑え、イライラを解消していきます。

 また、漢方薬はストレス解消の助けとなるだけでなく、体の内側から働きかけることで、暴飲暴食しにくい体質へと改善していくのです。それでは、原因ごとにおすすめの漢方薬をご紹介します。

3-1.「ストレス」が原因で起こる暴飲暴食におすすめの漢方

・大柴胡湯(だいさいことう):体力があり、わき腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向にある方に
・加味帰脾湯(かみきひとう):体力中程度以下で、心身が疲れ、血色が悪い方に

3-2.「間違った食事制限」が原因で起こる暴飲暴食におすすめの漢方

・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):体力中程度で、みぞおちがつかえた感じがあり、軟便または下痢傾向のある方に
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう):体力中程度以上で、のぼせ気味で顔色赤く、イライラして落ち着かない方に

3-3.「PMS」が原因で起こる暴飲暴食におすすめの漢方

・加味逍遙散(かみしょうようさん):体力中程度以下でのぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やイライラする方に
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう):比較的体力があり、のぼせ気味で便秘がちな方に

 漢方薬は、ご自分の体質や状態に合っていないと効果が感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。たくさんの漢方薬の中から、どれが自分に合っているのか見極めるには、プロの力を借りるのがおすすめ。最近では、漢方に精通した薬剤師とAIがオーダーメイドで選んでくれるサービスもあります。安価で自宅に郵送もしてくれるので、まずは気軽に試してみるのもいいかもしれません。

あんしん漢方

 暴飲暴食は健康面にとどまらず、金銭面、精神面、美容面にもよくないのは言うまでもありません。とはいえ、現代社会にストレスはつきもの。暴飲暴食に走るのではなく、今回ご紹介したような方法でうまくリフレッシュしながら、暴飲暴食の原因を根本から改善していきましょう。

 上手なリフレッシュと根本改善を行っていけば、増えてしまった体重も元通りになるはず。ただし、漢方薬を選ぶ際は専門家と相談しながら、適切なものを見極めてもらうことが大切です。

参考
・「漢方養生指導士 養生総論」 薬日本堂 漢方スクール
・「漢方養生指導士 疾患別 漢方各論」 薬日本堂 漢方スクール

薬剤師・竹田由子
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。