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『家政夫のミタゾノ』の“珍味感”を高める、TOKIO・松岡昌宏の存在感と可能性

 TOKIO・松岡昌宏が主演を務める連続ドラマ『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)の第5シリーズが、今夜最終回を迎える。同作は、2016年に第1シーズンがスタート。深夜の「金曜ナイトドラマ」枠ながら、世帯平均視聴率8%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を獲得することも珍しくない、大人気ドラマだ。

 松岡は、家政婦を派遣する「むすび家政婦紹介所」で、なぜか女装をして“家政夫”として働く謎多き人物・三田園薫(みたぞの・かおる)を好演。家事全般を華麗にこなす“スーパー家政夫”でありながら、派遣先の家庭で起こる問題を見抜き、“根深い汚れ”をスッキリ落としていくという、探偵のような役割も担っている。

 今でこそ大人気ドラマとなった『家政夫のミタゾノ』だが、シリーズスタート当初は、松岡の女装姿に衝撃を受ける声が続出。180cmを超える高身長であるうえに、“TOKIO・松岡昌宏”としては、ドラムを叩いたり、『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)で農作業をしたりする姿がおなじみだったため、ファンからも「違和感がすごい!」などと言われていた。

 そんな松岡について、サイゾーウーマンの人気連載「ジャニーズツッコミ道場」を担当していた田幸和歌子氏は、『家政夫のミタゾノ』が始まった当初の同連載にて、「初回を見たとき、思わず困惑し、探してしまった。主演の松岡がどこにいるかわからなかった」と驚きをつづっている。

 さらに、ミタゾノを演じる松岡が、ある芸人に見えてしまう理由について真剣に考察。女装によって、なぜか2人は「近づいてしまう」というのだが……。今夜の最終回に合わせて、同記事を再掲する。
(編集部)


“珍味ドラマ”×TOKIO・松岡昌宏の可能性を感じる、『家政婦のミタゾノ』における存在感

 今回ツッコませていただくのは、10月21日にスタートした金曜ナイトドラマ『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)に主演中のTOKIO・松岡昌宏。

 もともと『家政婦は見た!』(同)のパロディ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)のさらにパロディという禁じ手であり、ダダすべりするか含み笑いを呼ぶか気になる作品ではあった。

 だが、まず初回を見たとき、思わず困惑し、探してしまった。主演の松岡がどこにいるかわからなかったからだ。そして、しばらくの間、自分がココリコ・田中直樹だと思って普通に見ていた人物が、主演の松岡だとわかったときは、結構本気で驚いた。

 あらためてTOKIOが登場している駅の中吊り広告を見たり、ほかのテレビ番組で松岡を見たりしてみるが、どこにもココリコ・田中はいない。まったく似ても似つかない。でも、ドラマ『ミタゾノ』の方は逆に、どこにも松岡が存在しない。こんなにも一致しない2人が、「女装」によって近づいてしまうのは、なぜなのか。

 1つには、田中がコントで女装したり、ヒッピーのようなロン毛姿をしたりするインパクトが「大柄な女装の松岡」と重なることもあるだろう。だが、田中が女装やヒッピー姿をする機会なんて、さほど多くない。

 もう1つには、平常時における松岡のルックスが、お弁当に入っているバランのような前髪のインパクトによって支えられていることもあるだろう。『ミタゾノ』をやる前は、あの髪形は個人的には『スラムダンク』(集英社)の仙道さんだと思っていたが、バラン部分をなくしてみると、意外に「松岡」感は一気に薄まる気がする。

 そしてもう1つ、松岡のアラフォーとは思えない肌艶や、キラキラの瞳のせいもあると思う。ツヤツヤピカピカの肌が女装のカツラとメガネで覆われ、あまり見えなくなり、瞳の輝きもメガネの奥に沈み、さらに演技によって鈍く怪しい光に変わっている。ココリコ・田中の大きく特徴的なアゴも、女装のカツラなどであまり見えないときは、こんな感じに薄まっていると思う。

 ちなみに、ココリコ・田中は役者としても非常に存在感があるが、松岡の存在感もまた、すごい。

 もともと180センチ超と、かなり長身だが、『ミタゾノ』のときには「女装」によって、普段よりなおさら大きく見えている。一目見て、浮きまくっている。そういえば、嵐・大野智の主演ドラマ『怪物くん』(同)のデモキン役も、やたらデカくて存在感がありすぎて、怖かった。

 『ミタゾノ』第2話では、素晴らしい身体能力を発揮していたが、疾走シーンの異常なスピード感や、塀を飛び越える瞬発力などは、明らかに普通の人間と違っていて、やっぱり浮きまくっている。思えば、『必殺仕事人』(テレビ朝日系)シリーズでも、その動きのキレは発揮されているわけだ。

 ドラマ経験は多数あるものの、ヒットした主演ドラマというと、『サイコメトラーEIJI』(日本テレビ系)くらいしかないかもしれない松岡昌宏。それでも松岡のこの存在感は、ドラマや映画などで生かせる場所がまだまだある気がする。

 ドラマ内に盛り込まれる「家事の裏技」が要るかどうかという声も一部にはあるが、その珍妙な調理具合も含めて、このドラマの珍味感を高めている。松岡の珍味ドラマの可能性を、もっともっと見たい。
(田幸和歌子)

※2016年11月1日初出の記事に追記、編集を加えています。